第1話 再会の時は突然に
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「同窓会?」
高校生になり生活にも慣れてきたある日、俺は中等部からの親友の中倉と話していた。どうやら中等部時代で一番クラス仲が良かった中二の時のメンバーで同窓会をやるらしい。
「そうそう。2-3のメンバーほぼ全員参加だから来ない方が目立つけどどうする?」
「俺が目立つの嫌だって知ってて言ってるだろ。ていうか普通にあのメンバーではよく遊び言ってるし、
今更同窓会なんてしなくても普通に遊べばいいじゃん」
「あのな、細かいことはいいんだよどうせいつもみたいに遊ぶだけなんだし。で、来るのか?」
「もちろん行くよ。行くけど…」
どうにも引っかかる。
あのメンバーなら普通に遊ぼうぜって誘ってきそうで、何もわざわざ同窓会なんて口実は付けないはずだ。
「だから、細かいことはいいんだっての。それじゃ、参加ってことで」
そういうと中倉はどこかへ行ってしまった。
あれよあれよという間に日時か決まり場所が決まり、とあるカラオケでやるということになった。
・・・
「ここか」
来たことのないカラオケ店の前で「俺」は足を止めた。今回の同窓会の会場である。
「いらしゃいませ」
「あのー17時で予約してる団体の者なんですけど」
「かしこまりました。25号室へどうぞお連れ様は皆さま到着されています」
「ありがとうございます」
どうやら「俺」が最後らしい。
25号室を見つけて嫌な予感がした。通常大人数の時はパーティールームをとるのだがこの部屋はそうではないらしい。
ということはやはり同窓会というのはうそだったのか。しかし行くと言ってしまった以上ドタキャンではばつが悪い。「俺」は覚悟を決めて部屋に入った。
「全く、おせーよ」
中倉と中二のクラスメイト一人の姿は確認した。
しかし、向かい側には
‘‘女子が三人いた‘‘。
さらに見るとその制服は紅樺女子学院のものだ。その瞬間思考が停止し、固まってしまった。
固まった「俺」を友人たちは一番奥の席に放り込んだ。
「いってーな」
「俺」はキレ気味で言った。
「大丈夫?」
テーブルをはさんで前の席から女子の声がした。あれ?この声どこかで…。
「いえいえ。大丈夫です。おきになさら…え?なんで…?」
「俺」は再度固まった。目の前には‘‘道案内をした子‘‘雅 優華が座っていた。
続く
次回
同窓会(合コン)