第三十二鈴 天空に向かって
地上を覆う毒の原因を突き止めた響達は天空の王国に戻ることを決める。しかし3人の行手を阻むように毒が含まれた大雨が降り始めるのであった。
モニターに映る男性をみて響は部屋の外に歩き出した。
「すぐに天空の王国に戻らなきゃ!」
響はそう言って外に駆け出した。
「待てよ響!」
それを追うようにのなかとモサ子は後を追う。
「…あ…あ」
外には大量の毒人達がいる。
ーーーチリン
「オンステージモード!」
響の衣装がアイドル衣装に変わる。
「今は道を開けて急いでるの」
タタタタタタタタタタタタッ!!!
響は毒人達を弾き続ける。
タタタタタタタタタタタタ!!!
「モサ子!今のうちだ!向かうぞ!」
のなかとモサ子は響の後ろについてショッピングモールの入り口に来た。
「響!まて!毒が舞っている可能性がある!
「外は…危険」
響は周りの毒人達を吹き飛ばしその場に立ち止まる。
「危なかった。また同じように毒を吸い込むところだったな」
「でも、のなか、響みて!外土砂降りだよ?」
「「え?」」
二人は視界の悪い外の景色が霧に覆われていると思っていたが、これは大雨出会った。
ザーーーーー!!!
まるで3人をこの建物から封じ込めるかの様な天気。
「この雨って火傷したみたいに痛かったんだよね」
「この雨量じゃ俺のスーツも危険だ」
雨の雨量は視界を遮るほど出会った。
外に出た瞬間その毒の入った雨に打たれ皮膚が火傷してしまう。
「雨のおかげで霧状の毒は発生してないのが幸いか?いや、どちらにしても八方塞がりだ。俺たちはここで雨が止むのを待つしかないみたいだ」
のなかはそう言ってその場に座り込む。
「待って、モサちゃんの空間スキルは使えないかな?」
「そうか!私空間スキルあるんだった!」
モサ子は空間を出す。
ジュワンッ!
しかしその空間の先はモサ子の視界の先内でしか出せなかった。
「そういえば、私同じ世界の中だと私の視界内でしか空間は出したことがないよ」
「たしかに。空を飛んでる時もそうだったね」
「今回は世界を移動するのとは違うもんね」
「…世界を移動するとまたここに戻ってこれる保証もないもんね」
「そうだな。実際俺たちは製造の国に戻るのも一つの目標としてる。別の世界へのゲートを越えるのは危険だ」
アイデアが思い浮かばず3人は黙り込んでしまう。
「…一つ試してみたいことがある」
「響?」
響はのなかとモサ子に声をかけるのであった。
◇
ショッピングモールの入り口をのなかとモサ子が出てくる。その後ろから響が二人の肩に手を当てる。
「いくよ。二人とも!」
ーーーチリン
響のスキルが発動する。
ドンドンドン……
曲のリズムが聴こえてくる。
「なんだこれ…」
「音が聞こえる…!」
のなかとモサ子にも響が感じる音の鼓動が聞こえる。
「できた。これが私のスキル。ノーツ化スキルだよ」
二人の目の前に広がる雨粒の景色。
しかし響のスキルによってその雨粒一つ一つが細かいノーツにして見えた。
響は二人に能力の共有を行った。
「これ、私でも弾けるのかな?」
「マルチプレイ。ずっとやりたかった。二人にこんなのも用意したよ」
響はのなかとモサ子の手に光で光るブレードを出現させた。
「なんだこれ?」
「キラキラしてかっこいい!」
「いい?これをノーツに当てると弾くことができるよ。こんな感じ!」
響は雨の中に一歩出て、ブレードを高く上に突き出す。
タタタタン!
響の突き出すブレードに雨粒が弾き飛ぶ。
そして連鎖して周りの雨粒のノーツも一瞬に弾き飛んでいく。
「まだまだ!」
響は突き上げた腕をグルンと円をかき回転させながらもう一つの腕でさらに腕を突き上げる。
タタタタン!
周りのリズムと振り付けが完璧にあっている。
「すっすげぇえ!」
「響!!きっ綺麗!!」
響の無駄のない動きと弾け飛ぶノーツの光に魅了され感動するのなかとモサ子
「二人とも一緒にやろ!!」
「え?俺たちも!?」
「わーい!楽しそう!!」
響の目はリズムゲームを楽しむ純粋な少女の目をしていた。
「Aパート!始まるよ!」
3人の足元に譜面の円盤が浮かび上がる。
「ハイ!ハイ!」
響は元気よく腕を突き上げ掛け声を上げる!
「ハイ!ハイ!」
その響の動きに合わせてのなかとモサ子も真似しながら腕を突き上げる。
「うお!なんだこれ床が勝手に動く!これが響の乗ってる譜面の円盤か!」
「うわー!雨粒を弾くのすっごく楽しい!!」
のなかとモサ子は響目線での戦い方が新鮮で周りを見渡すように腕を高く突き上げる。
タタタタタタタタタタタタ!!!
雨粒に重なったノーツが綺麗に弾き飛んでいく。
タタタタタタタタタタタタ!!!
薄暗く静まり返った廃墟の街の中を響達を乗せた譜面の円盤は街を真っ直ぐ閃光のごとく突き進んでいく。
「ねぇ!響!この振り付けってなんか名前あるの?」
「これ?」
モサ子の問いに響は考える。
響達の振り付けは足を開き空気を切り刻むように腕を大きく振りつける。
「…オタ芸かな?」
響達の動きはオタ芸の動きそのものであった。
「俺もだんだん慣れてきたぜ!」
「ノーツを弾くのすっごい楽しいね!」
タタタタタタタタタタタタ!!!
「ところで響これってどこ向かってるの?」
モサ子はふと疑問になった。
「雨雲を越えればモサちゃんも空に飛べると思ったんだけど…」
「響!だったら雲の上に出ようぜ!天空での戦いから雲の上は安全だった!」
「確かに!のなか気づかなかったよ」
響は譜面の円盤を急上昇させる。
「二人とも腕を高く突き上げてキープして」
響の言うとおりに二人もブレードを上に突き出してキープする。
そのまま譜面の円盤はどんどん上昇していく。
「無敵じゃねぇか。毒も攻撃もこれだけで弾き返せるんだから…」
「何よりも音楽に乗って踊るのたのしいね」
のなかとモサ子は響のスキルの強さを実感する。
「でも何よりもノーツを弾いた時の爽快感!二人に知ってもらえて良かったよ」
タタタタタタタタタタタタ…タッ!!!
3人は雲の上に出る。
地上と違く太陽の光が眩しく広けた世界。
「ま、眩しい…」
「戻ってきたね。天空」
響達は天空の景色を懐かしむように見るのであった。
「あ、あれ!天空の王国じゃない?」
モサ子の指さす先に天空の王国が見えた。
「…やっぱり遅かったのかも」
天空の王国の周りに紫色の霧が立ちこんでいるのが分かる。
「モサちゃんここからはお願いしてもいい?」
「うん任せて!」
ーーーチリン
モサ子のスキルが発動してモササウルスに変身した。
「二人とも捕まって!最短コースで連れていくよ!」
モサ子は響達を背中に乗せながら空間を出して重力を利用しながら進んでいくのであった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ノーツ化スキルをどうしても倒したいと思い毒の雨を用意しました。
雨の中オタ芸をするイメージがあるのはなんの影響でしょうか。
サイリウムの光が雨粒に反射して綺麗に見えるからでしょうか。
やっている人いたら無敵なオーラがあります!
次回は天空の王国でバトル開始です。




