序章
お久しぶりです。
気まぐれですが、また書き始めてみようかと。
序章なので短めです。
誤字脱字報告、感想お待ちしております。
突然だが、人が自分は死んでしまうのではないかと考える瞬間は人生に何度存在するのだろう。車と危うく接触してしまいそうになるなどのヒヤリとした体験、この膨大な仕事を明日までに終わらせておけなど無理難題を押し付けられ続け、疲労がピークに達し死にそうだと感じる体験、そして、あまりにも辛い出来事、認めたくない、目を逸らしたい出来事に出会い、衰弱の果て、このまま自ら命を断ってやろうとする体験……。人によって、死を意識する瞬間、回数は様々であろう。先程から語り手の担わせてもらっているこのおれは過去に一度、と言ってもほんの一か月程前のことだが、死を意識した瞬間があった。おれが挙げた3つの体験の中の3つ目を最近体験したのだ。
おれには兄がいた。頭が切れ、気立ても良く本当によくできた兄であった。しかし今となっては、そんな兄が「いる」わけではない、「いた」という存在へと変わってしまった。そう、一か月程前、兄はさよならもごめんねを告げるような間もなく、一瞬で死んでしまった、本当に呆気なく何もできないままに兄の命は奪われてしまった。兄がただ死んでしまったのであれば、おれは一日泣きはらし、兄のいない日常を認め強く生きていけたのかもしれない。しかし、直前までに起きた出来事が最悪だった。兄がかなりできた人であった一方、おれはそんなに良い成績、良い人格など一切持ち合わせていなかった。それでも必死に努力し、やっとのことで兄と同じ高等学校への合格を果たした。おれには素晴らしい兄を追い続けたいという気持ちがあったのかもしれない、おれはこれから始まる高校生活に期待を膨らませていた。しかし、そんな期待をしぼませてしまうような出来事が様々あった。兄の評判が大きかったことが原因で、おれは全く会ったことの無い先生ましてや他人からも過剰な期待をされたのだ。あの兄の弟だというレッテルを皆がおれにベッタリと貼り付けていたのである。いやそんな気がしただけだ、だが、周りの視線、接し方からしてそうだとしか考えられなかった。そして、おれはあろうことかその苛立ちを兄にぶつけてしまった挙句、兄の反応もおれの望んだものと比べ非常に薄かったことにますます腹が立ち、そのまま土砂降りの街の中へと飛び出した。わがままな餓鬼のような振る舞いである。しかし、根から優しい兄はそんなおれでも街中駆け回って見つけ出し、おれの前でただただ淡々と謝罪を述べていた。明らかに悪かったのはおれの方だ、そんなのは家を飛び出した時から分かり切っていた。兄は謝る必要はない、謝るのはおれの方だと。そう謝ろうとした瞬間、兄はおれ達の頭上へと突然降ってきた鉄骨に潰されてしまった。しかし、おれはこうして今も生きている。いち早く危険を察知した兄は咄嗟におれの体を突き飛ばした。本来死んでいいのはおれのはずだったのに……。こんなわがままに付き合った兄が死ぬとはなんとも理不尽な出来事だろう。
おれは兄を犠牲にして生きている、果たしてそんな自分に生きる価値などあるのだろうか。一か月前のおれはそんなことばかりをずっと考えていた。そうなってしまえば、飯も喉を通らなくなり、おれは徐々に意識も薄れていった。これらの出来事がおれが死を経験した唯一の経験である。
しかし、そんな状況に陥りながらもおれは死ぬ一歩直前と言った所で、3人の友人に助けられた、だから今もこうして生きていくことができているのだ。彼らがいなかったら生きていなかったと言っても過言ではないだろう。3人には感謝してもしきれない、この恩はこれから生きていく内にいつか返そう。そういう生きる楽しみもでき、おれは人間の持つ生への執念をいっそう強くできた気がしていた。
さて、長らく語り込んでしまったが、以上述べたことが以前おれの死を意識した体験だ。なかなかこのような経験をしたことのある人間は少ないだろう。勿論そのような人はわずかには存在するだろうが、その一か月後に手から球体の炎を出す不思議な男から命を狙われる経験をした人間は世界中、いや過去にも未来にもおれしかいないだろう。
そう、誰にも信じてもらえないだろうからもう一度言おう、現在おれの目の前には手から球体の炎を出す男が居て、おれへと炎弾を連続して放っている、こんな状況に出くわしたのはおそらく、いや絶対に世界中でおれだけだろう。こうして無駄な事を考えている間に死は目の前まで近づいて来る。まるで最後の猶予を与えるかのように炎弾はおれの網膜スローモーションで映り込む。やがて、おれの脳内にここ数日の出来事が巡るように流れていく、ああ、これが走馬灯というやつか・・・。
思い返せば思い返すほどダメな人生だったな……。兄への罪悪感が少し拭えた今からがきっと、おれの人生が楽しくなる瞬間だったはずのに……。
「生きたい・・・」
無意識の内におれの口から溢れ出した言葉、そして、今生最期の言葉となるのだろう。おれはそうして、ゆっくりと目を閉じた。
その直後大きな爆発音が鳴り響く。おれはこの音の発生と共に消し炭になってしまったのだろう。
「大丈夫だよ、君は僕が守るから」
聞こえるはずのない声が聞こえる、死んだおれには聞こえるはずのない誰かの声。
そして、おれは再びゆっくりと目を開いた。
「僕は君の味方だよ」
綺麗な碧色の髪の幼い少年がおれの目の前で微笑んでいた。
これから始まる物語は
おれ、仙崎直人が経験する
未来と現代が交差する物語……
いかがでしたか!?
っと言ってもここだけでは判断できないと思いますが。
できれば毎日投稿したいんですけどねー。
未熟ゆえの甘えが(笑)
頑張って気まぐれでも更新していきますね
もしよろしければまた見に来てください、作者としてうれしいです。
誤字脱字報告、感想もお待ちしております。
それでは!