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第五十二鈴 ライバルの維持

魔王討伐に向かう響達一行は暗黒のダンジョンで新たな仕掛けに出くわすのであった。

響達一行は暗黒のダンジョンを進んでいた。


「お、また新しい部屋に着いたぞ」


のなかはそう言って中の広い部屋を見渡す。

そこには猫型のゴーレムの置物がいた


「なんだこの部屋は初めて来たな」


「ハリオも初めての部屋?」


「ああ、前回の温泉もだが、こんな場所初めてだ」


「不思議な場所だね。簡単に攻略できたらいいんだけど…」


響がそう呟いた時、猫型のゴーレムの置物の目が光り出す。


「この先に進みたいのであれば、我のなぞなぞに答えよ」


「は?なぞなぞ?」


「響!なぞなぞってなに?」


「質問に答える遊びだよ。…すごい子供っぽいダンジョンの部屋だね」


「まったくだ。俺も初めてだ」


「でははじめるぞ」


猫型のゴーレムは話始める。


「『動いていないのに進んでいるものはなーんだ?』」


ゴーレムは問題を出した。


「動いていない?なんだ滑っているってことか?」


「アイススケートとかかな?あ、私の譜面の円盤も動かなくても進むよ」


「え?どういうこと?動かないと進まないし進むには動かないといけないよ」


モサ子は頭を悩ませる。


「物体の話をしているのか?検討もつかないな」


ハリオも悩む。


「なぞなぞなんて子供っぽいものかと思っていたが、難しいじゃないか」


のなかも悩む。


「なんか答えてみようか」


「もし物体という線をいくなら氷ならどうだ?」


「わかった。ゴーレムさん聞いて、答えは『氷』だよ」


響がゴーレムに言う。


「ブッブー」


猫型のゴーレムは目を赤く光られてアラームを鳴らす。


ゴゴゴゴゴ…


「な、なんだ?」


「あ、みてよ!天井が下がって来たよ!」


「まさか、間違えるとトラップが作動するのか!?」


「そんなの聞いてないよ!」


「どうしよう…逃げる?もう分からないよ」


「いや、物体という線を無くそう」


「物体じゃないって?」


「空気だ。空気も動かずに進むだろ?」


のなかはそう言って動くジェスチャーをする。


「確かに物体がないし、風に乗って進むね!」


「風に乗って進むなら他にもあるかもだけど、確かに空気の可能性もあるね」


「よし!ゴーレム!答えは『空気』だ!」


のなかは答える。


「ブッブー!」


ゴーレムは再びアラームを鳴らす。


ゴゴゴゴゴ!


「あれ?もしかして天井が下がってくるスピード上がってない?」


「うわー!響どうしよう!なぞなぞが難しいよ!」


「まさかこんな難しいなんて…」


「はっ!待て響…お前今焦っているな!お前の弱点はなぞなぞなのか!」


「ハリオ!今はそれどころじゃないでしょ!ハリオも潰れちゃうよ!」


「ああ、確かに。このダンジョンをスキップして来たことを後悔している。響を倒す策がたくさんあったかもしれなかったな」


「よし!もう決めた!天井にノーツを弾いて道を作る!」


「響さすがに無理だろ?!」


「でも、他に方法ないでしょ!」


「わかった!私もモササウルスになって天井たべるよ!」


「まって、モサちゃんそれだと私たちも下敷きになっちゃう」


「響が逃げようとするなんて珍しいな」


「頭を使うことは苦手なの!それにこれは勝負でもないでしょ!」


「ああ、確かにそうだな」


「よし!それならギリギリまで答え続けて、答えが出なかったら時間を巻き戻すのはどうだ?」


「ハリオ、それってお前しか助からないだろ?」


「そうだよ、ハリオの意識だけ巻き戻っても今の私達の時間は進んでいるだよ」


「そしたらハリオは私達を置いて逃げるってこと!?」


のなか、響、モサ子はもう反発する。その言葉を聞いてハリオはハッと気づく。


「まて、答えが分かった…」


「え?」


「は?」


ハリオは猫型ゴーレムに近づき答える。


「ゴーレム、答えは『時間』だ」


「…正解だ」


ゴーレムは緑色の光をまとって部屋の奥にある扉が開く。


「やった!!成功だ!!」


「すごいよ!ハリオ!よく分かったね」


「お前達の話を聞いて思いついたんだ!さぁ、先に進もうぜ!」


ハリオと響達一行は下がってくる天井の部屋から脱出した。


「わー!すごかった!なぞなぞ!面白かったね!」


「そ、そうだねモサちゃん。でも正直私はもうやりたくないな」


響はぎこちなく笑う。


「なぞなぞだな!やっぱりなぞなぞなんだな響!ついに響の弱点を発見できた。良い経験だった」


「ハリオ!そんなこと言うとまた気絶させるからね」


「ひぃ!」


ハリオは響のマジギレした顔に恐怖した。


「お前達!次の部屋が見えてきた。気を引き締めていくぞ」


のなかが先頭を歩き次の部屋に入った。


「あれ?誰かいるよ」


モサ子が部屋の中の人影に気づく


「今度はなんだ…」


部屋の中の人影は響達一行に気付き、ゆっくりと振り向き歩いてくる。


「勇者ハリオ…まさかここまで来るとは」


「その声…もしかしてルマージか?」


ハリオの言葉に響達は反応する。


「確か、私達よりも先に魔王の討伐に向かった勇者さんだよね」


「ああ、そうだ。別の時間軸では俺と一緒に魔王討伐しに行ったこともある」


「あ、仲がいいんだね!」


「良かった仲間が増えるなら心強いね」


「おい、お前達、それにしては様子がおかしくないか?」


ルマージは剣を抜いてハリオに向けて剣を構えている。


「ルマージ…どういうつもりだ?」


「ハリオ、俺はお前をずっと信用して来た。幾度となく襲われる村の危機、そしてモンスター討伐、お前は強敵を倒し続けていたが、一向に魔王を討伐しない」


「確かに、俺は時間に余裕があったからな」


「お前がどうかは知らない。だがな、村の人々、苦しんでいる人はたくさんいた。お前はそんな中、まるで遊んでいるようだった!」


「ルマージさん…」


「何よりもギルドのメムはお前を信用していた!村の人々のためにできることを人目につかないところで頑張っているんだ。彼女は自分が魔王討伐の力があったら自分で行こうとしているほどだぞ!」


「メムさんか、確かに村の薬草作りの依頼とか彼女自身でクエストを作っていたな」


「俺は許せない…お前のそのふざけた態度が!どんなに強くても俺はもうお前に頼らない!お前の勇者という肩書きもここで終わりだ!勇者ハリオ俺と勝負だ!」


「え!?ちょ、仲間になってくれるんじゃないの」


「えーー!戦うの!?」


響達は突然の展開に戸惑う。


「ああ、いいだろう。ルマージ、俺もお前も戦ってみたいと思っていた」


「悪いが、俺は強いぞ?」


「確かにな。1人で『地獄の砂粒』をクリアして『暗黒のダンジョン』もここまで進んできた。強い」


「あれ?でもそしたら、ルマージも温泉とかクイズやってたのかな?」


「いや、道が違ったんだろう…」


「あそこに別の道がある。別ルートがあってもおかしくはない」


ハリオは武器のレンガを取り出して構える。


「みんな悪いが少しの間待っててくれ」


「ああ、分かった。ルマージにも譲れないもんがあるんだろ」


「そうだな」


ルマージとハリオは息を呑む。


ダッ!


ルマージは剣を振りかぶり間合いを詰める。


シュルルルル…パッ!


ハリオはレンガを回転させて持つ位置を変えて攻撃に迎え打つ。


ガキンッ!


「響が言っていた勝負は真っ向勝負」


衝撃に弾かれながらルマージは再び攻撃に徹する。


ガンッ!


しかしハリオは全て弾き返す。


「お前の攻撃は…全て読めている」


「ふざけやがって!最強なつもりか!!」


ガンッ!ガンッ!


「悪いが、お前の攻撃は予測通りだ」


シュルルルルパッ!


ハリオはレンガを再び持ち直してルマージの顔面にレンガを打つける。


ゴスッ!


「がっ!?」


ルマージは意識が飛んだ。


「ルマージ!」


「ルマージさん!」


駆け寄るのなかと響達。

地面に倒れるルマージは衝撃で体が動けずにいた。


「くっそ…やっぱり俺じゃ…ハリオに勝てないってこと…か…」


「ルマージさん大丈夫?安静にして!」


「メム…お前の望みを叶えられなかった…やっぱり…俺は…弱い…」


ルマージは顔を伏せて涙を流す。


「ハリオめ、派手にやりやがって」


のなかはルマージをゆっくりと起こす。


「響に言われたからな。勝負はいつだって真っ向勝負。俺の全力をぶつけたまでだ」


「そうだね。本気じゃなきゃルマージさんにも失礼だったと思うし」


ルマージはゆっくりと話し始める。


「俺はここに置いて行け」


「ルマージさん、ここは危険だよ」


「足手まといにはなりたくない。それよりも一刻も早く魔王を討伐してくれ」


「…分かったルマージ。そこに座らせるぞ」


「すまないな。ハリオのパーティメンバー達。ダンジョンの途中にあった謎のコンテナが開けられれば強い武器も手に入れられたかもしないな…」


「コンテナ?」


のなかはルマージの言葉に食いつく。


「いや、トラップだったかもしれないが、この世界のものではない異様な存在だった」


「…そうか」


のなかはルマージを座らせてゆっくりと立ちあがる。


「じゃあ、先を急ぐぞ」


ハリオは部屋から出て先をいく。


「ルマージさん魔王を倒したら迎えにくるからね!」


響はそう言ってハリオの後を追った。


「どうしたの、のなか?」


黙り込んだのなかに違和感を感じてモサ子が聞く。


「いや、俺はまだこの世界で戦えるって分かってな」


「ふーん…そっか!よく分からないけど良かったね」


のなかとモサ子もハリオの後を追うのであった。

最後まで読んでいただきありがとうござます。

今回は勇者ルマージ戦になりました。

勇者ルマージはハリオに負け続けた男です。その勇者という肩書きもルマージのものでした。

タイムリープスキルがどれだけこの世界のパワーバランスを崩しました。

次回は暗黒のダンジョンのボス戦になります。お楽しみください。

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