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桜の木の下でまた会おう  作者: 逢坂すずね
第一章 恋の行方
6/10

朱莉が気付いた自分の気持ち

2012年5月21日。


【朱莉side】

昨日、友樹(ともき)とデートをした。そしてそこで、友樹とキスをしてしまった。まだ、優太が死んでから1ヶ月も経ってないのに。

私って最低だ。優太が死んでから1ヶ月も経ってなくて、優太への未練もたち切れてないのに。

これから、友樹とどう接したらいいの?

朱莉(あかり)、何かあったの?」

「へ?」

「さっきからぼーっとしてる。ほら、朱莉って何かあるとぼーっとしてるし。ほら、私に話してくれれば少しは楽になるよ?」

私は彩花(あやか)に言われて迷った。ここは教室だし、キスしたなんて言えない。でも、1人で抱え込んでても何も変わんないし。

「あのね、昨日友樹とキスしたの」

「えぇ!キッ、キスしたぁ?」

私はなるべく小さい声で言ったのに彩花が大きな声で言った。

「彩花声でかい!」

「あっごめん。えっでも、優太君のことはもう吹っ切ったってこと?未練はないの?」

「わかんない」

「友樹君が好きなの?」

「わかんない」

私はただ「わかんない」と答えた。

本当のことだった。自分のことなのにわからなかった。

「わかんないかぁ。あっ友樹君」

「え?」

「嘘で~す。なんで反応したの?」

「だって、気まずいじゃん。昨日のことがあって」

「そっか。うん、まぁ頑張れ」

彩花はそれだけ言うと自分の席に戻ってしまった。

なんだったのか本当にわからない。彩花はたまにそういうところがある。読めないんだよな。

「おはよう、朱莉」

「あっ、とっ友樹。おっおはよう」

「どうかした?なんか変だよ」

「だって…」

私はそこまで言って詰まった。自分でも顔が赤くなるのが分かった。

なんで友樹は普通でいられるんだろう。

そんなことを考えていると頭をポンポンと優しく叩かれた。

「ごめんな、あんな事して」

私はプルプルと首を振った。

「もう、しないから」

友樹はそれだけ言うと自分の席に行ってしまった。

私の気持ちがわからない。自分のことなのにわからない。


「彩花~。どうしたらいいの~?」

私は昼休み、すぐに彩花の席に行ってそう言った。

「自分で考えなさい!」

「私、友樹のこと好きなのかな?」

「私にはそう見えるよ。…でも、早く答えを出してあげないと友樹君が可哀想だよ」

私は可哀想と言うよりは失礼だと思う。だから、早く自分の答えを出せなきゃ立ったのは分かってる。

「朱莉ってさ、友樹君のこと好きだけど、認めたくないんじゃない?」

「私って友樹のこと好きなのかなぁ?」

「朱莉は優太君のこと好きだなぁって思う時はどんな時だった?」

優太はいつでも優しかった。私にも友達にも知らない人でも。私はそんな優太が好きだった。特に、キスされる時、優太が私のこと好きだってわかって安心したし、大好きだった。

「ん~。キスされたときかなぁ」

「どんな気持ちだった?」

「キュンってした」

キュンってするけど、胸が痛くて、でも嬉しくって。キスってよくわからないんだよなぁ。

「友樹君とした時は?」

「………」

友樹とした時…。優太とした時よりドキドキした。

優太よりもちょっと強引だけど、優しくって、甘くって。自分でも、離そうと言う考えがなかった。自分でも顔が赤くなるのがわかったくらいだった。

「優太君と友樹君、どっちの方がドキドキした?」

断然友樹だった。友樹とした時の方がドキドキした。恥ずかしかったけど、嬉しかった面もある。

「友樹君なら、朱莉は友樹君のことが好きなんだよ。好きじゃない人にキスされたら普通、突き飛ばすもん」

確かにそうだ。私はあの時、友樹を突き飛ばさなかった。いいや、突き飛ばせんなかったんだ。

強引なキスだったけど、気持ちよかった。あの時、一瞬だけど、ずっとしていたいと思ってしまった。

「朱莉は友樹君のことが好きなんだよ」

彩花がもう1回言った。

うん、私は友樹のことが好きなんだ。好きになってしまったんだ。もしかしたら、昔から好きだったのかもしれない。でも、友樹が引っ越してからはその気持ちが萎んだのかもしれない。

私は友樹のことが好きなんだ。

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