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第十五鈴 オンステージモード

ノーツ化スキルの攻撃モードの覚醒をお楽しみください。

高台の下ティラダさんはたくさんの空間を出現させそこからたくさんの岩が降り注ぐ。


ドシンッ!!ドシンッ!!!


モサ子はトテトテと逃げ回る。


「わわわわわ!!こんな重いもの!危ないよ!」


止めどない攻撃にモサ子は逃げることしか出来なかった。


「岩の下敷きにしてやる!モササウルス!」


ティラダさんは一度落とした岩の下に空間を出し無限に岩を降り注いだ。

この岩の雨の中モササウルスに変身をしても的になるだけである。


「うわ!」


モサ子は地面の木の根っこにつまずきそのまま地面に倒れ込む。


「終わりだ!一気に決めるぞ!」


ティラダさんはチャンスと見てモサ子の上にさらに多くの空間を出現させる。


ガラガラッ


周りに落ちた岩は地面の空間に吸い込まれ、全ての岩がモサ子の上の空間から落ちてくる。


「岩、全部食べ切れるかな」


ーーーチリン


モサ子の髪が長く伸び、モサ子はモササウルスに変身する。

降り注ぐ岩をバリボリと噛み砕く。

しかしその数に追いつかずモササウルスの頭に岩が直撃する。

分厚い恐竜の皮膚だが、何発もの岩が皮膚に当たりダメージが蓄積される。

モサ子は空中で体を捻り一つの岩にめがけて体の尾をぶつけた。

岩はバットで打ったボールのようにティラダさんに向かって飛んでいく。


「思いっきり行くよ!」


ティラダさんは落ち着いてその岩の軌道を読み空間を出現させた。

モササウルスの後ろから空間が出現しそこからさっき打った岩が出現する


「うぐっ!」


モササウルスはカウンター攻撃を喰らい地面に落ちる。

隙もなくどんどんと岩がモサ子に向かい落ち続ける。

砂煙が周りに舞う。


「ついに、モササウルスを倒したぞ!!」


ティラダさんは周りの茂みに隠れていた恐竜達に呼びかける。

岩の山の中モサ子は人間の姿に戻りその変身により岩の山がガラガラと動く。


「後は奴を食うだけだ。お前達あの光で弾く奴を追え!」


ティラダさんの指示に従い周りにいた恐竜達はパキケファロサウルスに押し負けて行った響の元に向かった。





バババババババババババババババババンッ!!!


響の連打が森の中に響き渡る。


グオグオ!「頭突きこそ最強!」


グオグオ!「頭突きこそ正義!」


グオグオ!「頭突きこそ至高!」


パキケファロサウルスの群れは弾かれてもなお頭突きを行い響を打撃で押し込んでいた。


「このノーツほんとにキリがないよ」


響は同じタイミングでくるパキケファロサウルスの攻撃の長さに飽き始めていた。


バババババババババババババババババババンッ!!


そのとき響はふと、パキケファロサウルスと初めて戦った時のリズムに自分の好きな作曲家『生き急ぎすぎP』の『ホッピングジャンピングラブ』を刻んだ戦いを思い出していた。


「このリズム、打撃のタイミング、連打、曲を……刻む!!」


ーーーチリン


響の目が赤く染まり、曲が『生き急ぎすぎP』の『ホッピングジャンピングラブ』が流れ出す。


バババババババババババババババババババババンッ!!


連打を繰り出しながら響は見えるノーツの色が赤くなるのに気づく。


「私の大好きな曲、私の自由な方法で!」


響の動きが変わる。連打で固定していた体を自由に動かし始めた。

ステップを踏みダンスをし始める。


バババババババッバババッバババババババババババババババババンッ!!!!


響の動きは変わったが、打撃の勢いは変わらない。

逆に連打の速度が加速する。

響の乗る譜面の円盤が赤く光始め、響が光に飲み込まれる。


バババババババババババババババババババババンッ!!


赤い光に包まれた響はパキケファロサウルスの頭部を次々と粉砕していく。

響から吹き飛ばされる恐竜達。迫り来るパキケファロサウルスたちを次々となぎ倒していく。

最後の一匹を投げ払い周りの森や草木が響から波動を受けて波打っている。


「やっぱりいい曲だよ。さいっこうに楽しかった!」


赤い光から響の姿が見えるその姿はアイドル衣装を身にまとっていた。

ピンクが主体のドレスに背中にリボンをつけていた。響のトレードマークのポニーテールリングにもピンク色のリボンが付いている。


「えええ!!!なにこれすっごい可愛い!!!」


響は自分の衣装がまるで『生き急ぎすぎP』の『ホッピングジャンピングラブ』のミュージックビデオをイメージした衣装であることに大興奮していた。


「わわわわ!!!すごいよこの衣装!!すっごい可愛いい!!」


月の光で明るく照らされた近くの湖の水面に映る自分を見て響は大喜びしていた。


キェアアアアア!「侵入者発見!ここで倒す」


ケツァルコアトロスの群れが大きな口を広げながら響に向かってくる。


「この曲を終わらせるにはもったいないよね」


響の目は赤く光り、響を乗せた譜面の円盤が空高く飛び上がる。


「ステップ、右、回ってジャンプ!」


タンッ!タン!タタタッタン!


響はケツァルコアトロスの攻撃を避けながら頭を踏みつけていた。

その光景はまるで身軽な小動物が崖を駆け上がるように俊敏な動きだった。


キェアアアアア!「ふざけた動きを!」


キェアアアアア!「丸呑みにしてやる!」


ケツァルコアトロス達は周りを大きく旋回し始めた。その動きに合わせ暴風が発生する。


キェアアアアア!「この地獄嵐で仕留められなかった相手はいない!」


ケツァルコアトロス達は自身で起こした暴風にのりさらにスピードが加速する。

その速さに竜巻が発生し、響の元に近寄っていく。

響にはその一頭一頭の動きが青色のノーツに見えていた。


「いいねいいね!いいノーツだよ!でも『ホッピングジャンピングラブ』のサビパートの方がもっとすごい!!」


響に見えていたケツァルコアトロス達の青色のノーツが赤色に変わった。

とたん響はケツァルコアトロス達の竜巻の中に飛び込んでいく。


ダダダダダダッダダダダダダッダダ!!!!!


響は譜面の円盤の中でキレキレにダンスを決めていく。


ダダダダダダダダダッダダダダダダッダダダ!!!


響の伸ばす腕、ステップを踏む足元、ポーズを決めた肘の先、思いきっりあげる膝の先、全てが響奏でる曲のノーツの場所に吸い寄せられていく。


ダダダダダダダダダダダッダダダダダダッダダダ!!!


響の振り向いて高くあげる両腕、左右に踏むステップ、譜面の円盤に膝からダイブする動き全ての振り付けがノーツを弾きケツァルコアトロスに大打撃を与える。


キェアアアアア!「なんなんだ!こいつ!グアッ!!」


叫ぶケツァルコアトロスの頭を響のステップが通過する。その衝撃でケツァルコアトロスは次々に気絶していく。


キェアアアアア!「島の空で最強の俺たちが負けるなんて!グエッ!」


響はケツァルコアトロスの最後の一頭を高く振りかざした腕でノーツを突き刺し、ケツァルコアトロスの群れを破った。


「もちろんフルコンよね!」


響は満面の笑みを浮かべていた。


ギャウギャウ!!「あ゛あ゛???ケツァルコアトロスがやれれてんの!!」


ギャウギャウ!!「あ゛あ゛??だらしねぇんだからなぁ!!」


ドロマエオサウルスの群れが落ちてくるケツァルコアトロスを見て叫んでいる。

その後ろからもゾロゾロと恐竜の群れが押し寄せる。

ティラダさんの指示に従ってきた恐竜たちだ。


「まだやる?まだやれるの!?」


響は群がる恐竜達を見て高揚感が高まっていた。

響を乗せた譜面の円盤は逆さになり響から見ると地面の恐竜達は見上げる位置にいた。

響はゆっくりと顔をあげ赤い瞳と共に地上の恐竜達を見る。


「教えてあげる。『ホッピングジャンピングラブ』は2倍速が主流なの!」


響は満面の笑みを浮かべた。

再び曲が流れ始める。その曲は2倍速で流れていた。まるでこの曲はもともと2倍速を前提に作られていたのではないかと思わせるくらいしっくりとした曲調だ。逆にこの2倍そくだから表現のできるリズム、表現、歌の抑揚が響の頭を興奮させる。


ダダダダダダダダダダダッダダダダダダッダダダ!!!


ノーツを弾き散らしながら地上に降り立った響を前に恐竜達は恐怖を覚えた。

一瞬見える少女は次の瞬間は自分の前にいて大きなノーツが弾ける音と共に自分が吹き飛ばされる。


ダダダダダダダダダダダッダダダッダダダダダダダダダ!!!!


細かい樹々を避けながら響は自分に敵意のある恐竜達にを目標にノーツを弾く。


ダダダダダダダダダダダッダダダダダダッダダダダダダダダダダダッ!!!


響はひたすらキレキレのダンスを踊り続ける。無駄な動きがなく延々と複雑な振り付けを淡々とこなしていく。フリルのついた衣装から覗く響はリズムゲームを楽しむ少女そのものだった。


ダダダダダダダダダッダダダダダダダダダダダダッダダダダダダダダダダダダダ!!!


響を乗せた譜面の円盤は島中を駆け巡る。空から見た島は響の駆け巡る赤い閃光が輝き続ける。

その閃光は島を一周、二周と回ったあとジグザグに北方から南へ動き始める。


ギャウギャウ!!「あ゛あ゛???なんなんだこのバケモンは!!」


ブオオオ!!「なんなんですの!誰か助けはいないんですの!?」


島中に恐竜達の悲鳴が鳴り響いた。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

ノーツ化スキルは基本的に相手の攻撃を弾くのに使われますが、オンステージモードは響が選曲して響が目標をノーツに変える攻撃型です。基本的に響の大好きな曲を何度も流します。響の戦闘曲みたいな表現になりますね。

次回は後半バトルの後編です。

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