噂の日を前にして震災への備え
ここのところテレビなどで、震災への備えを説くものが多いように感じる。多分7月5日に大災害が起こるかもしれないという、予言めいた書籍やネットの影響もあるのだろう。書籍の方の作者がしたかったのは、決していたずらに不安を煽る事ではなく、いつ来てもいいように備えた方がいいという注意喚起だろうから、案外その目的は果たされているのかもしれない。
日本は地震の多い国だ。そうして大地震も定期的にやってくる。来るか来ないかの話ではない。必ず来るのだ。問題はそれがいつ来るかというだけだ。私は職業が建築士なので、大きな地震が発生すれば、それは自分の住んでいる場所と関係なく他人ごとではない。特に九州内で大きいものが起こった場合、応急危険度判定というボランティアに登録しているので、被災地への出動要請が来る可能性もある。
応急危険度判定については、以前違う文章でも書いた。災害時に主に木造の家屋の被害状況を建築士が目視確認して、「危険(赤色)」「要注意(黄色)」「調査済(緑色)」の三つに分類して紙を貼って行く活動だ。外側から見るだけなので詳細な部分までは判断できないが、普段から建築業界に身を置いている人間が判断するので、一般の人が見て独自に判断するよりは実効性がある。判定はその偏りを排除する為に建築士が二人一組で行う。
ここで赤色の判定となった建物には決して立ち入らないで欲しい。法的拘束力があるわけではないが、我々の目で見て立ち入る事自体に危険があるとしたものだからだ。黄色も基本的には何かしらの不具合が出ていて、余震があった場合は倒壊の危険もあるので、極力立ち入らないで欲しいし避難すべきだ。避難所があるならばそちらに退避しておいてもらった方がいい。テントなどをお持ちで、広い場所があれば余震の心配がなくなるまでは、そちらで寝泊まりして頂く方がいいだろう。緑に関しては外観上は危険は無さそうだという判断である。避難時に迷った時には参考にして頂きたい。
本当は震災なんかは来ないなら来ない方がいい。しかしいつかは来るのだから備えなければならない。今回世間で噂されているのは、ここ福岡からすれば南方の話なので直接の影響はないかもしれないが、応急危険度判定の派遣要請の可能性は十分にある。ヘルメットや安全靴、判定手帳など必要な道具や装備を、この週末は点検しておこうと思っている。
みなさんももし来てもいい様に、水や食料の他装備品などの点検をされてください。