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インダス文字(3.ヨガ行者ほか)

掲載日:2024/05/04

5/6  末尾の「最大文字数の印章」を全面改訂。テーマも完全に変わり、お恥ずかしい次第です。


2/06 冒頭の印章(2):「(ウ)左側」に登場する「三呼」に対応して、3回繰り返して読んだら、意味が通じた。

12/25  冒頭近くの(印章3)「舞うトラ」を改訂。

12月22日 「ヨガ行者」(大きな賭けと大きな錯覚)で、(6)以降を整理。

12月21日、「ヨガ行者」(大きな賭けと大きな錯覚)で、「読み換え」を大幅に改訂しました。年の瀬で、干支が「丑」から「寅」に変わる事をテーマにした印章と見らる。

9月24日、「ヨガ行者」の印章に着目。記号に番号を付し、また、2つの記号に含まれる三角形を、YAMAと読み換えた。

6月26日、「男を挟む、2頭のトラ」の印章につき、解読した内容を大幅に手直し。

 以下の印章は、菊池徹夫編「文字の考古学 I」(同成社。2003年)に掲載されたものである。(179頁の印章3「北のタコ」は、インダス文字(2)に掲載した)


(178頁、図60)


(印章2)「双子誕生」


 印章の上下及び左側に、回転させながら読む様に文字が刻んである。A.パルポラ(第1巻:インド)の、H-103a 。


(ア)上部


 左端は、U/USENI。その右隣は、中央の縞も数え、MI-NI。右から2番目の熊手記号は、6本の指を、3×2あるいは3+3と数え、SANNISITE/ TESANZANI。


(左から右へ)U MINI TA SANNISITE MISE

 う みに た さんに して みせ


(右から左へ)SEME  TESANZANI TA MINI USENI

 せめで さんざん いた みに うせに。


 繋げれば「お産で、多産したら、攻められて、さんざん痛みましたが、それも消えたので」。


(イ)下部


 印章の写真を上下逆にして読む。人型の記号は、TO。


(左から右へ)RYO I TO SI (りょ いとし)                                                                         (折り返して、右から左へ)TO SI RYO (としりょ)


 繋げれば「良い年、と思慮」。あるいは「りょいとし」を「両方愛しい」とすれば、双子誕生の表現となり、この文字列は、母親の両脇に赤子の寝る姿を描いた漫画に見える。


(ウ)左側


 印章の写真の左側を上にする。左端の記号KOには、左側に2~3、曖昧な本数の横棒があるので、適宜読み加える。その右隣の、縦棒3本の記号は、SU-DI。


(左から右へ)NISAN-KO (と)DI TIMI (にいさん、ことじちみ)


(折り返して、右から左へ) SAN/NII KO (さんこ/ にいこ)」。


 繋げれば「兄さん、コート・ディジーを見に行こう、産後/三呼」。末尾の「三呼」を受け、「にいさん、ことじちみ」を3回、繰り返せば「兄さん、コート・ディジー見にい、産後、子と爺、君に遺産。コート・ディジー見!」と読める。


(エ)まとめ


 以上、合わせれば「お産で、多産したら、攻められて、さんざん痛みましたが、それも消えたので、愛しい双子誕生の、良い年です。兄さん、産後、コート・ディジー見物へ行きましょう。子と爺、君に遺産、コート・ディジー見物!」。

 コート・ディジーは、古都。礼拝の施設があり、安産後のお礼参りの意味があったのかも知れない。下部のRYOの記号が、両脇に双子を寝かせた母親の漫画になっている。



(印章3)「舞うトラ」


 パルポラ(第1巻:インド)から、H-94A。左向くトラが登場するが、足が5本あり、足の位置が定まらない様子を表す漫画と見られる。上部に記号が、2つ。


(1)単純な解読


 右側の「男」記号は、OTO。左側の「目」の記号は二重なので、MEMA。その右肩から、隣の「男」記号まで伸びる斜め棒を、Iと読む。すると次の通り。


(右から左へ)OTO MEMAI (おと めまい)。


 これを2回繰り返して繋げ、解釈すれば、トラの様子から「乙女、舞い。おっと、めまい」。

 すると足の定まらない「トラ」は、他の印章のトラと同様に「酔っ払い」と考えられる。

 古代ローマでは、円形劇場のイベントで使う豹などの動物を捕獲し、扱いやすくするため、ワインを飲ませたとの記述があり(大プリニウス「博物誌」)、酔っぱらいのトラが本当にいたのかも知れない。文字列を漫画と捉えると、猛獣使いがトラを操り、的に向かわせている姿に見える。

 なお古代インドのヴェーダ教の儀式で吟ずる言葉は、マントラと呼ばれる。


(2)精密な解読


(ア)音価


 左側(二重の目記号):MENI。あるいは片方を菱形WOと見做し、WOTOME。

 左右の記号の間の斜め棒:I/YA/SI/NO/E。

 右側(男記号):TO/OTO/OTOKO/TOKO。


(イ)右から左へ


 OTOKO YA MINI (男、闇に)

 TOKO NO MINI (床の、見に)

 TOKO YA MEWOTO (床、やめ、おっと)

 OTOKO SI NIMI   (男、死に身)

 

(ウ)左から右へ


 MENI SI OTOKO  (目にし、男)

 WOTOME YA TO (乙女や、と)

 MEWOTO E OTOKO   (夫婦へ、男)

 NIME YA OTOKO (逃げや、男)


(エ)読み換え


 左側(二重の目記号):二重のWOと見做し、WONIと読み換える。


(左から右へ)


 WONI YA TO (鬼や、と)


(3)まとめ


 以上を合わせれば、次の通り。


「乙女、舞い。おっと、めまい」。

「乙女や」と目にし男、闇に、床の、見に。夫婦へ、男。「 床、やめ、おっと、鬼や」と。逃げや、男、死に身。


 トラのイメージの男は、酔っぱらいであり、間違って、鬼の床に忍び込んだのだろう。



(179頁、図61)


(印章1)「ヨガ行者」(大きな賭けと大きな錯覚)


「Indus Seals and Glyptic Studies: An Overview, Harappa」で検索可能。 A.パルポラ(第1巻:インド)から、M-304A。右下の角が大きく三角形に破損。


(1)漫画


 中央の台でヨガ座りする高齢の人物。周囲を多様な動物がとり囲んでいる。彼は毛のマントをまとい、頭に牛の角の様な装飾がある。写真で確認すると、顔が左右、真正面と同時に3方向を向いている。また左右の肩、肘、手首からトゲ状の物が上下に突き出ており、腕輪と見られる。この様な座り方、マント、腕輪及び頭の装飾は、2000~2001年の「世界4大文明 インダス文明展」図録の印章(336)と共通性があり、首長や国王あるいは神だろう。(牛の角の「冠」はミノア文明の奉献の角か)彼は酩酊状態とも見られ、トラが飛びかかろうとし、他の動物も彼に向っている。


(2)文字列


 上部に並ぶ6つの記号に、左から右へ、①から⑥までの番号を付せば、次の通り。


 ①「男」の記号:(OTO/OTOKO/TO) + NO/SI/E。

 ② 兜形の記号: SAMA/SAMU。

 ③ 飾りの大きな兜:SAMARU/SAMURYU。

 ④ 座る人物の頭上:U-(NI/RA)。

 ⑤ 「魚」記号:TA/(ME-SIYA)。

 ⑥ 細長く、V形に描かれた「牛」記号:U-YASE。


(3)解読


(左から右へ)


 OTONO SAMA MASARYU/SARYUMA U-(NI/RA) TA/(ME-SIYA) U-YASE

 おとの さま まさる/さるま にう たうせや

 お殿様、優るゆえに/去る間に 歌うぜや


 中央の人物が年配の殿様であり、周囲の動物たちが、彼を讃えて歌う姿だろう。


(右から左へ)


 U-YASE TA/(ME-SIYA) U-(NI/RA) SAMURYU SAMA TOE

 うせや めしや うら さむる  さま とえ

「失せや、飯や」。裏、寒い/迫る様 へと/と絵


(4)読み換え


「男」の記号①を、E-TOとして、左から右へ読めば、次の通り。


(左から右へ)


 ETO SAMA SARYUMA U-(NI/RA) TA/(ME-SIYA) U-YASE

 えと さま さるま にう たうせや

 干支様、去る間に 歌う瀬や


(5)まとめ


 合わせて解釈すれば「お殿様、優るゆえに、歌うぜや。『失せや、飯や』。裏寒い/迫る様と、その絵。干支様、去る間に 歌う瀬や」。

 年の瀬に、動物たちが、中央の殿様を称賛する中で、隙を窺い、彼を襲って食うつもりであり、首謀者はトラ。殿様は、頭飾りから「丑」であり、新しい年「寅」に食われようとしているに違いない。

 因みに、②の記号「さま」に着目すれば、「男」記号①を襲い、刺そうとしている模様である。


(6)星座の神話


 酔っ払いの振りをしたトラが「殿様」を倒し、換わって中央に座るとの下剋上神話である。「殿様」を中心とする動物の配置に関し、下のウサギ、左手のサイ(一角獣)等に着目すれば、冬の南の夜空の、オリオン座周辺の星座と酷似する。要するに「殿様」をオリオン座とすれば、すぐ下にウサギ座、左手に一角獣座があるからである。ウサギ座の左の「台」は、大イヌ座だろう。「殿様」は、オリオン座の位置にいたが、トラに襲われ、場所を交換して、おうし座となるのだろう。


(7)12支


 12支は、元々、星座から考案されたと考えられるが「ヨガ行者」の印章も、その由来と関係があろう。ヨガ行者の頭上の記号は、北極星を中心に天空を旋回させる、逆さの「北のタコ」の漫画を兼ねており「子」だろう。「殿様」を牛とすれば、丑、寅、卯の連なりとなり、12支の動物と一致する。

 因みに、オリオンの胴体部分をトラの頭と見做せば、口を大きく開けて吠える姿となり、喉の奥にベルトの3連星が見える。


(注)「子、丑、寅」と「1,2,3」


 子、丑、寅に関しては、字源となる線文字A/ キプロス音節文字の発音が、次の通り古典ギリシャ語、ラテン語の1,2,3と符合する。


 12支  古代文字       古典ギリシャ語   ラテン語   

 子     NE(線文字A)    εϊς(ヘイス)    UNUS    

 丑     DU(線文字A)    ςΰο(デュオ)   DUO

 寅   TO+RA(キプロス音節文字) τρείς(トレイス)  TRES


「子」は北極星なので固有性があり、「丑」には角が2本。「寅」をオリオン座と解釈すれば、ベルトの3連星から、3との繋がりが明白である。(中国の28宿ではオリオン座を3の意味で「参」と称していた由)



(印章4)「男を挟む、二頭のトラ」


 A.パルポラ(第1巻:インド)、M-308a。これは印影であり「Deity Fighting off Two Tigers on Seal」で検索すると「Harappa.com」のサイトに、印章M-308Aが登場する。

 中央に男が一人、その左右にトラが一頭ずつ彫られている。二匹のトラは後ろ足で立ち、男は、左側のトラを見ながら、両者の頭を撫でている。テンション低く、一見、和やかな場面。以下では、印影M-308aを基準とする。


(ア)音価


 上部の記号に、左から右へ、①から⑤までの番号を付せば、次の通り。


 ① 左端の「木」の記号:KI/KO。上部の⊿をYAMAとすれば、YAMA-(I/YA/SI/NO)。


 ② 「魚」の記号:TA。あるいは(ME/MA)-4(I/YA/SI/NO)。更に、SAKANA。


 ③ 縦棒2本:2(I/YA/SI/NO)/RA。あるいは、HASI。


 ④ 「Y」の字の上部左右の「枝」から、短い支線:


 〇「猫の頭」記号の省略形と見做せば、MA。


 〇上部の「U」型をWA、下部の支えをI/YA/SI/NO。左右の「枝」から突き出た支線をNI/RAとすれば、WA- (I/YA/SI/NO)-(NI/RA)。


 〇記号③の右側の縦棒と合体させれば、MU。


 ⑤右端。3段の梯子:NU/ NISAN。「橋」記号に、横棒3本とすれば、HASI-(SA/MI)。 更に、3本歯の櫛記号+縦棒とすれば、KU-(SA/MI)-(I/YA/SI/NO)。


(イ)解読


(右⇒左)


 NU/ NISAN/ [HASI-(SA/MI)] / [KU-(SA/MI)-(I/YA/SI/NO)]

 MA/MU/[WA- (I/YA/SI/NO)-(NI/RA)]  2(I/YA/SI/NO)/RA/HASI

 TA/ SAKANA /[(ME/MA)-4(I/YA/SI/NO)]  KI/KO/ [YAMA-(I/YA/SI/NO)]


 〇 NISAN  WASIRA NI TA YAMAI

 兄さん ワシら、似た病。


 〇 NISAN  WASIRA II NAKASA/(ME-ISIYANO)  IMAYA

 兄さん ワシら、良い仲さ。名士やの/飯やの、今や。


 〇 SAMI-SIHA WASIRA YAI YASINO-ME/MA-NO YAMA-SI

  「寂しいは」。ワシらや、癒しの目の、山師。


(左⇒右)


 KI/KO/ [YAMA-(I/YA/SI/NO)]  TA/ SAKANA /[(ME/MA)-4(I/YA/SI/NO)]

 2(I/YA/SI/NO)/RA/HASI  MA/MU/[WA- (I/YA/SI/NO)-(NI/RA)]

 NU/ NISAN/ [HASI-(SA/MI)] / [KU-(SA/MI)-(I/YA/SI/NO)]


 〇 YAMASI IYASIIME IYA WASIRA NISAN/(SAMI-SIHA)

  山師、卑しい目。いや、ワシら、兄さん/寂しいわ/くさい。


 〇 KO SAKANA HASI WAINI NISAN/HASAMISI

  子魚、味わいに、兄さん、挟みし。


 〇 KI TA RA MU KUSAI

  来たら、ム、くさい。


 〇 KI TA IYA MA NU

 期待やまぬ。


(ウ)読み換え


 記号⑤(右端):「梯子」の形状に従い、HASIGOとする。


 記号④:「Y」の字を、同じ形状の線文字Aの記号(AB31)と同様に、SA。左右の「枝」から伸びる支線をKEとし、SAKEと読み換える。


 記号②:「魚」記号の中に、余計な支線があると見做し、TA-(I/YA/SI/NO)。


(右から左へ)


 HASIGO  SAKE NI SITA KI/YAMAI

 梯子酒にしたき病。


(エ)まとめ


 以上を合わせば、次の通り。


 兄さん、ワシら、似た病。「寂しいわ」。ワシらや、癒しの目の、山師。兄さん ワシら、良い仲さ。名士やの/飯やの、今や。

 山師、卑しい目。いや、兄さん、ワシら、寂しいわ。来たら、ム、くさい。子魚、味わいに、兄さん、挟みし。期待やまぬ。梯子酒にしたき病。


 2匹のトラは、酔っ払いの山師であり、男に「寂しい」と言って近寄り、酒の二次会に誘い、だまして食おうとしている。男は「酒臭い」との反応。男の顔に向かって、左側のトラの息がかかり、その口から飛んだ粒が、宙に浮いている。

 古代メソポタミアから、2頭のライオンの中央に立つ男のデザインが知られており、その風刺と見られる。トラは、酔っ払いの象徴である。



(187頁、図66)「最大文字数の印章」


 A.パルポラ(第1巻:インド)、M-314a。これは印影で、印章はM-314A。四角い印章で、文字だけが3行、刻まれている。近藤英夫「インダスの考古学」(同成社。2011年)にも、99頁の図37に掲載。今のところ、最大文字数の印章として知られる。以下、印影M-314aを基準に分析する。


(1)上段


(ア)音価


 各記号に、左から右へ番号を付せば、次の通り。


 ① 左端の「木」の記号:KI/KO/YAMAI。

 ② 「魚」記号の胴体に縦線:TA-(I/YA/SI/NO)=TA-α。

 ③「魚」記号の上部、左右に上向きの支線:WA/WATA。

 ④ 「魚」記号の上部に「へ」の字:RI。

 ⑤ 上部に2本の短い縦線:NI/RA。

 ⑥ KAの記号をラグビーボール状に変形させたもの:KA/TUKINI。


(イ)解読


(右から左へ)


 KA/TUKINI NI/RA RI WA/WATA TA-α KI/KO/YAMAI

(⑥⇒④⇒⑤)仮に 私、病


(左から右へ)


 KI/KO/YAMAI TA-α WA/WATA RI NI/RA KA/TUKINI

 来し、渡りに着きに    


 以上から、「仮に 私、病来し、渡りに着きに?」。ここで「渡り」とは、三途の河の渡りだろう。


(2)中段


(ア)音価


 各記号に、左から右へ番号を付せば、次の通り。


 ① 左端の「牛」記号:U/USENI。

 ② 「牛」記号の上部左右が変形:U-(RE/MITE)。

 ③ V形の中に針:MITI。

 ④ 鏃の四方(上下左右)に2本の短い縦棒:(YO/SI)-(NI/RA)-ZO。


(イ)解読


(右から左へ)


(YO/SI)-(NI/RA)-ZO MITI U-(RE/MITE) U/USENI

 世にぞ/知らんぞ/死にぞ 道 憂う。


(左から右へ)


 U/USENI U-(RE/MITE) MITI (YO/SI)-(NI/RA)-ZO

 失せに。産みて 君 死にぞ/知らんぞ。   


 以上から「知らんぞ、と道憂う」。「失せに。産みて君、死にぞ」。


(3)下段


(ア)音価


 各記号に、左から右へ番号を付せば、次の通り。


 ① 左端の記号:モグラと見て、MOGURA。

 ② MASUME。

 ③ MITE/RE。

 ④ 「男」記号:O/TO/OTO。

 ⑤ TUKI。

 ⑥ 七夕の「吹き流し」の様な記号:頂部に〇、上部に3本、下部に3~4本の平行線と見て、

         WO-(SA/MI)-ORE-(SA/MI)/(SI/YO)。

 ⑦ MA/ME/MI。

 ⑧ 右端の縦棒3本:SA。


(イ)解読


(右から左へ)


 SA MA/ME/MI  WO-(SA/MI)-ORE-(SA/MI)/(SI/YO)   TUKI   O/TO/OTO

 MITE/RE MASUME MOGURA

 寂しい俺さ、ウォー、月を見て、娘。真っ暗。


(左から右へ)


 MOGURA MASUME MITE  TO  TUKI  WO-(SA/MI)-ORE-(SA/MI)/(SI/YO)

 MA/ME/MI SA

 真っ暗。娘、見てと、月を。寂しい夜、俺、寒いさ/身、折れ、資産見るさ。


 以上から「寂しい俺さ、『ウォー』、『月を見て、娘』。真っ暗。「娘、見て」と月を。寂しい夜、俺、寒いさ。身、折れ、資産見るさ」。


(4)まとめ


 以上を合わせれば、次の通り。


「仮に私、病来し、渡りに着きに?」。「知らんぞ」と道憂う。失せに。産みて君、死にぞ。寂しい俺さ、「ウォー!」。「月を見て、娘」。真っ暗。寂しい夜、俺、寒いさ。身、折れ、資産見るさ。

 産後、病に陥った嫁と旦那のやり取り。その嫁が亡くなり、生まれた娘と二人、寂しく月を見ながら、感慨にふける話である。

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