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第2話 同窓会(合コン)

いつも読んでいただきありがとうございます!


 どうやら、「俺」は中倉たちにはめられたらしい。

女子3人に対し男子が二人しか集まらず困っていた時にふと、イケメンでもなく目立った長所もない平凡な俺に目を付けたのだという。全くありがた迷惑な話だ。もしここに‘‘あの子‘‘が来ていなければ危うく中倉たちと縁を切るところだった。


「先日はありがとうございました。改めまして雅 優華と言います。名乗るのが遅れてすみません」


「俺」はふと、そういえばテンパりすぎていて名前すら聞いていなかったことを思い出した。

しかし、初めの自己紹介があった時に名乗っていたので、わざわざもう一度しなくてもいいのでは?と思ったりもした。


「いえいえ!大丈夫ですよ?お気になさらず…」


自分よテンパるな!と念じたが……無理だった。


「あの、あなたのお名前は?」


雅さんは多分テンパる俺を気遣い、話題を振ってくれた。


「あ、すみません俺は…」


言い終わる前に、中倉が急に「王様ゲームしよう!」言い出した。あっけにとられた俺は名乗ることを忘れて流されてしまった。雅さんも仕方なさそうに流されていた。


・・・


 王様ゲーム。ルールは簡単。ただ、1~5までの番号か王冠マークが書かれたカードを引いて、王冠マークが書かれたカードを引いた人が「1番と3番でハグ!」などと、命令していくゲームである。なお、命令は何でもよく、また逆らうことはできない。例えどんなに嫌でも。


「おっ」


今回は「俺」が王様らしい。


「じゃあ、そうだな。四つん這いの2番に5番が乗る、で」


俺は適当にマニアックなところをついてみた。2番は中倉で5番は雅さんの友達の畑山さん(女子)だった。


「え~まじかよ~」


中倉は嫌そうにそういったが目が完全ににやけている。「俺」でさえこいつがセクハラしないかどうか心配になった。

ただ、中倉はМなのか乗られて喜んでいるだけだった。乗ってる側の畑山さんもなんだかんだ楽しそうなので「俺」が後で責められることはないだろう。よかった。


「はい、次!引いた引いた」


気を取り直して「俺」たちはまたカードを引いた。「俺」のカードは3番だった。


「王様は俺だ!」


中倉はそういうと、さっそく命令した。


「1番と3番!連絡先を交換しなさい!」


謎な王様口調なんて「俺」はどうでもよくなった。1番がもし、雅さんなら…なんて考えたからだ。しかし、そんなまさか…とあきらめて、


「俺、3番」


名乗り出た直後に、意外なことが起きた。


「私、1番」


なんと、雅さんが1番だったのだ。びっくりして飛び上がるのを何とかこらえ、俺はスマホを取り出し、


「じゃあ、はい。嫌なら、後で消してください」


といって、恐る恐る連絡先を差し出した。


「こちらこそ、嫌なら後で消してくださいね」


苦笑しながらそろそろと差し出されたスマホに俺は自分のスマホを重ねた。


ピコン♪


と、音がして俺たちは連絡先を交換した。‘‘ゆうか‘‘の文字が新たにアプリに加わった。なんというか、中倉に今度ジュースでも奢ってやろうかと真剣に考えてしまった。


続く

次回

合コン(優華目線)

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