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桜の木の下でまた会おう  作者: 逢坂すずね
第一章 恋の行方
7/10

これからのこと

2012年6月20日。


【朱莉side】

今日は優太(ゆうた)の四十九日だ。今は法事や法要が終わったところだ。これで優太は本当にいなくなってしまうのだろうか。誰かが今日、「優太はみんなの心の中にいるから寂しくない」と言った。でも私は、優太は心の中になんていないと思う。だって、優太はもう死んでしまったのだから。もうこの世にはいない。いるとしてももう霊だ。

朱莉(あかり)ちゃん、今日はありがとね。優太のために」

優太のお母さんだ。何回か会ったことがあるから知っていた。

優太のお母さんも優太とおんなじでとても優しい人だ。それに、料理がとっても上手い。たぶん、何を作っても美味しいと思う。

「いいえ。優太にはすごくお世話になったので」

本当に優太にはお世話になった。嬉しい時は一緒に笑ってくれるし、悲しい時はそばで寄り添ってくれてた。それがすごく嬉しかったし、好きだった。

「朱莉ちゃんもこれからは自分の道を歩いてね。優太のことは朱莉ちゃんの心の片隅に置いてくれるだけでいいの。忘れられちゃうのは優太も悲しいと思うから」

「優太のことは忘れません!絶対に!」

「ありがとう。優太は惜しいことをしたわね、こんないい彼女がいたのに」

優太はお母さんは誰かに呼ばれて行ってしまった。

私は全然いい彼女なんかじゃなかった。私に優太はもったいなかった。

私は優太のことが大好きだった。なのに私はもう違う人を好きになってしまったんだ。

これから、どうしたらいいのかな?今頃なんて都合がよすぎるよね。


【友樹side】

朱莉に告白してから1ヶ月以上経った。

正直言って俺の心は折れそうだ。やっと好きな子に告白できたのに返事も返してもらえないなんて。

まぁ、そう言ったのは俺なんだけど、キスもしたんだぞ。なのに、何もないって…。

友樹(ともき)君」

俺はそう呼ばれて振り返った。

そこにいたのは朱莉の友達の彩花(あやか)さんだった。

「何?」

「今日、なんで朱莉が休んでるのか知ってる?」

今日、いつもは絶対に休まない朱莉が休んだ。何かあったのかと気になっていたから丁度よかった。

「彩花さんは知ってる?」

「うん。朱莉は優太君の49日で休んだの。今日丁度優太君が死んでから49日経ったから朱莉は自分から言ったんだって。出るってね。けじめをつけるって言ってたよ。じゃあね」

彩花さんはそれだけを言うと言ってしまった。

けじめって何の?

俺には1%でも可能性はあるのかな?1%だけでもあるのかな?

……俺は可能性が無くても諦めない。だって俺は朱莉のことが好きだから。昔も今もずっと。だから、これからも諦めない!

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