第二十七鈴 ドラゴンモール
地上を覆う毒の原因を探す響達は手掛かりのあると言われるショッピングモールに辿りついた。
響とのなか、モサ子はショッピングモールの入り口に辿り着く。
「ここがドラゴンモール…ほんとに手がかりなんてあるのか?」
「なんか雰囲気が暗いね…」
ガチャッ
のなかは自動ドアをこじ開ける。
「電気は完全に止まってるみたいだな」
「そんな…」
曇り空で日がささない天気であり建物の中がさらに暗いことを知って響は落胆する。
「しかし、周りの街頭を見てみるとチラホラと光が見える。街の発電所は止まっていないみたいだ」
「ほんとだ!周りにぴかぴかって光がみえるよ!」
響達は周りの住宅街を見渡す。
「あ、あれって病院?おっきい…」
二人が電力が通っているものを見渡している時、響は病院を発見した。
「このドラゴンモールは電源が落ちているだけだと思われる。建物の中のブレーカーを戻して電力を回復させてみようぜ」
のなかは開けたドアに入っていく。
その後ろにモサ子が走って入っていく。
「ちょっと暗いけど、この建物す〜〜ごく広いね!」
ドラゴンモールに入ったモサ子は大興奮だった。
「わー!すごーい!面白いね!」
何もない床をぐるぐると走り回る。
「おい、モサ子どこに敵がいるかわからないんだ。警戒していくぞ」
「わかってるよー!ぐるぐる回って見渡してるの!」
のなかに叱られるモサ子は気にせずに走り続ける。
「でものなか。これ、どうやって手がかりを探すの?」
「正直、ここに毒を発生させた犯人がいると考えてきた」
「つまり、怪しい人を探すってこと?」
「まぁ、そうだな。俺が思うにこの世界の毒は異能力者の仕業だと考えている」
「私達と同じスキル使いってこと?」
「そうだ。不自然な毒の発生、動物達への毒の寄生攻撃。何より世界を揺るがすほどの力。以上を考えて異能力者がいると思われる」
「そんなのどうやって倒せばいいんだろ」
「私も毒は食べられないな〜」
響とモサ子は首を傾げる。
「のなかはなんか作戦あるの?」
「…ブン殴る」
「ノープランじゃん」
「…とりあえず、この建物を探索してみようぜ」
響達は入り口に面した建物を歩き始めた。
「お、マップがあるぞ。今いる南の建物は『ツメの森』、東の建物は『ツバサの森』、西の建物は『カエンの森』そして中央のドラゴンの頭のオブジェクトがある建物が『ドラゴンヘッドパーク』と書いてある」
「なんかあんまり人気がなさそうなショッピングモールだね」
「…そうだな」
呆れたのなかと響達とは違いモサ子はすごいウキウキしていた。
「え!なに!ヘッドパークって何があるのかな!窓から見えるあのドラゴンだよ!すっごい迫力あるよ!行ってみたい!」
「モサ子、これは遊びじゃないんだぞ!」
モサ子はまた叱られる。
「とりあえず、建物を注意しながら探索しよう。モサ子ちゃんが行きたがってるあの建物から見てみようよ」
「わーい!」
響達は中央にたたずむ『ドラゴンヘッドパーク』に向かった。
響達のいる『ツメの森』から道が伸びておりそこから中央の建物に向かうことができた。
「すっご〜い!おっきいね!」
「まぁ、私達は天空で大型ドラゴンと戦ってたもんね。本物と比べると、インパクトは薄れるな」
「え〜!でもすごいよ!これ!中何あるのかな!」
モサ子はウキウキしながら建物に入っていく。
「やっぱり中は暗いね」
建物の中は薄暗く外入ってくる響達は目が慣れず周りを見渡す。
モサ子は一歩踏み出す。
モフッ
「あれ?なんか地面がモフモフするよ!」
モフモフッ!
「おい、響これってもしかして」
「そうだね…これは風船の床だ」
モフモフッ
「すごい!これ楽しい!」
モサ子は風船の床を飛び回り遊んでいた。
「子供用の遊具みたいだね」
「ドラゴンの腹の中って考えると結構趣味悪そうだけどな」
響とのなかはモサ子の様子を見ながら話していた。
「おい、モサ子!あんまりはしゃいでないで手がかりを探すぞ…お、モフモフだな」
のなかは風船の床を踏んで興味を持ち始めた。
「のなかも楽しそう!」
「違う!試しに踏んでいるだけだ!」
はしゃいでる二人をよそに響きは建物の奥に鉄の柱があるのをみた。
「ねぇ、二人ともあれって電源パネルじゃない?」
響の指さす先には電気のマークがついた柱が見えた。
「お、この建物の電源かもしれないな」
のなかが風船の床をモフモフと飛びながらその柱に向かう。
「へへへっ!のなかぴょんぴょん飛んでて、へんなの!」
「足場が悪いだけだ!!」
のなかは反論しながら電源パネルを確認する。
「見つけた。電源パネルだ。このレバーを引けばこの建物の電気が復旧するはずだ」
ガチャンッ!
のなかはレバーを引いた。
「どう?のなか?うまくいきそう?」
「のなかうまく行った?」
響とモサ子はのなかの後ろからひょっこりと覗く。
「…うまくいかなかったみたいだ」
「そっか…」
のなかはレバーをガチャガチャと動かす。
「電気が復旧すれば、何か手がかりが掴めると思ったんだがな」
「…あれ?なんか壁に描いてあるよ!」
「のなかこれって電圧のマップじゃない?」
「確かにそうだな…この建物の電源の復旧には周りの建物の電圧機のレバーをあげる必要があるみたいだ」
「まわりの建物だね。そしたら探索ついでに戻ってみてみようか」
「うん!」
「念の為、レバーは電気が復旧できるように下げておくか」
のなかはレバーを下げてその場を去る。
◇
響達は一度ドラゴンヘッドの建物をでて『ツメの森』の建物に戻る為外にでる。
ポタッ
「いたい!」
「モサちゃん?」
雨が降り始めた。
その雨には毒が含まれており、雨に当たった皮膚が火傷したように傷ができる。
「う〜響〜、これ変な雨だよ!」
「え、危険すぎるよ。…この天気」
「のなか、屋根のあるところから行こうよ」
「俺は平気だがな。しょうがない。東の『ツバサの森』に行く通路が屋根があって安心だ。まずはそこに向かうか」
響達は東の建物の『ツバサの森』に向かうことにした。『ツバサの森』はゲームセンターがたくさんある建物であった。
「ちょっ!まっ!あれってリズム有頂天じゃない!?私の世界に似てると思ったけど、この世界にもあるなんて嬉しいすぎるよ!!」
建物に入ると響は目を輝かせながらアーケードゲームを見回り始める!
「おい!響!お前も遊んでるんじゃねぇ!」
「え〜!なにこれ!響教えて教えて!」
それにつられてモサ子も一緒に走り回る
「お前らな。いい加減にしろな…お、あれって『戦場のコックピット』じゃないか?」
のなかは卵の形のアーケードゲームに目を惹かれる。
「あれ?のなかも好きなゲーム機あったの?」
響がひょっこりと顔を覗かせる。
「ち、違う!そんなことよりも電圧機のレバーを探しに行くぞ!」
のなかは誤魔化すように話をそらしてみんなをゲームセンターから連れていく。
「あれ!みて!響!」
通路を歩いているとモサ子は映画のポスターを発見してみんなに声をかける
「なに?モサちゃん?」
「あの人間と恐竜のラブロマンスな絵すごい気になる!」
「もしかしてこれ?…これは映画のポスターだね。タイトルは『ジェネレーションパーク』だって」
「恐竜と人間ってジェネレーションどころじゃねぇだろ」
のなかのツッコミを気にせずにモサ子はそのポスターに釘付けになる。
「すごい!私これ好き〜!私とティラダさんみたい!」
「ティラダさんってモサちゃん大好きな子だよね」
「結局丸呑みしたけどな」
「こら!のなか!」
「ううん。これで私はずっとティラダさんと一緒なんだよ。だからこうやって私が冒険してるのもティラダさんきっと一緒に楽しんでくれてるよ」
モサ子は目をキラキラさせながら話した。
「言わなかったが、モサ子お前って結構変わってるよな」
◇
建物を歩きのなかは従業員の通路の入り口を発見した。
「薄暗くてよく見えないが、従業員用の裏通はさらに暗いな」
「確かマップにはここら辺にあるって描いてあったね」
従業員用の暗い通路をみんなで歩く、その先に電圧機のマークのレバーが見える。
「あったこれじゃないかな?」
ガチャンッ!
響はレバーを下げる。
ギギギギギと音が鳴り建物に電気が流れ始める
「あ、うまく行ったんじゃない?」
ガゴンッ!
「「え?」」
3人の期待は裏腹にレバーは元の位置に戻る。
「何だこれ?レバーが元の位置に戻っちまう」
ガチャン…ガゴン
レバーを倒した時に確かに電気が建物には巡るがその電気は一時的でしかなかった。
「なんでこれ戻っちゃうんだろ?故障かな?」
「いや、一時的にでも真ん中の建物に電気が流れている。ただしもう何年も人がメンテナンスを行なっていないからな。少しの電気にも反応してレバーが落ちてしまうのかもしれない」
「え、どうしよう、なんかテープとかで止めようか?」
「そんなもの近くにねぇぞ」
「じゃあ、のなかのスーツをここに座らせて固定するっていうのは?」
「俺のスーツはレバー押さえる用じゃない!却下だ!」
3人は行き詰まりその場で悩み込んでしまう。
「とりあえず、ちょっと休憩するか」
のなかはそう言って3人は『ツメの森』のフードコートの四人席に移動した。
「わー!すごい!ひろーい!椅子がたくさん置いてあるよ!」
モサ子は初めてのフードコートにおおはしゃぎであった。
「窓際の個室なんて、すげえ贅沢な席があるんだな。ご丁寧に扉まである。ここに座ろうぜ!」
「わ、みて、雨すごい降ってるね…」
「俺たちを逃さないって感じの天気だよな」
「私達がさっき言っていたのはあの真ん中のドラゴンヘッドのオブジェクトの建物」
「そして、東の『ツバサ森』から、南の『ツメの森』に戻ってきたんだ」
「すっごい歩いて楽しかったよ!」
「確かに楽しかったな!…っていいかこれは遊びじゃないんだ!天空の王国で俺たちの活躍を待ってる人たちがいるんだぞ!」
「ねぇ、あっちの建物はまだ行ったとないね確か『エンカの森』だっけ?建物がやたらと大きい、かたち的に映画館があるのかな?」
「映画ってさっきのジェネレーションパーク見れるのかな!」
「モサ子!お前は少し黙れ!」
叱られるモサ子を横に響は外の景色をまじまじとみる。
「あ、奥に病院が見える…この毒って治せなかったんだよね。みんな病院にも行ったのかな」
「そうだな。病院はパンクするだろうな」
「…天空の王国には地上から逃げられた人たちがいる。Dライダーズのみんなや優徒さんも。私達がどうにかしてあげないとね」
「うん!毒の原因突き止めてみんな地上に戻れるようにしてあげようね!」
「よし!少しはしゃぎすぎたが、俺たちの目的が改めて定まったことだしここで作戦会議だ。」
のなかはゴソゴソと荷物を出した。
「のなかこれって?トランシーバーだ。入り口近くの携帯ショップに置いてあったから持ってきてた」
「のなか!勝手にお店のものとってきちゃダメなんだよ」
「んなこと言ってられるか、こっちは緊急辞退なんだぞ」
のなかはトランシーバーを3つだして響とモサ子の前に置いた。
「わー!何これ!どうやって遊ぶの?」
「おもちゃじゃない。道具だ。これで連絡を取り合って電圧レバーを3人同時に引くぞ」
3人いるフードコートの個室を見るように黒い影が動きはじめる。
「あ…あ…」
薄暗い建物の部屋の隅には密集している人影が見えた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ショピングモールの話なんて書く予定がなかったのですが、掛け合いが増えて多くなってしまいました。
『ジェネレーションパーク』『リズム有頂天』『戦場のコックピット』ってなんでしょうか。センスがとても微妙でした。3人同時に合わせて何か行うってちょっとチーム感あっていいなって思いました。次回もお楽しみください。




