第10話 魔王会
「皆んな、よく集まってくれた……では、これより、魔王会を始める」
こ、……怖い!なぜ僕は今こんなところにいるんだろう…
因みに今は人間の姿ではない。
先程、何回か試しているうちにわかったが、自由に人間の姿とデーモンの姿になることが可能になった。
やり方としては、頭の中でのイメージだ。
人間の僕の姿や、デーモンの姿をイメージすると、変化可能だ。
いや、そんなことどうでもいい。
今の状況を確認しよう。
今、僕がいるところは大魔王ギザランというやつの城の中だ。
大魔王ギザランとは、魔人の中の1番の王様的な存在だ。
そして、魔王会とは、魔人の中の選ばれし実力者ものたち… 魔王達が一度に集まって話し合うのだ。会議みたいなものだ。
長いテーブルに横並び並んで魔王達が座っている。リーダー的なポジションに座っているのが大魔王ギサランだ。
これまた個性的な魔王達がいるもんだな
僕は一通り見てそう思った。
「おいおい、なんで、最弱ビビり魔王のデーモンなんかがいるんだよ?」
そう言って僕を睨むのは暴君の魔王と呼ばれる魔王アゼン。
見た目は少年ヤンキーみたいだ。
「デーモンは最近何かと力をつけていると聞いた…ゾルデニックの幹部を倒した結果がある…この場にいても不思議ではない」
大剣の猛者、エザクト。鎧の姿で、顔などが全く見えない。背中には大きな大剣を背負っている。
「みんな!久々だな!元気にしていたか?!俺は今、みんなに会えて感激している!!!」
熱血!青春!って感じの暑苦しい感じで、話すのは、ド根性!ネツキ。
「殴殺!絞殺!焼殺!水殺!殺殺殺………!
ああ、人間を殺したい!今すぐ殺したい!」
残酷非道、ガラガイン、あきらかに危険人物だ。さっきから意味深な不吉な言葉を連呼している。できる限り関わりたくない。
「………フン」
魔剣士アムラ。いかにも剣士っぽい見た目だ。
「うるさいぞ、少し静かにしてくれ……」
武士道、サカムネ。腰には日本刀らしきものが見える。侍にとても似ている姿をしている。
「全く最近の若いもんは……」
老神、ボゾナゾ。
老人の姿をしている。
「ねぇ?お菓子はないの?私小腹が空いたんだけど?」
暗黒魔法使い、ニーナ。ロリを目覚めさせてしまう少女の姿をしている。
「…………………………………」
無知こそが罪、シシモ。死神と呼べる姿を、している。見た目はまさに骸骨そのものだ。
「ヒヒッ、今夜も、賑やかですね…」
謎ノアム。包帯ぐるぐる巻きな、細いやつ。
「皆んな、落ち着くのだ!」
水玉、ポルン。水色のスライムに手足をつけました…みたいな姿をしている。
「……苦い……」
コーヒーを啜るのは怠惰、クラキ。大人オブ大人の男性姿をしている。目の下には大きなクマができている。
スーツ姿だ。
個性的なメンバーが長テーブル越しに各々座っている。
なんとも、ガラが悪い。
「皆静粛に」
大魔王ギザランが、呼びかけた。
「そーいや、ラコンはどうした?今日は来ねーのか?」
アゼンが問いただす。
ラコンとは誰だ?
魔王の1人なのか?
「……………」
一定の沈黙の後、ギザランが口を開く。
「ラコンは勇者によって倒された」
ギザランは瞳を閉じてそう言った。
「は?マジか……クソ!許せねぇ!」
アゼンは怒りに震えた。
「勇者か……」
エザクトが納得したように言った。
「ああ」
ギザランが返す。
「今日集まってもらったのは、今後のことについて皆に伝えておきたいことがある」
僕は固唾を飲み込む。
「このままいけば、近いうちに魔族と人間の戦争が起きるだろう」
一気に場に緊張が走る。
「まあ、そろそろだとはおもたったわい」
ボゾナゾが顎の髭を伸ばしながら言った。
「このままダラダラしていては、人間にとっても、魔人にとっても、よくないからな」
アムラが言った。
「魔王の諸君、いつでも戦える準備をしておいてほしい」
ギザランがそう言った。
「準備?俺は今からでもラコンを殺した勇者をぶっ殺しに行きたいけどな」
「まあ、待て…アゼン。私に計画がある」
今にも、暴れ出しそうなアゼンに落ち着いたトーンでギザランが言う。
「人間のエリア、主要エリアにそれぞれに奇襲をかける」
「まずは人間の戦力を減らすってわけだな」
エザクトはそう言った。
「そうだ……そして、人間を黙らせ、我ら魔人が平和に暮らせる世を作るのだ!」
どうやら大変なことになりそうだ。
「俺はラコンを殺した勇者をぶっ殺しに行くぜ」
アゼンは、立ち上がり言った。
「待て、勝手な行動は許さんぞ」
ギザランがアゼンを睨んで言った。
「ア?そもそもテメーがチンタラしてるから、ラコンが殺されたんだろうが」
「すまない、ここ最近魔族と人間での争いは無かった。人間側が先に仕掛けてくるとは思わなかったのだ。」
「先も見れない老耄の指示なんて聞けるかよ」
アゼンはそのまま会議室を出てしまった。
「ギザラン様よ、彼は自由にやらせときましょう。ああいうやつは好きに暴れてくれるので、かえって扱いがいいと思いませんか?」
ボゾナゾがベアトリクスに言った。
「フム…だかなぁ…」
ギサランは困ったようだった。
「しかし、勇者は厄介だな」
サカムネが言った。
「そんなん、私がちゃちゃと殺してあげるわよ」
お菓子を食べながらニーナが言った。
「過小評価は危険だ。身を滅ぼす。過大評価しろ。それともお相手様の力量もわらない馬鹿なのか?小娘よ……」
クラキが、コーヒーを啜りながらニーナに煽るように言う。
「だ、誰が、………小娘ですって!あんた、クラキとか言ったかしら?私をあんまり怒らせないようにした方がいいわよ?でなきゃ、あんた殺しちゃうわ」
「フッ」
クラキは鼻で笑った。
「俺は忠告をしてあげたんだ。なのになぜ俺は、お前から反感を買っている?逆に忠告をしてくれた恩人ではないのか、俺は?恩を売った相手に殺害宣言されるのか?不愉快だ、殺したければ殺せばいい、殺せればの話だかな…それと、お菓子を食いすぎると太るぞ、あと虫歯にもなる…デブになりたいんだったら何も言わないがな」
「グッ……うぅ」
ニーナはクラキに圧倒された。
「やめとおけ、ニーナ。そいつに言葉遊びで勝るのは無理だ。かえってストレスになるだけだ」
エザクトが呆れ気味にニーナに言った。
「お前たちその辺でいいか」
ギザランが呆れたように呼びかける。
「詳しい作戦はのちに連絡する。今日はこれから始まる争いについての覚悟を持ってもらいたかったのだ、そして、皆のことを魔王として戦う覚悟を持ってると、捉える。皆幸運を祈るでは解散しよう」
ああ、とんでもないことに巻き込まれてしまったらしい。
◇◆◇◇◆◇
僕達は自分の城に、戻った。
「お疲れ様でした。ついに人間との戦いが始まるのですね」
ネインは僕のそばに立って言った。
「人間と魔人って何が違うの?見た目はほぼ同じじゃない?」
「と、とんでもねーことを言うな!俺らをあんな下等種族と一緒にしねーでくれよ」
アルネネが怒って言った。
「でもなぁ、違いがよくわからないや」
「私が解説をしてあげます」
フカシギが、ホワイトボートを持ってきた。
「まず魔人には、人型と化型の2種類に分類されます。化型はデーモン様のように人間とは異なる姿をしています。人型はその名のとうり人間とほぼ見た目は一緒です。ただ異なる部分もあります。それは、耳の形や目の色、そして何よりも魔力の質と量が異なります」
フカシギは僕に分かりやすく解説してくれた。
確かに、耳の形もとんがっている。
なるほど、ほぼほぼ同じことはわかった。
「ラコン様が殺されたのは悲しいことでしたね……」
エネメシアが話を切り替えた。
「人間を滅ぼせば我々魔人がこの世を支配できるのです」
僕は人間を滅ぼせるのか……いや、無理に決まってる。だった僕は元人間だ、しかし今は魔王であり魔人という立場だ。どちら側につくか………。
人間も殺したくないし、魔人もできれば殺したくはない。
どうすればいい?
「邪魔するぜ」
そう言って急に入ってきたのは、アゼンだった。
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