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プロローグ

 それは遥か昔――大昔の話。


 虚空に亀裂が入り、空から大量の魔族が降り立った。


 魔族は瞬く間に進軍し人類の住む領土を制圧して行った。海を渡り、山を越え、大陸へと移る。彼らは火を操り、水を支配し、雷を纏って進撃した。そんな『魔術』に対応する術が無かった人類は魔族の長『魔神』の指揮によって蹂躙された。


 そこに抵抗なんてものは無い。ただの虐殺。それだけが世界を支配していた。


 魔族が人間を滅ぼすかに見えた――その時、たった一人の少年が立ち上がる。


 自らを勇者と名乗り、彼はたった一人『魔神』に挑んだ。


 誰もが少年の勝利を信じなかった。だが、少年は『魔術』に対抗する術を身につけ、たった一人で――――人類を救ったのだった。


 それから数百年が経つ。彼は英雄と呼ばれ、未だに語り継がれている。彼の遺した『魔術』に抗う術。彼はその力を人々に分け与えた。人はそれを『スキル』と呼ぶ。成人すると一人につき一つの『スキル』が与えられ、その後の人生に大きな影響を及ぼす。


 英雄亡き後も強力な『スキル』を持つ逸材が現れ、人類が魔族に屈する事は無くなった。


 それでも、魔族との均衡を保つのは非常に難しい。そこで人類は対魔族のスペシャリストを育成する機関を作り上げる。騎士ギルド。国を護る為に戦う戦士を育成する場所。


 英雄に憧れ騎士を志願する人々は絶えないが、騎士ギルドに入る事は難しい。その上入団したのちも過酷を極める。魔族との争い。人間間の戦争。騎士はそれらに駆り出される。選ばれた才能ある人が次々と倒れ、消えて行く。


 彼らはもう、人では無い。人類を守る為の――一裕福な人の金の為の――道具に過ぎない。


 それでも、騎士を目指す少年少女は絶えない。


 ある者は夢を――ある者は復讐を――ある者は名誉を――それぞれの願いを胸に、彼らは今日も騎士を目指し努力する。道具になる事を恐れずに。己の信じた道を進むのだ。

本日はあと2回更新する予定です。

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