第0話 プロローグ
新作です!ラブコメ系を書いていこうと思いますので、今後ともよろしくお願いします!
皆さんは青春って何だと思いますか?
おそらく、恋愛や学生生活などを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。これはそんな理想の青春を失った、ある青年の物語。
・・・
「俺」は中学受験においてすがすがしいほどに共学校に落ち、結局、受験した学校の中で最も偏差値の高かった、御河丘学園の中等部に入学した。
これから青春を謳歌するんだ~!と息巻いていたもの束の間、現実は甘くないのだとこの時改めて思い知った。なぜなら、この御河丘学園は男子校だったからである。
「俺」は青春=恋愛・色恋といった価値観なので、入学当初はすさまじく乗り気ではなかった。入学式すら不登校になりかけたほど燃え尽きていた。
しかし、いざ学校が始まってしまうとそこまで大した差はなく、いたって平凡な変わらない日々があった。
授業聞いて、宿題して、ゲームして、部活して、テストもそこそこの成績とって、たまに、仲の良い友達と遊びに行って…。
そんな生活をしていたら入学当初の不安や不満はどこか得消えてしまっていた。そして順調に時は流れ、「俺」は高等部に進学し、高一になった。
しかし、高等部の入学式の日事件は起こった。
「俺」は今まで‘‘一目惚れ‘‘というものを一度もしたことはなかった。それゆえに「俺」は自分と‘‘その子‘‘に驚いた。
「あの、すみません。御河丘学園の学生さんですよね?」
急に、かつ、久しく女性と話して、ましてや女性の方から話しかけられることなんてなかった「俺」には、衝撃的過ぎた。
御河丘学園の近くにある女子校、紅樺女子学院。美人ぞろいで有名なあの紅樺女子学院の制服を着た女子高生が目の前に立って、「俺」に話しかけているのだ。動揺と恐怖と緊張に押しつぶされそうになりながら「俺」は会話を続けた。
「は、はい!そうですが何か御用でしょうか?」
聞くとその要件は少し意外なものだった。
「御河丘学園ってどう行けばいいんですか?」
どうやら、「俺」の学校に用があるらしい。
「えっと、それならこの道をまっすぐ行って…」
「俺」が言い終わらないうちに、話しかけてきた女子高生は心の底からの「?」みたいな顔をして、
「連れて行ってはくれないのですか?」
な、なにを言っているのか⁉と「俺」はひっくり返りそうになったが、何とか沈めて、
「い、いいけど…なんで?」
すると、その子は少し、ほんの少しだけ恥じらいながら、
「私、地理とか苦手で方向音痴なので、迷うかもしれないので…」
なるほど!と「俺」は納得した。これで納得してしまう自分のちょろさは見直した方がいいなと思ったり
もした。
「じゃ、じゃあ行きましょうか。学校まででいいんですよね?」
「はい。後は大丈夫ですので」
こうして、「俺」はこの子「雅 優華」に文字通り、一目惚れした。この道案内の後、もう会えないだろうな…と「俺」は思っていた。
しかし、その予想はすぐに裏切られることになった。
続く
次回
第1話 再会の時は突然に