第六鈴 破壊のスキル
巨大なポメラニアンとの激闘を堪能ください!
製造の国編クラマックスです!
響とさりすは新しく開いたゲートの下まで来た。
「キャイイイイイイイイン!!!!」
ゲートから再び怪物の唸り声が響わたる。そしてその姿がゆっくりと見え始める。
「ひびきっち。見て!あれが怪物じゃ!」
「え、あれって、ポメラニアンじゃないですか?!」
ゲートから見えた怪物の姿は墨のような硬い皮膚を持ち目を赤く光らせる黒い巨大なポメラニアンであった。
ポメラニアンの瞳には響のつけている鈴の光が映る。
「キャンキャン!!」
ーーーチリン
響の鈴が鳴り、ロックな曲が流れ、響の足元に譜面の円盤が出現する。
姿を現した巨大なポメラニアンは響に向かって突撃をしてきた。
「ひびきっち!来るよ!」
「弾く準備できてるよ!」
響はカッと水色の目を開きノーツを見る。
大きなノーツであった。
「キャンキャン」
しかしそのノーツは近づくにつれノーツの密集だと気づく。
タタタタタタタタタタタッ!!!
巨大なポメラニアンは頭を擦り付けるような姿勢で響にぶつかってくる。
響はその頭突き攻撃のノーツを弾いていた。力勝負であった。
「来なよ!もっと本気見せてよ!!」
タタタタタタタタタタタッ!!!
響のと巨大なポメラニアンは互角に見えた。
「これでサビパートかな!?」
Bメロが終わり、ノーツを全て弾き終わった響をポメラニアンはさらに力で押し出してくる。
クイッとポメラニアンは顔を上げ響は自身で弾いたノーツの衝撃で街まで飛ばされた。
「ひびきっち!!」
響の初めての押し負けを目の前にしたさりすが声をかける。
その上で巨大なポメラニアンは体をぶるぶると振るい、体の皮膚に見えた墨玉を周りにばら撒いてくる。
「なんじゃこれは」
さりすの周りにもたくさんの墨玉が落ちてくる。
墨玉はコロコロと転がったあとヒョコっと手足と頭が出てきて、小さな黒いポメラニアンになった。
「ほんとになんなんじゃこれは!!!」
ポメラニアンは墨玉を落とした後、また響の元に走っていく。
「ノーツ全部弾いたはずなのに・・・バグ?」
響は街まで飛ばされた後上空に出現した譜面の円盤にのりつぶやいた。
「力で押し負けたってことかな、だったら今度はバチで叩き上げるよ!」
響の両手に透明なバチが出てきた。
走ってくるポメラニアンは途中で止まり近くに建物に体を擦り付ける。
体を建物に押し付けることによって建物は崩れ始める。
そして崩れ落ちる瓦礫の中から小さな黒いポメラニアンがたくさん空に飛んでいる。
「キャンキャン!!」
合図と共に小さいポメラニアンは響に突撃してくる。
「っは!曲が変わる!」
小さなポメラニアンの攻撃はオペラ調の曲になり、響を狂わせる。
タッ!ッタッッタ!!
バチに切り替えたのが判断ミスだった。
四方八方から突撃してくる細かい攻撃に響は苦戦する。
「まだまだノーミス!素手で行く!」
バチを手放すとバチは消えていき、響は周りから飛んでくる小さいポメラニアンを指で弾き始める。
ノーツの衝撃を受けた小さいポメラニアンはどんどんと砂状になり消えていく。
「なんだろうこのオペラパート。すっごい懐かしい」
曲優しさに心を開かせたとたん巨大なポメラニアンが突撃してくる。
ノーツの動きが代わり、曲もロックに変わる。
タタタタタタタタタタタタ!!!
「さっき切り替えたばっかりなのに!また力強いノーツ!」
ノーツを弾く間を見て響はバチを手に出し一気に突撃攻撃のノーツを弾き渡らせる。
バババババババババンッ!!!
今回は響が押し勝った。黒いポメラニアンは弾かれ後ろに飛ばされた。
ひっくり帰った黒いポメラニアンは起き上がりそのばでクルクル周り後ろ足で頭をかく。
墨玉がたくさん中を舞い始める
「キャン!」
再び小さいポメラニアンたちの攻撃が始まる。そして曲も変わる。
「ノーツのパターン読めてきたかも!」
響は再びノーツを指で弾き始め小さいポメラニアンの攻撃を弾いていく。
小さいポメラニアンはどんどんと湧いてくる。
タタタッタ!タタタッタ!
「これ切ないよ」
「ひびきっち!!!見るのじゃ!!!」
響が弱音を吐いた時したからさりすが呼びかけてくる。
「この子達すっごい可愛いんじゃよ!!!」
さりすは黒い小さなポメラニアンを抱えていた。そのポメラニアンはにっこりと笑っていた。
よく見るとさりすの後ろにさらにたくさんのポメラニアンがいる。みんな尻尾をぶんぶんと振り笑顔だった。
「本当になんなんじゃこの子たちは、もう可愛いくて仕方ないな」
さりすは小さいポメラニアンたちを撫で回す。小さいポメラニアン達は自分が可愛いと言われて嬉しいみたいだ。
タッ!タタタッタ!
「さりす姫!?大丈なんですか!?」
ノーツを弾かせながら響はマイペースなさりすに驚いていた。
響には相手の攻撃はノーツにしか見えない。頭突きをしてくるポメラニアンの顔なんて見てる暇もなかった。しかし響は気になり少し目をかすめてノーツとノーツの間に見えるポメラニアンの顔を見てみた。
瞳がキュルンキュルンだった!!!
「っっか!!可愛い!!」
響は思わず声に出してしまった!
とたんノーツが消えた。小さいポメラニアン達はスンと攻撃をやめて真顔になる。その後尻尾をぶんぶんと振りにっこりした。可愛いと言われるのが嬉しかったのだ。
「まさかこんなに可愛いなんて!!」
響は黄色い声をあげて小さいポメラニアン達を撫で回す。
とたん重い重低音が曲に鳴り響く。変曲だ。
ぱくっ
巨大なポメラニアンは隙を見て響を食べた。
「え、ちょ、待って、うおおおおおおおおお!!!!」
口の中からたくさんのノーツが弾ける音がする。口の閉まるのを響が全力でノーツを響かせ防ぐ。
「ひびきっち!!」
巨大なポメラニアンはさりすの方を一瞬チラッと見て何事もなかったかのように歩き始めた。
口の中では響がノーツまみれの中ノーツの弾いた光にのまれていた。
タタタタタタタタタタタタッ!!!
「もうどこを弾けばいいかわからないよ!」
◇
「君は、頑張り屋さんな友達なんだね。」
ノーツも見えなくなった光の中で声が聞こえた。
「何!?誰!?もしかして私食べられた!?」
光の中にいたのは真っ白な普通のポメラニアンだった。その声はポメラニアンから聞こえてきた。
「僕はマシュ丸。この世界を終わらせにきたよ」
「ポメラニアンが喋った!?」
「確かに、種族の異う友達と喋れることは珍しいけど、そんなに驚かなくてもいいと思うんだよね」
「えっと、この世界を終わらせにきたってどういうこと?」
「僕の主はこの世界に殺されたんだ。僕はその報復として世界を滅ぼさなきゃいけないんだ」
笑顔だったポメ丸の表情がスンとなる。
「あなたの主が殺されたってどういうこと?」
「少し僕の主の話をしよう」
マシュ丸は話始めた。
「僕の主人は音を作っていたんだよ。おかしな音だった、どうして音をだすことに夢中になれるのか僕には理解でしかなった。本音を言うとそんなことしてないでもっと僕と遊んで欲しかった。主は音を作る友達だった。でも主が喜んでるのを見て僕も嬉しかったんだ。音に合わせて変な動きをしていたよ。気持ち悪かった。でも嬉しくなって僕も一緒に踊っていたんだ。主も喜んでいた。楽しい毎日だった。主が音を作って僕たちはその音に合わせて変な動きをする。僕はたくさんクルクル回ったよ。そんな毎日だった。
ある日、主は音を作るのをやめてしまった。変な動きもしなくなった。様子から見てわかる悲しんでいた。僕は主によりそった。ずっと。主は僕の頭を撫でてくれたけど。その目に僕は映っていなかった。
主はずっとつぶやいていた『もう作れない。この世界はどうしてこんな酷いんだ』と。
何があったかわからない。けどそれから長くない間に主は動かなくなった。永遠に。
横たわる主の額に涙があった。僕はその涙をなめ続けた。涙が流れ続けるってことはまだ主は僕の友達でいてくれるのかなって思った。
結局ダメだった。主の流した涙。それには主のやりきれなかった思いが強く残っていた。
僕はその思いを感じることができたんだ。主は他の人種の友達からいじめられたんだ。この世界は主をいじめて僕の大好きな友達を奪ったんだ。
ーーーーチリン
涙の塊がいつの間にか鈴になっていた。気づくと僕は大きくなっていた。この世界を破壊しなきゃ。主が報われない。僕は破壊のスキルを手に入れた。
世界を破壊した後に虚しさだけが残っていたんだ。
ずっとずっと一人で孤独で。
ある時、人種の友達がいたんだ。全て破壊した世界で。楽しく遊んでくれたけどその友達はどこかに消えちゃった。
今度は大きな光の塊が出てきてた。正直興味はなかったけど光の先に鈴の光が見えた。君だよ。
僕はまだ世界を滅ぼしきれなかったんだよ。そして涙の鈴も君の持っているのも欲しい。それにふっれれば主の気持ちもっとわかるんだ。僕はずっと主の思いを感じていきたいんだ」
マシュ丸の見た目が黒くなる。
「鈴ってこのスキル保有者がつけているこの鈴?」
ーーーーチリン
「そうそれだよ。だから頑張り屋さんな友達。もう諦めて」
◇
「っは!」
タタタタタタタタタ!!!
響は反射神経でノーツを弾き続けていた。周りは巨大なポメラニアンの口の中。
「オートプレイは好みじゃないの!」
ダッダッダッッダ!!!!
力強くノーツを弾きマシュ丸の口が開く。
勢いよく響はマシュ丸の口から出てマシュ丸の前に立つ。
「ここはあなたの世界じゃない!!!もう破壊するのはやめて!!あなたの主もそんなあなたを望んでいないはず!!!」
「主と同じ人種の友達のいる世界はみんな同じ。滅ぼさなくちゃいけないんだ。これはこのスキルを得た僕の使命なんだ!!」
マシュ丸は小さな口を大きく開く
ゴゴゴッとマシュ丸の体が赤紫に光だす。
その光は段々と顔に集まり口に集中し始めた。
そして響に向けてそのエネルギーを放つ。
ッビイイィーーーーーーーーーーーーー!!!!
マシュ丸の口から強力な光の光線が繰り出される。
光線がものすごい勢いで響に向かっていく。
うつむく響は水色に光らせる目を光線に向けた。
「やっぱりこの譜面、見たことがある」
タタタタタタタタタッタ!!
響はこの譜面に心当たりがあった。ロックで始まり、懐かしいオペラの曲調、度重なる編曲。
タタタタタタタタタタタタタ!!!
「『生き急ぎすぎP』の幻曲『ポメラニアンラブソティ』だ!!!」
響は中学生の頃従兄弟と一度だけライブに行った。
有名な作曲者たちが電子の少女で歌を披露するライブだった。
普段はすでに公開している曲だけが披露される。
しかし響の大好きな『生き急ぎすぎP』は最後にサプライズで未発表の曲を出した。
タタタタタタタタタタ!!!
「愛しいポメラニアンが隣の家の犬を噛んでしまい悔やみ悲しみ、飼い主の元を離れようとして家出をして冒険に出て最後に飼い主がポメラニアンを見つけて幸せな毎日を送る話!!!!」
響はノーツを叩きながら叫んだ!!
「君は本当に意味のわからないことをいう友達なんだね」
マシュ丸は響の言葉を聞きながら涙を流していた。
響の曲に対しての表情がマシュ丸の主にそっくりだったのだ。
「どうしてそんな。ただの音に夢中になれるの」
マシュ丸は主人と過ごしたあの何気ない毎日を思い出していた。
「もっと僕と遊んでよ。もっと一緒にいてよ。もっと教えてよ。僕の大好きな友達」
マシュ丸の光線は終わった。
周りに煙が舞う。光線の攻撃は荒れ切った建物や瓦礫を吹き飛ばすかのような威力であった。
響は全て弾ききったのだ。そして曲が終わる。
「教えてほい。音が好きな友達」
マシュ丸は響に語りかけた。
「もしさ君の力になれば僕は主のこともっとわかるかな」
マシュ丸の問いに響は一瞬回答に困ったがまっすぐマシュ丸の目を見てこたてた。
「そんなのわからない。でも教えてあげるよ。フルコンを決めた爽快感!」
響は満面の笑みを浮かべた。
マシュ丸の色は段々と薄くなっていく。
「本当に君の言っていることわからない。だから僕は君と一緒に行くね。音への思い勉強するよ」
マシュ丸の巨体はどんどんとなくなり首元にあった鈴のみになった。
「待っててね主」
ーーーチリン
マシュ丸の鈴は響の鈴と一つになった。
響は自分の中に力がみなぎったのを感じた。
「ひびきっち!大丈夫か!?」
さりすが下から声をかけている。
「さりす姫!大丈夫です!巨大なポメラニアン無事倒せました!」
「よかったのじゃ。しかしあの小さい子達もいなくなってしまって少し寂しいんじゃよ」
さりす姫は悲しそうだった。
「響!さりす姫!大丈夫ですか?」
魔女たちと戦ったいた のなかが合流する。
「のなか無事だったんだね!」
「やっぱりそなたはできる子じゃ」
のなかはバックパックに背負った捕獲用スーツを見せる。
「空間スキルの魔女だ。攻撃した場所を止血をして生け取りにした」
「なんでまた私がこのスーツに入らないといけないのよ!!」
捕獲用スーツの中からアン・カーキィの声が聞こえる。
「アン様あああああ!!!!!どこにいるのですか!!!!」
遠くから のなかとの戦いで両目が塗料まみれのチー・スミスが見えた。
チーは目が見えなくなり周りを這いずり回っていた。
「魔法の国のものよ!そなた達の作戦はもう終わった!そして指導者であるアン・カーキィは我々の元にいる。負けを認めるのじゃ!」
さりすがチーに言葉を放った。
「アン様!!くううううう!!アン様は私が助けに参りますわ!!あなた達絶対に許すませんのよ!!特にスーツ男!!お前は私の手で必ず殺しますわ!覚えてなさい!!」
チーは空間スキルを使い別の世界に逃げっていった。
チーがいなくなった後マシュ丸のいた世界のゲートも閉じた。
製造の国での異世界からの侵攻防衛作戦は響とのなかの活躍よって成功に終わった。
「た」を打つと「タタタタタタ」が出てきてしまう今日この頃です。
マシュ丸の可愛さが伝われば幸いです。
主人公組3人はまだ揃っておりません!
最後まで読んでいただきありがとうございました。