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19話 神様のいたずらか?

 ふぅ~っ、それでは発表します。では……。


 同伴契約にまで至った妖精さんは、おおよそ人族と同じような見た目に変化するそうなのだが、ただし、耳……耳だけは妖精の個性に応じた独特の特徴が現れるんだって!


 しかも、元の妖精の姿とは全く関係のないけものの耳……ふっさふさのケモミミがっ!!


 神様のいたずらか?


 とはいえ、同伴契約はかなり珍しく、周囲からも大変驚かれるみたいだ。


 ただし、物語の中でも伝説上の【獣人族】・【耳族】として語られているため、世間的にも結構認知されており、その人気は絶大なようだ。


 当然と言えよう!


 まさか、ものほんのケモミミが存在する世界にやってこれるとは……神様、感謝いたします。


 はぁ~っ、早く会えないかなぁ……あれっ!? でも、この場合って、どこかで見かけたとしても……モフらせてくれないんじゃ? 自分で契約しないと、ダメなんじゃ!? ……信頼してもらえないと……。


 くっ、上手くいくヴィジョンが浮かばねぇ。


 はあ、仕方ない。レイノーヤさんに呆れられる前に、そろそろ正気に戻るとするか。


 えっと、……なんの話でしたっけ?


 そうそう、妖精さんとの魔法契約の話ね。


 通常であれば、魔法契約すると、妖精が司る元素属性に関する魔術の適性が上がるらしい。


 おっと、ここで出てきたよく似た用語──魔法と魔術には違いがある。


 どうやら妖精などの上位存在が扱う神秘的な秘法を【魔法】と呼び、それを人系の種族が扱えるように疑似的に模倣もほうしたものが【魔術】と呼ばれているようだ。


 話がれたので戻すと──レイノーヤさんのように風妖精シルフと契約している状態を【風妖精の加護】と言い、その契約者は【加護持ち】とも呼ばれる。


 自分の魔素だけで風属性の魔術を使えていた人は、妖精側から更に強力な風属性の魔力が流れ込んでくることによって、より強力な風魔法が使えるようになるそうだ。


 そう、魔術から魔法へ。


 また、風属性の魔力を帯びることで、風魔術に対する耐性も増す。


 それだけでなく、四元素は相克関係、すなわち火>風>土>水>火の順で、互いに得手不得手の関係にある。


 たとえば、風は土に強く、火には弱いといった具合だ。


 つまり、風妖精の加護を得ると、土魔術に対する耐性も付与されるというわけ。


 その反面、火魔術に対する耐性が下がってしまうのが難点だ。


 しかも、これが元々、土魔術も使える人の場合だと、風属性の魔力を帯びることによって、土魔術の発現が弱まり、それまで使えていたものも使えなくなる可能性すらあるようだ。


 ただし、実際には風妖精と契約できる者は、風属性に優れ、土属性の適性に乏しいことが普通らしく、それほど心配することでもないようだが。


 最後に、もう一つまぎらわしいのが、【魔素】と【魔力】だ。


 人族などの体内にある属性のない魔術・魔法の源となる燃料的な物質が【魔素】というもののイメージみたいなのだ。


 この魔素を燃料として、魔法陣や魔法回路を介して、魔素を状態変化させ、属性化したものが【魔力】のイメージとでも言ったらいいのだろうか? たぶん。


 ──と、ここまでの話で今日の講義は御開きとなった。


 それにしても、この異世界が地球のファンタジー物との間に、ほぼ齟齬そごが生じてなくて、本当に助かる。


 これには何かわけが有るのか、無いのか……。


 部屋に戻ってからも、その日にあったことを振り返って反芻はんすうしている。


 いつもどおり、らちが明かないことばかり、頭に浮かんでは消えて、いつの間にか一日が終っていた。


 今日の昼も暑かった。夜も日増しに寝苦しさを増してくる感じだ。


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