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第三十四鈴 自由を手にした少年

毒のスキル保有者の優徒は地上の生き物に自身のウイルスを広め繁殖させ、その増えた細胞を吸収して怪物となった。響はノーツを使って弾くが、密度の高い細胞に響の攻撃が効かなかった。

優徒は毒人から吸収して強力になった体型で大きく右腕を振りかぶり響に襲いかかるのであった。


タタタタタタタタタタタタ!!!


響はその拳のノーツを連打で弾く。


タタタタタタタタタタタタ!!!


しかしいくらノーツで弾き続けても右腕は弾き飛ばない。


「ノーツを弾いてるのに!なんで!」


響は確実にノーツを弾いている。しかしその弾いた細胞はどんどんと削落ちるだけであった。


「弾ききれない!?」


優徒は右腕の拳を引き上げ、左手で殴りつける。


タタタタタタタタタタタタ!!!!!


再び連打で拳を防ぐ。


「威力じゃない。細胞が多すぎるんだ!!」


響は左腕を弾き飛ばして一度間合いをあける。


「あれで行こうか!」


響は太鼓のバチを手に出現させた。


「響さん、強力になった僕の攻撃は防げないみたいだね!!」


ドンッ!!!


さらに拳を響に殴りつける。


バンッ!バンバンッ!!!!


響は拳に重なるノーツを弾く。

素手以上に一度にたくさんのノーツが弾き飛ぶ。


「その汚い細胞削り切ってやる!!」


バンバンバンババババババババババッ!!!


リズムに乗り思いっきり弾いていく。


「なに!?腕の細胞が!!」


バババババババババババババババッ!!!


響の連打の勢いに力負けに気づく優徒。


バババババッ!バンッ!


優徒は左手を押さえながら後ろに後退する。


「ほんとに懲りないね!響さん!さっさとくたばってよ」


「悪いけど、この世界での戦いで私は強くなった。ずっと王国で隠れていたあなたとは違うの」


「成長か。素晴らしいね。でも僕は初めから最強なんだよ。そんなもの必要ない」


優徒は手を大きく広げた。


「だって僕はすでに地上の世界を征服してるんだしね」


地上から紫色の煙が天空の王国に舞い上がってくる。


「地上で僕が支配した人たちの細胞。今こそ僕に力を貸して!」


優徒は舞い上がってくる細胞を体に取り込む。


「あれ、全部取り込むってちょっとヤバそう!」


ーーーチリン


響はオンステージモードに変身して優徒に攻撃を仕掛ける!


バンッ!!!


ババババンッ!!!


響の攻撃を受けるとノーツが弾き飛び、優徒に吸収される細胞も少しずつ消えていく。


バンッ!ババババババババババンッ!!!


響の攻撃によって優徒の細胞の吸収が遅くなる。


「響さん、抵抗しても無駄だよ。この世界はもうすでに僕自身の細胞で染まっているんだから」


バンッ!!!バババババババババッバババ!!!


響は優徒の言葉を聞かず一心不乱にノーツを弾き続ける。


「無駄だって言っているだろ!!」


優徒は大きくなった右腕で響を握り締め上げる。


チリリリリリリリン!!!


響の鈴が鳴り響きく。


バンッ!!!!


響はスピリチュアルダイブモードを使って優徒の右腕を内部から破裂させた。


「効かないって。あなたのスキル」


バババババババババババババババッバババン!!!


そして再び響は優徒に攻撃を仕掛ける。


「響さん、互角だと感じてる?それは違うよ。僕の毒の細胞はまだ一割も吸収できていない。全て吸収した時君はさっきみたいに弾くことができるかな?」


「量の話?私はいつだってフルコンだよ!」


「言ってる意味がわからないよ!」


バババババババババババババババッ!!!バババババババババッ!!!!


響はオンステージモードの譜面の円盤に乗り縦横無尽に優徒に攻撃を仕掛ける。

その響の動きを抑えようと優徒は手を振り回し響を捕まえようとする。


ガラガラッ!!ズシャーーーン!!!


突如二人の頭上の天井がくずれる。

響は優徒と距離をとり瓦礫を避ける。


「何?」


響が見上げるとバジル・バトスが天井に横たわっていた。


「あ!響だ!!」


モサ子の声が聞こえる。


「モサちゃん!?のなか!」


モササウルスにのなかがまたがっていた。


「うちらもいるよ響ちゃん!」


「あ!摩耶さんも無事だったんですね!」


Dライダーズの麻耶とそのドラゴンは優徒の毒を掻い潜り生き延びていた。


「響!バジル・バトスの動きは止めたよ!上に乗っている健二を助けてあげて!」


モサ子は健二の下に空間スキルを出して響の足元に優しく落とす。


「任せてモサちゃん」


響はスピリチュアルダイブモードで健二の体の中にある毒の細胞を弾き飛ばす。


「う、響か?地上から戻ってきたんだな。すまない助かった」


「健二さんもう大丈夫です」


ガラガラ…天井から落ちた瓦礫の向こう側から物音が聞こえる。


「ふ、時間稼ぎをしてもらったおかげでこっちも助かったよ。響さん。そしてDライダーの皆さん」


「な、なんだよあいつ」


そこには紫色の翼を生やした大柄のゴリラの体型の男がいた。


「みんなあれは優徒さんだよ。この世界の毒まみれにした犯人」


「優徒、やっぱりお前だったのか。醜い姿になりやがって」


「異能力者とDライダーズ、僕の毒では倒せない存在。ならばこの最強の体で殴り殺してあげます」


優徒は高くジャンプをし、そして麻耶のドラゴンの尻尾を掴んだ。


「嘘でしょ!見えなかった!うわ!!!」


優徒はそのままドラゴンの尻尾を掴みぐるぐると回転し麻耶を落とす。


「あぶねえ。大丈夫か?」


「ありがとう!そんなことより旦那は!」


のなかに助けられた麻耶は麻耶のドラゴンを見る。


「くたばれドラゴン」


優徒はドラゴンを王国の地面に叩きつけた。小柄なドラゴンの為地上に落ちた衝撃で気を失ってしまった。


「うそ!!!旦那!!旦那!!」


泣き喚く麻耶をのなかは必死に抑える。


「ああ、なんて素晴らしい。ついに自由を手に入れた」


優徒は地上の人間を自分の支配に置き、天空までも支配できた達成感に感動していた。


「この形態になれば僕は最強だ。世界最強だ。なんだったら他の世界も侵略できる」


優徒は王国の一番高い天井からこの世界を見渡す。広がる紫色の雲そして静まり返った地上。


「ああ、神様本当にありがとう」


響は優徒がさらに毒の細胞を吸収している間、みんなをこっそり呼んだ。


「みんな。作戦があるの」


宮殿の中に響とDライダーズは集まった。


「響何か思いついたのか?」


「このまま細胞を吸収してもらって固まったところを私が内部から破裂させるって作戦」


「俺たちの体の毒を倒してくれたみたいにか」


「うん。私にできるかわからない。あの体細胞密度がすごくて一瞬じゃ弾ききれないけど。でも可能だと思うの」


「響、だがその間お前の体はどうするんだ」


「そこをみんなにお願いしたい。やつの体に触れられる状態で私の体を守っていて欲しい」


「正直無茶苦茶すぎるが、やってみるしかないか」


「ねぇ響、私あいつを食べちゃおうか?」


「モサちゃん、あいつは毒そのもの。危険すぎるよ」


『話は聞かせてもらったぞ。人間ども』


響達の真上から声が聞こえた。


「え?その声は?」


『私だ。バジル・バトスだ』

最後まで読んでいただきありがとうございます。

クライマックスの戦いが続きます。

次回もお楽しみください。

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