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第30話 三学期がやってきた

いつも読んでいただきありがとうございます!

 3学期がやってきた。

優華の新学期はもう少し先らしく、今日は一人で登校だ。俺は初詣の帰りに感じた悪寒に少しおびえながら、電車に揺られている。


「よう兄弟!」


そう言って、明るさと機嫌が最高にいい状態の中倉が飛びついてくる。このノリで「あ、学校始まったんだなぁ」と感じてしまう俺は何なのだろう?

何はともあれ、始業式が始まった。

長ったらしい校長の話に、憂鬱な生活指導の話。果ては表彰と、淡々と式は行われた。

俺は終始眠たくて仕方なかった。ぼーと、「明日から実力テストかぁ~」と一人落ち込んだ。隣の佐々木は……寝ていた……。


 「あのさー」


席替えで隣になった中倉が何か言っている。


「ん?」

「最近どうなの?雅さんと」

「なんで?」

「いや~?大人の階段上ったのかなぁ~と」

「ぶん殴っていいか?」

「ちょ!待った待った⁉」


いつもの日常。いつもの風景。なぜか安心する。まぁ、冬休みはドキドキしっぱなしだったからな~

俺の朝に感じていた悪い予感はすっかり消え失せていた。


「今度ダブルデートしようぜ!」

「嫌」

「たのむよ~」

「いーやーだ!」


いやしかし、やっぱこいつバカだな。

とりあえず、締めとしてこうしておこう。


三学期がやってきた。



・・・


 私―――雅 優華には彼氏がいる。


早乙女 雄日という男の子だ。最初は同い年で、優しいなぁ~くらいの感覚だったが、次第にひかれていき今では自慢の彼氏である。


「雄日は学校か~」


自宅にて実力テストの勉強中、ふと、そんなことが頭をよぎる。もしテレビ電話しながら一緒に勉強出来たらどれだけ幸せだろう?まぁ、彼の顔ばかり見て全然進まないのがおちだが。

時刻は12:30。両親は共働きでいないので、一人で昼食を取らなければならない。


「料理の練習がてら作ろうかな?」


私は立ち上がり、少し伸びをした後キッチンに向かった。

「今日は……」と、料理アプリ片手に冷蔵庫の中身を見る。


 数分後……


結局、ゆでてあえるだけのパスタになった。ちょうど、明太子パスタの素があったので、厳密には明太パスタである。

彼に手料理を食べてほしいがために練習した時はパスタだけでもこんなにさくさくできなかったなぁ~

私は感慨にふけると、フォークを取ってきて昼食を初めた。


ブー……ブー……


「何だろ?」


スマホの画面を見た   彼氏♡


「え⁉」


雄日から電話が来た。しかもテレビ電話だ。


私は急いで髪を整え、服装をちゃんとして通話ボタンをタップした。


『優華?見えてる?』

「う、うん見えてるよ?」

『えっと……ただいま……?』

「おかえり……」


ぎこちない会話が続く。


『今昼ごはん?』

「うん」

『俺も今からだから一緒に食べる?』

「あ、え、うん!」


それから私たちがいつものデートのように楽しい時間を過ごしたのは想像に難くないだろう。


「それでね、あ、」

『どうした?』

「お母さん……」


しかし、そんな楽しい時間も束の間、お母さんが帰ってきた。


「あらまぁ……」

「お、お母さん!えっと……その、これはち、ちがくて……」


私はおどおどしながら答える。全身から嫌な汗がどっと噴き出る。


「それ、優華が作ったの?」


突然の質問に私は困惑しながらうなずく。


「恋は人を変えるってね……」

「え?」

「ねぇ優華、少し彼と代わってくれる?」


私は再度困惑する。しかし、仕方ないので了承した。


途端、お母さんは少し離れて何やら雄日と話し始めた。雄日の声が度々聞こえる。

何て言ってるか分からない……。

そんな、重要そうな謎を抱えたまま私は一日を終えた。


・・・


 翌日、


私は校門前にやってきていた。もちろん紅樺女子学院の。


こうして、私にも彼に一日遅れて、三学期がやってきた。

今学期は何があるんだろうなぁ~とワクワクしながら、私は校門をくぐるのだった。


続く

次回

第31話 降りかかった勘違い


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