表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/42

第4話 登校中にバッタリ…なんてね 

いつも読んでいただきありがとうございます!

 「俺」は高校の入学式の日、近くの紅樺女子学院に通う、雅 優華さんに一目惚れした。

そして先日ひょんなことから再会を果たし、さらに連絡先まで交換できた。

「俺」は連絡アプリ上の‘‘ゆうか‘‘という文字を見ているだけで心が満たされていた。たまに、親友の中倉に「何見てんだよ」とからかわれるがもうどうでもよくなってきている。


 そんな「俺」だが少しだけ夢がある。

それは、マンガとかでよくある、登校中にバッタリ遭遇するあれだ。

遭遇してみたい!雅さんに!

そんな下心全開で登校する日々が続いている。もともと友達の少ない「俺」は皆とは反対方向からきていることも相まって、一緒に登下校する相手なんていないのである。

最近はスマホか単語帳か本が通学のお供である。なので、一度でいいから友達と一緒に話しながら登下校したいと思っている今日この頃であった。


・・・


 「やっべぇぇぇぇ!遅刻だぁぁぁぁ!」


めずらしく寝過ごした俺は大急ぎで支度して家を飛び出した。俺の家から学校までは少なくとも1時間はかかる。電車に乗っている時間は一定…ならば!


「ひたすら走るしかねぇ!」


俺は走った。地下鉄のホームまで全力で走った。一応陸上部であるため、足には自信がある。

通勤通学ラッシュに捕まったようで人が多い。まさにステップを踏むように繊細にかつ流れるようにスピーディーに、また人と人との針の穴を通すようにただひたすらに周りに細心の注意をしつつ走った。次の電車を逃せば遅刻が確定する。


「間に合えぇぇぇ!」


ホームに到着したが、ドアが少し閉まりかけていた。いつもなら引くところだが今日ばかりは引けない!「俺」はとっさにカバンを前に抱え、足でドアを止めたすきに乗車した。背後でドアが閉まる音がしてほっとした。そしてどっと疲れた。


「はぁぁぁぁあぁぁ~」


長い溜息をついていると、少し下から聞き覚えのある声がした。


「ど、どうしたんですか?」

「へ?雅さん⁉」


俺は小声で驚いた。


「寝坊でもしたんですか?」


なぜかはにかむように…いや、かわいい小動物を見た時のように微笑んだ。


「は、はい。実は…」


恥ずかしくて口ごもる俺に雅さんは優しく笑いかけ、


「私と同じですね」

「え?もしかして雅さんも?」

「はい。今日は寝坊です」


苦笑する顔もかわいい!と、「俺」がとっさに思ったのは言うまでもないだろう。

今改めて思ったが、雅さんは結構おチビちゃんという訳でもないが、「俺」の身長が180㎝近いからか、小柄に見える。大体、165㎝前後といったところだろう。

顎を少し引くと少し見上げた彼女と目が合った。なぜか雅さんは目をそらした。女子高生なのだ。男子とはそんなに話さないから緊張しているだけだ。そう心に言い聞かせて俺は電車をやり過ごした。


「それじゃ、私はこれで」

「あ、はい。じゃあ」


「俺」たちは電車を降り(近くの学校なので降りる駅は同じ)それぞれの通学路に進んだ。


「あのっ!」


雅さんが急に「俺」を呼び止めた。


「連絡、してもいいですか?その、私みんなと方向ちがくて一緒に行く人いないから、その、また一緒に行くためにじ、時間とか合わせて…」


おどおどしてる雅さんもかわいい!いい!と、馬鹿なことを考えた後で、「俺」は我に返り、


「いいですよ!是非お願いします!いや、その、他意は無くて、俺も雅さんと同じと言いますか…なんといいますか…」


俺がそう言うと、雅さんは笑顔で「ありがとう!」と言って、学校へ言ってしまった。

ちなみに「俺」がこの言葉に悶えて学校に本気で遅刻しそうになり。閉まる校門に挟まれそうになりながらもなんとか遅刻を逃れたのはまた別お話である。


続く

次回

試練!中間試験!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ