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第三十鈴 細胞の中の少女

地上の毒の発生を探る響達は手掛かりのあるショピングモールにてゾンビの群れに襲われる。ゾンビに噛まれ毒に苦しむモサ子を救う為、響達は病院の建物に向かおうと外に出た時、響は霧状の毒を吸い込んでしまった。

毒を吸い込んだ響は自身の手を見る。


「え?…なにこれ?」


響の手の内側に大量の小さなノーツがぎっしりと密集しているのが見えた。


「響!しっかりしろ!響!」


のなかは響を抱き抱えながら叫ぶ。


「ごめん、の…なか。油断した」


「そんなこと言ってる場合じゃねぇ!動けるか?」


響の呼吸は激しくなる。喉の奥が詰まり上手く呼吸ができない状態であった。


「が、はっ…ちょっと歩けないかも…」


呼吸をしようとすると喉が焼けこげた匂いがする。吐き出すように咳き込むと肺にナイフが刺さったような痛みがまして胸がさらに苦しくなる。


「響!一度ここを離れるぞ」


のなかは響を抱えてフードコートの個室に移動する。

響は呼吸困難で意識がもうろうとして、個室についたとたん倒れこんでしまう。


「がはっ!」


響は口から流血していた。

血を拭うこともできないほど響は弱り切っていた。


「響!響!」


のなかの叫び声が続くなか響の意識がどんどん遠くなる。


(…あの、ノーツ…私の体の中にあった…全部弾き切ってやる…)


響は体中に見えたノーツを弾き切りたいその気持ちでいっぱいで、そのまま意識を体の中に移したのであった。





ーーーチリン


響は目が覚める。


「あれ?ここは?」


響は暗闇の広がる洞窟の中にいた。

周りは液体状になっていて響はそこに浮いている。


「あれ?わ、私の体!?透明!?」


響の体は半透明で透き通っていた。

手を見ると周りの景色が透き通って見える。


「何これ。私の体どうなっちゃったの」


響は戸惑いながら奥から流れてくるノーツを見る。


「…あれって…ノーツ?待ってノーツのに重なって見えるのって…」


響は目をかすめてノーツをじっと見るそこには紫のギザギザの塊が見える。


「あれ…分かる。毒だ。毒の塊だ。」


響の前に流れてきたのは毒のウイルスであった。

さっきまでの記憶。そして体の中の体力の毒の印象、響はあることに気づく。


「…わかったここって私の体の中だ!」


響の強い意識が具現化して体の細胞サイズほどの小さな姿を作り出した。『スピリチュアルダイブモード』響はこの状態をそう名称した。


「私の体の中で暴れて回る害虫…」


響は怒りが湧き上がる。


「一匹残らず弾き切るよ!」


ーーーチリン


曲のAパートが流れ始める。

響は血液の中を泳ぐノーツを弾き始める。


タンッ!


響のノーツと共に弾かれる毒は散り散りとなりウイルスとしての機能が停止する。

毒のウイルスはそのまま細胞の隙間に流れて汗として排出物として体から出て行く。


タンッ!


毒の侵攻は一瞬にして動脈、静脈を制圧していた。


タタタタタタタタタタタタタタタンッ!!!!!


響はどんどんノーツを弾き切る。流れに乗りながら無駄のない動き。


「何!?あの白いトゲトゲした塊?」


突然、響の前に白いお餅のようなトゲトゲしい塊が見えてくる。

活発に毒を抑え込もうとしているが毒の数に負けてしまっている。


「…あれって私の白血球達だ!」


白血球は毒の攻撃を抑えきれずしょんぼりと落ち込んでしまっている。


「みんな!私は諦めてないよ!」


響は白血球達に呼びかける。


「諦めないで!私はまだ戦える!」


白血球達は響を見てこの体の主人と気づく。


「一緒に戦おう!全員フルコンで決めるよ!」


響は血管の中を勢いよく泳いでいく。

白血球達は響の背中の周りに陣を組んで一緒に飛ぶ。

その先に毒のウイルスが多くたまっている場所が見える。

周りの細胞に毒が浸透してしまい、マクロファージがその細胞を取り除こうと働きかけている。


「いくよ!白血球達!奴らを攻撃して!」


響の掛け声に白血球達は鋭く刃のような形に変身して毒に突き刺さる。


グサッ!!


毒のウイルスに突き刺さった白血球達はそのまま内部から膨らみ毒のウイルスを弾き飛ばす。


パンッ!パパパパパンッ!


その中に響は飛び込む。


「ほんとうじゃうじゃいるね!しつこいよ!あんた達!」


タタタタタタタタタタタタタタタン!!


周りにいる毒のウイルスを一瞬で弾ききる。


「マクロファージ、私の力をみんなに伝えて」


響はマクロファージに手を当てて自身の毒を弾く力(抗体)をマクロファージに伝える。

マクロファージはその力をヘルパーT細胞に伝達した。

ヘルパーT細胞は響の目と同じ青色の輝きを放つキラーT細胞を集めた。

その輝きはまるで星空の様な景色であった。


「みんな!私の体を守り抜くよ!」


曲のサビパートが流れ始める。

キラーT細胞は周りの毒に浸食された細胞を崩していく。

響は細胞に浸食できていない血管中を動き回る毒を攻撃して行く。


タタタタタタタタタタタタタタタン!!


ノーツの弾きによって砕けた毒のウイルスは想像以上の透き通った青色で消滅していく。


タタタタタタタタタタタタタタタッ!!


毒を弾く途中、うずくまって動けなくなっている赤血球達がいた。


「赤血球達。助けに来たよ。ここの敵は私が倒す!私の体に酸素を届けてあげて!」


赤血球達は響にお礼を行って次々と酸素大きな水滴を運び始める。水滴は酸素であった。


「肺の酸素を止めてたのはこいつらだね。イガイガしてほんと気持ち悪いんだけど!!」


響は肺に通じている血管の毒のウイルス達を弾き切る。


タタタタタタタタタタタタタタタンッ!!!


「消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ!!」


響のノーツの弾きは止まらない。


タタタタタタタタタタタタタタタン!!!


響の体の中の毒の浸食率は急激に下がり始める。


タタタタタタタタタタタタタタタンッ!!


散り散りになったウイルスは汗になり響の体から排出されて行く。


タタタタ!!!


暗い血管の洞窟の中、響は毒に重なったノーツを弾き続けた。


タタタッ!!


「…もちろんフルコンよね!」


タンッ!


響に聞こえていた曲が終わった。

最後の毒を弾き響はガッツポーズを決めた。

周りにいるマクロファージは毒に浸食された細胞を全て除去しキラーT細胞も響に続き毒のウイルスを消滅して行く。


「みんな!私の体を助けてくれてありがとう!」


満面な笑顔を見せる響。

周りの白血球達もここなしか微笑んでいる様に見えた。


ーーーチリン


体の中の脅威が消えた。響の『スピリチュアルダイブモード』が解かれ、響の半透明の体は光を放ち消えて行くのであった。





のなかはフードコートの個室で響とモサ子を寝かせつけていた。二人とも返事が出来ないほど弱りきっている。


「響…モサ子…すまない。俺が頼りないせいで…

Dライダーズが毒は危険だって言ってたのは本当だったんだ。異能力者も所詮は人間なんだ…」


のなかは涙を流しながら、つぶやいていた。


「うっ!」


突如、響の体がうめくように動きはじめ、のなかは焦り始める。


「うお!?なんだ!?響!!お前まさかゾンビになるのか!?」


のなかは響の腕を抑える。


「響!ゾンビにはなるなよ!ってすごい汗だ!」


のなかは響の腕の汗に驚く。

そして響の動きがピタッと止まる。


「…響…大丈夫か?」


のなかは静まり返った響に問いかける。


「はっ!」


驚いたように響は目を開き起き上がる。


「響!お前大丈夫なのか!?」


「…のなか…?」


響は寝ぼけたようにのなかを見る。

そしてもう一度目を閉じて自身のさっきまでの戦いを思い出す。


「あ…私…毒に勝てるっ!」


「なんだとっ!?」


響の答えにのなかは驚くのであった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

体の痛み、体の中の動きとかもっとリアルに表現したかったのですが、音楽でノリノリな感じになってしまいました。響ちゃんは予防接種も行かなくて大丈夫そうですね。羨ましい限りです。

みなさまも体調管理に気をつけてください!

続きます!次回もお楽しみください。

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