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第十三鈴 作戦前夜

会話回です!モサ子の能力付与時のシーンメインです!

日が沈んだ海を前に響とのなかとモサ子の三人は小さな火を囲み座っていた。

周りにはのなかが取ってきた木の実が大きな葉っぱの上に置いてある。


「モサちゃん、あのティラダさんが好きって話ほんと?恐竜達にとっての好きって恋愛的なものなのかな?」


少し戸惑いながら響はモサ子に聞く。


「うん!私ティラダさんのこと大好きだよ!」


モサ子は即答する。


「意味がわからねぇんだよな。その感情。別の種族だろ?なんでモササウルスがティラノサウルスを好きになるんだよ」


冷めた声でのなかはモサ子に話しかける。


「大好きなものは大好きなの!のなかにも好きなものあるでしょ!」


ムキになって怒るモサ子。


「落ち着いてモサちゃん。のなかも意地悪しないでね!」


二人を引き離す響。


「ねぇ、モサちゃん。もしよかったらモサちゃんの好きになったきっかけ教えてくれないかな?」


一度落ち着き響はモサ子に問いかける。


「うん!いいよ!」


モサ子は一度座り話し始める。


「私はね、広い海で冒険をしていたんだよ。ずっと続くこの海を自由に泳いでいたの。ある日の朝、朝日と共にこの鈴が空から私に落ちてきたのその鈴に私の歯が触れると私の力が溢れるばかりにみなぎってもっと思いっきり泳ぎたくなって、いつもよりたくさん泳いでいたんだ」


モサ子の瞳はキラキラしていた。


「ある日別の種類のモササウルスの群れが私に訪れてきたの。そのモササウルスはこの世界で一番大きくて私より筋肉があるすごいモササウルスだったの!周りのモササウルスの話によるとそのモササウルスはこの世界最強の存在らしかったの!私すごく憧れてたくさんお話し聞きたかったんだけど、いきなり襲ってきたの。大きな口を開けて思い切り私を噛もうとして来たんだよ。びっくりしてそのモササウルスを丸呑みしちゃったの。あの鈴が私に丸呑みのスキルの力を付与したんだよ。周りにいたモササウルスは驚いて逃げようとしたけど私はその子達も一緒に食べちゃったの」


「ほんとに容赦ねぇな」


のなかはつぶやく。


「その日から私に襲いかかってくる子達が増えたんだけど、私はその子達を全て丸呑みしたんだよ。いつの間にか海に敵はいなくなり、同時に友達もいなくなちゃったの。いろんな生物を全て食べ尽くした私は寂しくなって陸を目指して海を泳いだんだよ。陸はとても広くて私のまだ言ったことのない未開の地だったの。


ある日崖の上で大きな恐竜が咆哮をしていたの。とっても力強くて迫力があって、海の波の流れを変えるほどの振動だったの。私はその姿に憧れて私もあんなふうに強くなりたいと思ったの。それがティラダさんだったの。私が食べ尽くした海とは違う別の世界。陸の大地を支配する王となる恐竜。私あの恐竜にあって私も一緒に強くなりたいそう思ったの。その恐竜は毎日崖で海の様子を見に来ていたの。私の恐竜に会う為に私も毎日毎日その崖が見える場所に見に行ったの。


「それが二人の出会いなんだね」


響は真剣にモサ子の話を聞く。


「ある日ティラダさんが私に気づいてくれたの。私すごく嬉しくて飛び跳ねちゃったよ。ティラダさんすごい目力で私を見てきたのが分かったの。きっと私と会いたいのかなって思ったよ。それから数日かからないうち、私もティラダさんに会いたいと思って海辺に近寄ったの。私には陸を歩く足がない。私はティラダさんに会いたい思いで勢いよく陸に打ち上がったの。浅瀬でもう限界だった。私は息ができなくてもがき苦しんでいたんだけどこの鈴が光り始めて全身に力がみなぎったの。その時私はこの二足歩行の体になっていたんだよ」


モサ子はこれまでの過去の話しを終えるといきなり立ち上がった。


「そして、今日、この時!私はティラダさんに会い、そして明日の夕方島の高台裏に来いと呼ばれた!

そうこれはまさしく恋の告白なの!」


「いやなんでそうなるんだよ」


のなかはモサ子にツッコむ


「だって毎日会いに行っていたんだよ。そして向こうも気づいてくれた同じこの姿になっていてもなお、私たちはお互いを求めていたんだって気づいたの!明日はきっとティラダさんからの告白がされて私がそれに答えて他の恐竜たちもみんなお祝いしてくれるんだと思うの!そうティラダさんたちはお祝いの準備をしているんだよ!」


モサ子は元気に語り出す。


「モサちゃん、でもそれはちょっと強引じゃないかな?」


「響までそんなこと言うの!」


ぷすぷすとモサ子は怒り出す。


「それはモサちゃんの片想いなんじゃないかなって。ちょっと思ったの」


「絶対ティラダさんは私のこと好きだもん!私たちずっと一緒にいる運命なんだもん!」


モサ子は頑なに自分の意見を曲げなかった。


「だが、モサ子の目的はあのティラダとかいうお前と同じ人間化した恐竜だって分かった。モサ子俺たちはこの世界とは別の世界からきた。そして元の世界に戻るにはティラダが食った魔女のスキルが必要なんだ」


のなかは真剣に語り出す。


「あのティラダから空間スキルを奪還するそれが俺たちの目的だ」


「そうだね。あのスキルがなくちゃ私達この世界で行き止まりだね。魔法の国へ行って6人の弟子達を止めなきゃ行けないのに」


響はつぶやく。


「魔法の国?何そこ行っってみたい!」


モサ子は元気よく答えた。


「でもどうやってスキルを奪還すればいいんだ?」


のなかのつぶやきにモサ子は答える。


「そしたらティラダさんも仲間にしようよ!」


「は?」


響とのなかは唖然とする。


「私が大好きなティラダさんならきっと協力してくれるよ。その魔法の国に行って何をすればいいかよくわからないけど私ティラダさんに相談してみるね!」


「モサちゃん…」


響はモサ子の勘違いを指摘しようとしたが、我慢した。


「よくわかんねぇが、あのティラダってやつが俺たちに協力してくれるかは望みは薄いが」


のなかはモサ子の方を向いた。


「こっちには海の覇者、モササウルスがいる。協力できなくても力でねじ伏せて無理矢理にでも連れて行こうぜ!」


「うん!よくわからないけど頑張るぞ!」


のなかとモサ子は元気よく拳をあげる。その光景を響は心配そうに眺めていた。





島の高台の上の森に恐竜達が集まっていた。

その真ん中には人間の姿をしたティラダさんがいた。


「いいかお前達、手を抜くんじゃねぇぞ。奴らはの強さは異常だ。ここで倒しておかないとこの島の命運はないと思え」


ティラダさんは恐竜達に話しかけていた。


グオオ「分かったよ。兄さん」


ティラダさんの後ろにいたティラノサウルスが頷く。


「俺たちの目的はあのモササウルスだ。あいつをここに誘い込み全員であいつを倒す。あいつの能力は特に異常だ。見ていたものは分かる通りあいつは全てを飲み込む。あの能力を手に入れさえすればこの世界の最強も当然だ」


ブオオオ!「ティラダさん!私の食べられた友達の仇をとってください!」


ブラキオサウルスが叫ぶ。


「その通りだ。やられた仲間の仇は必ずとる!俺に任せておけ!」


ティラダさんは自身の手を見る。


「俺のこの能力が上手く使えればいいのだが…」


ギャウギャウ「あ゛??ボスなんだったらボスの力今練習ついでに見せてくださいよ!」


ドロマエオサウルスがザワザワと騒ぎ始まる。


「ドロマエさんたち。確かに。俺の力が不十分なばかりに負けてしまう可能性もある。俺は俺の鍛錬を重ねるべきなのかもしれないな」


ティラダさんは腕に力を込める。


地面に光が現れる。その光は今まで以上に輝きを増していた。

突然その空間は大きく広がり周りの樹々を飲み込み始めた。


「なななんだ!とまれ!」


ティラダさんは自身の能力をコントロールできていなかった。

周りの恐竜達は不安になったその時3匹のドロマエオサウルスが光の広がりの速さに追いつかず足を滑らせ空間に落ちていく。


ギャウギャウ「あ゛??ボスなんだこれ!!俺たち落ちちゃうよ!」


「ドロマエさん!!!」


ドロマエオサウルスは空間の中に消えていった。


「なんてことだ!」


ティラダさんは自分の行為に失望していた。


「やっぱり俺のこの能力は危険だ。明日の夕方まで俺は一人で修行をする」


グオオ「わ、分かったよ兄さん」


ティラノサウスが返事をした。


「ブラキオさんくれぐれも警戒は怠るなよ!もし敵が近づいてくるようだったらすぐに足踏みをして振動で揺らしてくれ!すぐに向かう!」


ブオオオ!「わかりましたわ!」


ブラキオサウルスは力強く叫んだ。


「俺たちであのモササウルス含めて侵入者を倒すぞ!」


グオオオオオオオオオオ!!!


夜の森に恐竜の雄叫びが鳴り響く。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

鈴を手にするとスキルと+aの能力が付与されます。モサ子の変身能力はその+aになります。

ティラダさんの変身も同じ力になります。

次回主人公三人組と恐竜達との真向勝負です。お楽しみください。

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