第2話、僕とマキと紫色の
「お…て…い」
「いいか…におき…下さ…」
「起きて下さい!!」
「んあ?おはよう」
僕は驚いて目を覚ましたが辺りは夜だ
「おはようございます修真さん、夜ご飯ができてますよ?」
「わかったすぐにいくよ」
そういって女の子?は僕の部屋から出ていった…
ちょっとまてえぇぇ!!僕は一人暮らしだったハズだ!なんで?女の子?え?
「冷めちゃいますよーう!」
「あ、はいゴメンなさい今行きます」
「さぁ食べましょう」
「あ、はい、いただきっ!!!」
食卓の上には見た事もない料理が展開されている、色的には紫色が中心でドラ○エの毒沼をイメージするとかなり正解に近い
「どうかしましたかぁ?」
謎の女の子は、さぁ食べてと言わんばかりの目で僕を串刺しにしている
「いや、せっかくなんだけど僕お腹減ってないんだよね」
「そうですかぁ残念ですぅ」
と女の子は泣きそうな顔で僕を見る…
「あ…でもせっかくなんで頂きます」
(ちきしょー!)
というと女の子の顔はぱあっと明るくなりとびっきりの笑顔で大盛りの紫色の物体の入った丼を僕に差し出した
「ひっ…い、いただきます」
「どうぞ!召し上がって下さい」
きっとアレはアレだグレープ味だそうに違いない、だったらご飯とは合わないけどきっとこの子の趣味なんだろう、まったくおちゃめさんだな
僕は一気に紫色にがっついた…もちろんグレープの味なんかするはずも無く僕の意識は薬を嗅がされた時のように軽く遠くへ行ってしまった
「ええー!倒れるほど美味しかったんですかぁー!」
2時間後現在午後10時、ようやく目を覚ました僕はテレビを見ている女の子に本日最大の疑問をぶつけてみようと思う…
「あの〜女の子さん?」
「あ、私ですか?私はマキっていいます修真さんよろしくお願いしますね!」
そりゃどうも…って何で俺の名前知ってんだよ、
「あの〜マキさん?」
「はい?なんでしょうか?修真様?」
様付けになったのはこのさいどうでもいい
「何で僕ん家にいるんですか?」
「何故って私達は一心同体じゃないですか?」
一心同体ねぇアレですかピョ○吉って事ですか?バカかこの娘は?
「何も覚えてないんです、詳しく教えて下さいませんかね?一心同体の理由を?」
「あっはいっ私はあなたに埋め込まれている魔機です、魔機は主人の体の一部を魔機化する事で主人…つまり修真様あなたをお守りします」
「はぁ、それはどうもお疲れ様です」
「いえいえ、お互い様ですよ、それと埋め込まれた魔機は主人の体の一部ですから当然、私と修真様も一心同体となる訳です」
なるほどねぇ〜ってそんなバカな!?
「ちなみに取り外しは出来ませんので」
ウソだああああ!ええっ!俺ずっとこの子と一緒なのっ!?なんでだあぁ、あ?良く見るとかわいいかも…
「そんなぁかわいいだなんて照れちゃいますよぉ」
マキはポッと赤くなる
「まさか…文字通り心もつながってますよなんて事ないッスよね?」
「かわいいだなぁんてぇ」
暴走女め
「失礼な人ですねっ」
あぁやっぱり…
「もしかして今まで僕の心の中はマキさんには筒抜けだったって事だよね?」
「いえ、さっきスイッチ入れたばかりなので、かわいいぐらいからですかねぇ?」
「へぇ〜スイッチっで切り換えれるんですかぁ〜」
「えぇ、スイッチで切り換えれるんですよ!」
「今すぐスイッチ切って下さい」
「イヤです」
「なぜ?」
「私は一心同体を楽しみたいんですぅ〜」
「今すぐ切れやコラ」
僕が人生で二番目に最高のメンチを切ったのは言うまでもない
「ひぃっ!はいっ今すぐにでも修真様」
青ざめた顔でマキはポチっとな、と言うと心は通じなくなったようだ…僕は多分、魔機の製作者に殺意を抱いている
「あの〜マキさん?」
「はい!なんでしょう?マキでかまいませんよ」
「はぁ…では、マキ僕は親父のアジト?の屋上からの記憶が無いんだけど…」
「えぇっと敵襲がありましたよね?」
「うん、あの機械だよね」
「はい、修真さんは今は上手く私を扱えないと判断しましたので意識をお借りして敵機を蹴散らしました、これで…」
マキの手はいつの間にかあの生き物のような剣が生えている…コイツはと○ろ兄の仲間だと思う
「えっと…それは何ですか?」
「これは私の体から精製した魔剣です、装備者の体と融合することによってその力を120%発揮できるそれはそれはスゴい剣なんです」
あらそれはスゴいデスネ
「後、私の力は主に貴方の体を強化する事ですその気になれば空だって飛べますし宇宙にだって…」
「わかった、わかった、その話は後で聞くから…その後僕がどうなったか教えてくれ」
「あっはい、その後は力を初めて使ったせいか修真様の意識は本格的に途切れてしまったので、私が体を精製してここまでお運びしました」
「そうですか…ありがとう」
なんでコイツが俺ん家知ってんだよ…
「いえ、当然の事をしたまでです、ちなみにその疑問には私が先程の心通スイッチを…」
「テメェまたスイッチ入れただろ?」
「ひっ!ごめんなさいごめんなさい」
ポチッとな、と言うとまた心通スイッチとやらはオフになったらしいが、その掛け声が必要無い事を僕は悟った…
「んで僕を襲った連中は一体何者なんだ?」
「私も良くわかりませんが…多分あの機械は人間界の物じゃありませんね、でも大丈夫ですっ私が修真様をお守りしますのでっ!キャッ言っちゃったっ」
「そりゃどうも」
ウチの行方不明のクソ親父はどこの組織に追われてんだか…
「すっスルーするなんてひどいっ」
泣き崩れたマキを勿論僕はシカトした
♪♪〜♪♪〜♪〜♪
「はい、もしもし」
「おっ我が息子か?生きているのか?全く残念だ…」
「死ねよクソ親父、テメェのアジトにトンボやらバッタやら土手の昆虫達を大量に送りつけてやる」
「そっそれだけは辞めてくれ、昔は虫好きだったのにいつの間にか虫嫌いになってる人って良くいるよね?」
「誰への質問だ、つーか厄介なもんを押しつけてくれたな…」
「バッカ、それは全国の虫嫌いの人達にだな…」
もっと重要な部分の話に食いつけよ…
「それより、この力一体どうすれば良いんだ?」
「そんな事パパに聞くんじゃありませんっ!!」
今なら人を殺してしまった人の気持ちがわかる気がする…
「冗談だ、その力はいずれお前を助けてくれるだろうよ」
「何だ?最近の力というヤツは人をとんでもない料理で殺人未遂を犯す事を指すのか?」
「えっ料理とか出来るの?スゴくね?詳しく聞かせてよ」
「僕の体の魔機から精製された女の子マキは料理が下手くそですよオトウサン」
もちろん料理が下手くそという所を強調した、マキの泣き具合が更に悪化したのは気のせいではない
「へぇ〜古代兵器ってスゲェな!」
くっコイツっ!…と、まぁここでキレても話は進まない僕は大人だから怒らない…
「大人なひとはか弱い女性をイジメませんよーだっ、ぐすっ」
(黙ってろ不味い料理しか作れんバカ兵器め)
「ひっひどいっ」
更に追い討ちをかけた僕は若干罪悪感を感じた…
「それより、僕達はこれから何をすれば良いんだ?」
「ん〜普通で良いんじゃないか?…あっサオリちゃ〜ん!すまん息子よ父は重大な任務が出来てしまったさらばだっ!」
クソ親父いいいい!!携帯電話を怒りに任せて引きちぎったが後で後悔した…
「ううっ料理が下手くそだなんてっ…ぐすっ」
「テメェもいつまでも泣いてんじゃねーよ」
マキの潤んだ瞳を見て僕は驚いた、悔しい事に?やっぱりかわいい…
「はっ!かわいいだなんてぇうれしいですぅ〜なんだかんだ言って修真様は私の事が好きなんですね?うふふ」
「好きじゃないですよ、ってテメェエエ!!またスイッチ入れてんじゃねぇよっ!!!!」
「ひぃ〜〜っ」
こうして長い夜はふけていったが僕は更なる恐怖が待ち受けている事にまだ気付いていなかった…
というわけで、女の子も出てきてコメディーっぽくなってきました!次回からはお約束の学園生活スタートです!