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132話 まんまド△だな……

 昼から気を失っていたとはいえ、昨日の朝食後から何も口にしていない。さすがに腹が減った。


 いや、そもそもが意識を無くすほど、魔素を使い果たしたわけだから、エネルギー的な消費も馬鹿にならないのだろう。


 これがラノベの異世界転生ものなら、一挙に魔力倍増ってな感じになるのだろうが、現実はそうそう上手くもいくまい。


 まあ、それにしたって、俺の仕事は精霊の調査が最優先事項だ。


 今は戦いなんて二の次なのだから、魔素の容量不足とか、魔法の強度不足なんかを感じる機会がそもそも無かったんだ。


 昨日は特別で……スプライトの心を鷲掴わしづかみにするため、風呂場の細部にまでとことんこだわり尽くした造りにしたためであってだなぁ。


 一度っきりの使い捨てにもかかわらず……んっ!? 使い……捨て?


 まじか! こんなにも苦労したのに、使い捨てなんて、もったいない!!


 はあ、でもなぁ……これを移設するのも結構大変そうだ。そもそも、これから向かうエピスコの周辺に、空き地があるかどうかもわからんしな。


 でも、あれか! ……なんなら地中に埋めて使えばいいんじゃね!? 採光なんて光魔法でどうとでもなるわけだし、換気だって風魔法があるから、全くもって問題ない。


 決定かな……うん、決定だな。よしっ、決めた! 持って行こうじゃないの。


 まずは軽量化の専門家に相談して、お知恵を拝借し、手伝ってもらおう。


「なあ、スプライト、この風呂な……もうたぶん二度と造るのは無理かもしれない」


「えぇぇーっ、じゃあ、もうお風呂入れないの? ほんとにこれっきり?」


「そこで、ものは相談だが、これを浮かして運ぶことはできるよな? 俺とおまえの力を合わせれば、あの街まで……あの遠くに見える壁がある近くまで運べないだろうか? そうすれば、後は俺がなんとかするから」


「これって、土の下にも結構埋まってるのよね? どの程度の深さ?」


「地上に見えてる部分とほぼ同じくらいの深さだ。でも、地中部はぎっしり隙間なく詰まってるから……ちょっと待っててな。えっと……体積的には地上部の大体2.4倍くらいになるのか? へえ、そんなもんか、計算してみねえとわからんもんだな。重さも同じ比率だから」


「これの約2.4倍ね。そのくらいなら、まあ、できなくはないんじゃない? 二人なら、なんとか」


 そうかぁ、できなくはないか……でも、楽勝とはいかないんだな。


 いや、なにもいっぺんに運べなくてもいいんだ……その都度、地面の中に埋めとけば。


 あの街にしばらくは滞在することになるだろうし、戻ってくれば……いや、それも面倒か。


 あまりにも進まなくて、何度も戻ってくるっていうのは勘弁してほしい。少しでも楽な方法を検討しないとな。


 う~ん、そうだなぁ……ホバークラフトみたいに圧縮空気で浮かせて運ぶってのは、どうだ?


 スカート付きにして、エアクッションをつくって、シェルターごと空中をわずかに浮き上がらせながら、運ぶ……ありかな。


 ははは、これで色が紫地に赤や黒辺りが入ってたら、まんまド△だな……丸いものしか造ってないのになぁ。


 そもそも、【歩いてくボックス】なんて、カラーリングを一歩間違えたら、それこそハ■になるとこだったじゃんか。今頃気がついたぁ……やっべっ!


 この世界へ次に迷い込んだ人から、パクったって、散々バカにされるとこだったよ。


 今度のは色付けしないようにしよ……どうせ、後で埋めちゃうわけだし。


 球体にスカートって、それはそれでオ▽QのP子さんみたいになっちゃうな。大丈夫なのか? これも。


 でも、基本的な形を組み合わせたに過ぎないわけだから、これは仕方ないかな? 意匠をとやかく言われたりすまい。仕方ないよな……うん、仕方ない。


 それじゃあ、まずはスカートを……と言っても、地上でシェルターが転がらずに支えられる程度には強度が必要だよな。


 そもそも、風呂型シェルターはあの重量だし、圧縮空気を真下に噴射するにしても、横方向にも相当な圧力がかかるはずだ。


 まあ、そもそもがその力を下方向へ変換するためのスカートだしな。それなりの強度が必要なのは当たり前か。


 俺の精霊魔法とスプライトの妖精魔法を併用できるから、ド△と違って、さすがに熱核ジェットエンジンを搭載しなくて済むところは助かるな。


 なにせ熱に強い金属を考える必要もないわけだから、軽くて丈夫な金属であることだけが条件だ。


 軽い金属と言ったら、マグネシウム、アルミニウム、チタン辺りだけど……。


 この辺は亜熱帯だし、そういえば、ここまで来る途中でも赤褐色せっかっしょくの土をよく見かけたな。熱帯土壌のラトソルか。


 こうした赤褐色土には、確かボーキサイトが形成されることが多いって、どっかのニュースで聞いたことあるな。なら、ここはアルミニウムが最適かな。


 アルミニウムは「電気の缶詰」と言われるほど、作るのに大量の電気を食う……けど、俺には関係ない。なんせ魔法があるからね。電気だって、風魔法で作り放題だもの。


 アルミ単体だと、強度不足になりそうだし、やっぱ、ここはアルミ合金のジュラルミンが候補か。


 それも超々ジュラルミンの方だな。強度と軽さの両方を満たす条件なら、アルミニウムにマグネシウムと亜鉛、銅を添加したこの合金がいいはずだ。


 よしっ! そうと決まれば、早速、抽出……形をイメージして……精製!! あっという間に出来上がり、っと。



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