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93話 そんなわけあるか!

 楽しい夕食も終えて、部屋に戻る。


 部屋のドアノブに大きな袋が掛けてあり、中身は毛布だった。


 あーっ、そうだったな……どうしよっかな? ベッド。


 セミダブルくらいの大きさのベッドだけど、二人で寝るには、ちと狭いかな。えっちなことせずに、しっかり睡眠取ろうとなるとなぁ……。そもそも、どきどきして寝られるとも思えないんだけど。


 スプライトさんの方をちらちら見ても、特に反応はなし。


「今日は朝から一日中動きまわったから、少し疲れたんじゃないか?」


「楽しかったぁ。いろいろあったね……うふふ」


 あんまり疲れてないみたいですね。スプライトさん。若いからかなぁ? あれっ、スプライトっていくつだ? いかんいかん。


 なんか落ち着かんなぁ。身体の至るところがなんだか無性にむずがゆくなってきた。


 気が付けば、意味もなく、指を組んだり、手のひらをさすったり……スプライトも何もしゃべらなくなっちゃったし。


 なんか話すことなかったっけかな? そうだ! そういえば、服は着替えさせたけど、こいつって、ノーブラのまんまだった。


 もう寝るんだし、いいか? いや、それだと明日もノーブラで外を歩かせることになっちまうか。それも嫌だなぁ。


 ユタンちゃんに相談して作ってもらおう。


「なあ、スプライト。服の次は下着な……って、そういえば、ノーパンでもあるのかぁ。はぁ~」


 でも、ちょうどいいな。むしろ……上下セットの方が、かわいさが増すし。


 それでは、俺好みに下着のデザイン画を書いてみるかな。


 絵は苦手なんだけど……うん、簡単なデザインしか書けそうにないけど、取り急ぎだから、よしとしよう。


 パンティーは左右両サイドをリボンひもで結ぶやつ……あれなら簡単そうだし、好みだ。大人スプライトにはばっちし似合うだろう。脱がしやすいしな……いや、その……脱ぎやすくていいでしょ? ってことだよ。


 ブラジャーは、どうやって立体成形にするんだろ? 絵を描いてユタンちゃんに口で説明してみよう。


「ユタンちゃん、お願いがあるんだけど、ちょっといいかな? 後、スプライトも」


 相談してみたら、二人とも興味をもってくれたみたい。ああだこうだ言いつつ、作り出したら、ユタンちゃんが試作品をあっという間に作り上げていた。


 いよいよ試着ですよ。お手伝いいる? いらない!


「お父さん、る? 『らない!』って」……さては、おまえ等、とうちゃんを捨てちゃう派だな。


「スプライトさん、無理しなくていいんだよ。難しそうだったら、すぐに言ってね。手伝うから……」


「ありがとう。でも、うん。大丈夫そう」


 くそう! 大丈夫じゃねえよ。失敗しろよ。ここは……あっ、これは……すごいかも……後ろから見てるだけでも……むしろ、こっちの方がじっくり見れるし、むらむらする……はぁ~ん、すんばらしい景色……。


 ありがとう。神様……なんか俺、頑張れそうな気がしてきた!


 相変わらず、相棒の方は、うんともすんとも言わねえ哀棒あいぼうだけど……贅沢ぜいたくは言っちゃいけないしな。


 この後、一緒のベッドに寝れる可能性もまだあるし……別途べっとになる可能性の方が高いけど。


 今の俺って、相当バカに見えるだろうけど、この状況でバカにならない男なんて、そもそもいないからね。


「……はあ、きれい……あっ、ごめん! つい」


「……」


「きれい」


 おぉ、ユタンちゃんもそう思うだろう! うん、すんげぇーっいいよな!! その下着。きれいとしか言いようがないもん、見惚みとれるしか。はあ~っ……。


 なんだろ!? これって? ユタンちゃんの美的超感覚とスプライトさんの超絶ちょうぜつ容姿ようし端麗たんれいによるコラボ的な化学反応か?!


 なんか神が降臨してくる予兆にでもなるんじゃないの?


 はあ、ありがたや、ありがたや……あぁ、神がお隠れに……。


「えへへ、ベッドで寝るのって、初めて……」


 あぁ、やっぱり……俺は床でしょうね。きれいな人と同じベッドは無理だものね。せめて床の比較的きれいな部分は、っと……やっぱ窓際の辺りがまだましかな。うんだば、毛布を持って移動……。


「なんで!? 毛布持って、どこ行く気? そっちは窓しかないよ。飛び降りるの?」


 えっ、しどい! 部屋から出ていけってこと!? じゃないよね?


「えっと、窓際の床で寝ようと思ったんだけど……」


「なんで?! そこで寝るのって、このベッドよりもいいの?」


「そんなわけあるか!」


「じゃあ、なんでよ?! あたしと一緒じゃ嫌なの?」


 えっ! いいんですか? それで。


「いいのかよ?」


「嫌なの?」


「そんなわけあるか!」


 おっほっほう、気が変わらないうちに、さっさとしよう……いや、なにもしませんよ、移動するだけだって。


 だから、なにもナニじゃないんだって。


 それにしても、なんか恥ずかしいな、これ。


 ちょっと狭いから、できるだけ端に寄ってやらないとな。


 スプライトも、ちゃんと布団掛けたな。


「それじゃ、明かり消して、寝るぞ」


「うん」


 はぁ、スプライトの体温感じるなぁ。ちけぇえ。あっ、寝返り打っちゃったか?


 まあ、それぞれ反対側向いた方が落ち着いて寝れるもんな。


 でも、なんかさっきより近い気がするな。あれ!? 背中触れてないか? 柔らけぇ……なんだこの感触……背中同士で触れ合ってるだけで、これほどなのかよ……手のひらでででもしたら……いったいどれほど?!


 なんだか、興奮しすぎて、疲れちまったな。


 今夜はいい夢見られるといいな。


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