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Prologue
春風に体を震わされながらも、暖かい日差しが僕を纏う。
誰かの笑い声、騒がしい乗り物の音、綺麗に舞っている桜。
全てが新しいものを受け入れているように見えてならないが、僕はそんなもの知らない。
見向きもしない。
今日もただ、「孤独」というファッションを身に着けて、音を聞きながら街を歩く。
馬鹿らしく笑う奴も、屋上で音を奏でる奴も。
僕には、全部全部関係なくて、見る必要もないものなんだ。
そう思っていた。いや、そう思っている。
けど、そんな憂鬱な日々に、少しだけ光が差したのは___
間違いなく、彼奴のせいだ。
Introduction.
『実った林檎の行く先は。』
僕らの青春は一味違う。
いや、青春とは呼べないのかもしれない。
ありきたりなストーリーラインに、ほんの少しの狂気を与えて。
音を聞かせて育てていく僕らの林檎は、甘ったるいの一言じゃ語れない。
これは、愛の形が歪んだ僕らが、僕らなりの『愛』に辿り着くまでのお話。




