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119話 またもや球体となってしまった

 そうだ! そんなことよりも、今の内に昨日考えてた防犯結界、もといシェルターを作るとしよう。


 夜は、なんといってもやっぱし安心して眠りたいからね。


 くまとか、クマとか、熊に襲われても大丈夫なくらいの安心安全なやつがいい。


 超頑丈なドームをぶっ立てて、その中に寝る方式だ。


 床下部分は特に部材を硬化させて、万が一にも魔物に食い破られないような造りにする。


 半分は地下に埋まってるけど、全体の造りとしては、【歩いてくボックス】と同様、またもや球体となってしまった。


 俺にはオリジナリティーってやつがねえのか? いや、機能性を追求すると、球体とか、六角形のハニカム構造とかになるのは仕方ないことだ。うん、俺のせいじゃねえ。


 一応、感知のテストも兼ねて、周囲に微弱な電流でも流しておくとするかね。


 こんなにも街道近くの野営で、魔物をほふれるような強力な電流を張るのは、さすがにやばい。人身事故が怖いから。


 あんまりにも頻繁に襲われるようだったら、そのとき考えればいいさ。


 それじゃあ、ぱぱっと──


 いいのかなぁ? こんなにも簡単で……。


 うん、でも、立派。ちゃんと頑丈そうだ。


 試しにスプライトに俺から魔素が流れないようにした状態で、目一杯の魔力を込めた風魔法攻撃をしてもらったのだけど、ドームの壁を撃ち抜くことはできなかった。


 ドームの中に入って確認したところ、何の変化もなく、安全がしっかりと保たれているようだ。


 なので、これを我が家の標準仕様とすることに決定した。


 最初は不満顔のスプライトだったが、「ふふふ、でも、これなら確かに安心して、ゆっくり中で過ごせるわね」と、納得顔になってくれた。


 その一言が耳に入り、ついついえっちな想像をしてしまう。


『ああ、確かにこれなら、中でなにをしても、わからないかもしれない』


 日が傾くに連れ、妖艶ようえんさを増していくスプライトの容姿を見ると、どうしてもな。


 けど、これに関して、俺は悪くない。だって、スプライトが色っぽすぎるのがいけない。うん、いけない子だ。いや、いけないのは俺の方だった。そもそも、いけないどころかたないわけだし……。


 まあ、それはともかく、いろいろな工夫も施してある。


 通風孔は、外から覗けないような造りにしたし、たとえ通気孔から水攻めされても、中が浸水しないよう外へ水を逃がす作りにしてある。


 光魔法があるので、屋内でも簡単に明かりが採れるし、外に寝るよりも、ずっと快適だ。


 これならユタンちゃんとも一緒に居られる。


 そうなんですよ。これまで何気に食事の時くらいしか、顔を合わせる機会がなかったんですよ。


 【歩いてくボックス】の中にいるユタンちゃんの方からは外が見えてるから、寂しそうにはしていない様子だったけれども……なんかそう考えたら、おじさんの方が寂しくなっちゃったの。なんだか無性に。


 教育上の問題として、ユタンちゃんの見ている前で、スプライトといちゃいちゃすることもできなくなっちゃうわけだけど……あぁ、どっちも捨てがたい。


 まあ、そもそもがユタンちゃんを一人で寝かすわけにもいかないのだから、三人仲良く中でという形に落ち着くわけさ。


 こうして【安心安全シェルタードーム】が日の目を見ることになった……と、後世で語られたとか、語られなかったとか……無かったんだなぁ、これが。


 さて、夕飯の用意でもするかなと思ったときに、【エルフの郷】を出発した当時のことが、ふと頭に浮かんだ。


 そういえば、一人で旅に出掛けるに際して、食料の類をいっさい持たずに飛び出してしまっていたのを今更ながら思い出した。


 あの後、アリエルと一緒になって、食べ物の心配をせずに済んだけど、下手すりゃあ……いや、下手しなくても、毒のある実とか食って、一人悶絶もんぜつしてたかもしれないなぁ。


 実際、アリエルが食ったと言ってた赤い実の種なんかにも毒があったらしいし。


 ほんとアリエル様々だな……うぅぅ、寒っ! なんだぁ?! 春の嵐か?!


 ……あれっ!? スプライトの周りに……冷ややかな旋風つむじかぜがいっぱい浮かんでる。


「スプライトォ、寒いよぉ! どったの?」


「ふん!」


 あいつ、なに怒ってんの? ……それにしても、怒っている表情のスプライトも、またなんとも、かわいいもんだなぁ。


 あぁ、そうかぁ! そういうことか。そうだよなぁ。床に直じゃ寒いよなぁ、やっぱり。


 ありがとな、スプライト。でも、そういうことはしっかり口で言ってくれないとぉ。おじさん、どうにも勘がにぶい方だからぁ。


「いやいや、わかってます、って。暖かみのある木の床がいいんでしょ?」


「いや、そうじゃなくて……」


 えっ!? 違うの? いや、皆まで言うな……わかった。今、わかっちゃいました。水魔法と火魔法を使った床暖房にして、温かくしろって言うんでしょ!? ふふふ、どうだ?


「もぉう、いい……」


 えっ、もう、いいの? これでいいの?! まだまだ要望があれば、他にもアイデア出すけど……これでいいの、本当に?



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