第四十七鈴 地獄の砂粒
魔王討伐に向かう響達と勇者ハリオは砂埃が舞う砂漠エリア『地獄の砂粒』に到着するのであった。
砂埃が激しい砂漠道。
響達一行と勇者ハリオは地獄の砂粒に到着した。
「うわすごい砂埃…全然前が見えないよ」
「口を覆ってないと砂が入っちゃうね」
モサ子は口を塞いで時折ペッペと砂を吐き出しながら歩いていた。
「ハリオ、ここはボスを倒さなきゃ次の場所に行けないんだっけ?」
「いや、別にボスと戦わなくてもいい。だが見ての通り視界が覆われているんだ。彷徨ってるうちに遭遇する確率は高くなる」
「なんか目印とかはないのか?」
「追い風があるうちに前に進む。それ以外は立ち止まる。昔はこれでこの砂漠を抜けることができた」
「追い風?え、でも今向かい風でも普通に歩いているよ」
「今のパーティならどんな敵も倒せるだろ。それに一直線に歩けば道は切り開かれる」
「簡単に言うが、初見には無理ゲーだろ」
のなかは呆れた。
「とりあえず、このまま真っ直ぐ進めばいいんだね」
響はそう言って砂埃の中を歩き始める。
◇
20分後、
「ハリオ、真っ直ぐ歩いているけど、全然次のエリアつかないよ」
響は疲れを口にした。
「これは完全に道に迷ったな」
ドヤ顔でハリオは言う。
「いや、真っ直ぐ行けば次のエリアに着くってハリオが言ってたんだよね?」
「いいか、人が目を瞑って真っ直ぐ歩ける確率は0に等しい。歩いてる最中に同じ場所を回り続けていた可能性があるな」
「えー!そんなー!」
モサ子はそう言って響達の周りをぐるぐると駆け巡る。
「おい、モサ子も走り回るな!さらに方向が分からなくなる!」
ぐるぐると駆け回るモサ子をのなかはひょいっと掴み上げる。
「まだこのエリアの敵を言ってなかったな」
ハリオは話しはじめた。
「敵…一体どんな」
「ここの敵は砂の中に眠っている」
ザザザッ
響達が立っている足場が動き始める。
「そして突然飛び出してくるんだ」
ザ…ザ…ザブンッ!!
地面から大量の茶色いカマリキリのモンスターが飛び出してくる。
ーーーチリン
響のスキルが発動する。
タッタッタッ!!
モンスター達のカマは響のノーツで弾かれる。
タタタタタタタタタ!!!
そして響の連打で粉々に砕けていく。
ギィギャァアア!!!
カマキリのモンスターは叫びを上げ周りに倒れていく。
ビュン!ビュン!
のなかは腕のミサイルで響の援護に入る。
「また変なモンスターが出てきたな!」
ギィギャァアア!!!
モンスターがのなかに飛びかかる。
ガキンッ!!
「こんなんじゃ俺は倒せねぇぜ?」
のなかはモンスターのカマを片腕で受け止めてもう片方の腕のミサイルで近距離で攻撃をする。
ギィギャァアア!!!
モンスターはその場で叫びと共に吹き飛ぶのであった。
「やっぱり強いなお前達。普通の冒険者だったらここで終わっていたところだ」
ハリオはそう言いながら、襲いかかってくるカマキリモンスターを一撃で仕留めていく。
ドゴンッ!
「ハリオ、お前も十分レベルが違うぞ」
のなかはハリオの無双する様子にポカンとしていた。
タンタタタタン!!
「私もいい感じだよ!あれそういえばモサちゃんは?」
響に言われのなかとハリオも周りを見渡す。
「あれ、確かさっきまでここにいたんだがな」
「だが、複数のスキル保有者だ。そんな簡単にやられるわけない」
ゴゴゴゴ…
地響きがなる。
「やばい、ここのボスを起こしてしまったみたいだ」
「え!?ボス!?」
「ああ、きっとそうだ。正直初見で戦うには厄介な相手だ。覚悟しろよ」
ゴゴゴゴ…
響達の近くにはまだモンスター達がたくさん沸き続ける。
「こいつらも相手にしながらボスと戦うのか」
「そうだ。それが一番厄介なポイントでもある」
そしてカマキリのモンスターはまとまって響達に駆けつける。
ドバーーンッ!!!
カマキリのモンスターの足元の地面から巨大なモササウルスが出現する。
「な、あれ!?」
「モサちゃん!」
ガーーーッ!!
モササウルスは大きく口を開きその中にカマキリモンスターがどんどんと吸い込まれていく。
パクッ!!
モササウルスは倒れるように地面に着地する。
ボフッ!!
モササウルスは煙となりシュルシュルと人間の形になりモサ子の姿になる。
「あー!美味しかった!」
「やっぱり化け物だコイツ」
「周囲のモンスターが一掃されたか。やはり丸呑みのスキル油断できないな」
「細々とした敵達倒してくれてありがとね!モサちゃん!」
「えへへへ!もっと食べれるよ!」
モサ子は笑顔でみんなに言うのであった。
「よし、また敵がわんさか湧いてくる前に行き先をしっかり確認しようぜ」
のなかは方位磁針をスーツから取り出して位置を確認した。
「どう?ハリオ?方向わかる?」
「ああ、なんとなくな。俺についてこい」
そう言ってハリオは響達の先導に立って砂漠の道を進むのであった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
地獄の砂粒は三話構成になります。
すでにハリオのタイムリープ回でチート技で攻略済みですが、今回はしっかりと戦っていきます。
次回もどうぞお楽しみください。




