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111話 むふふ……眼福ですなぁ

 胸の辺りを摩っていて、思い出した! スプライトの装備のことだ。


 普段、町中では着る必要がなかった装備品を旅に際して身につけさせた。


 スプライトには、先日の実験で効果を確認した上で譲り渡した胴鎧とガントレット、それに加えて、防具屋で店主から安く譲り受けた薄緑色のマントと薄茶色の靴を装備してもらっている。


 特に今回、ご注目の商品がこちら! かのゼウス様もご愛用──アマルテイア種の山羊革を使った胴鎧【アイギス】です。


 こちらの商品、今はこんなごく普通の革鎧の見た目……ですが……なな、なんとぉ、あら不思議。


 このボタンを押すと……雄が喜ぶ、この見た目に早変わり。


 惜しむらくは、これが上半身だけなこと。くぅっ……。


 GAN*Zスーツの上半身のみ、半袖バージョン的な。まあ、男女兼用の品なので、そこは仕方ないか。


 町の門を出た後もしばらくは往来の人目が気になって、どうしてもこの形態への変化に踏み切れず、普通の革鎧のままにさせておいたんだ。


 もうとっくの昔に気になる人目が無くなっていたというのに、失念していた。


 はあ、やっとですよ、やっと。


 むふふ……眼福ですなぁ。


 裸とはまた違った趣。


 着用者の身体に合わせて、絞り上げた感が……チラリズムと同様、肉体の質感をほんのちょっとだけ隠した印象が、殊のほかエロさを強調すると言えば、わかってもらえるかな。


 要するにジャストフィット、つまりはボディーコンシャス、ボディコンなわけさ。


 スプライトが着ると、これがもう……た、たまらん!


 それに加えてのホットパンツなわけですよ、下が……ゴクリっと唾を飲まずにはいられない。


「旅なのにそんなホットパンツなんて穿いてぇ……ずっと気にはなってたけど……怪我とかしないように丈夫な旅装束を買ってやっただろう?」


「うん、でも……。肉体を持て余してるのよ。なんか身体が火照っちゃって……」


 まあ、なんてはしたないことを口になさるお嬢さんかしら!? エロすぎるやろ。


 とはいえ、確かにこの辺はまだ亜熱帯っぽいからな。そうなのかぁ……俺は水と風の結界で涼しいけど。


 スプライトなら風で涼むことぐらいできそうだけど、そこは言わない……だって、俺の楽しみが減っちゃうのは絶対に嫌だから……ごめんよ、スプライト。そして、ありがとう! いや、ごちそうさま。


 スプライトの脚をじろじろ見ながら、なんでこんな会話しているかと言えば、ユタンちゃんの装備の話が済んで、少し前からもうみんな歩き出して、旅を再開しているからだ。


 俺自体は【歩いてくボックス】の存在をすっかり忘れて、街道に置き忘れていたんだけど、いつの間にかユタンちゃんが回収し、さっき追い越していった。


 やっぱり、魔物が出た場所から早く離れたいという思いから、気が急いていたようだ。


 全体の行程でどの程度まで進んでいるのか、いまいち不明だから、できるだけ距離を稼いでおきたいというのもあるしね。


 それにしても、結構な速いペースで、進めてこれているんじゃないのかな?


 相変わらず、あんなにもユタンちゃんがあっちへころころ、こっちへごろごろしているというのに……。


 スプライトにしたって、身長は俺の方が高いのに……歩幅は一緒……。


 いや、負けてないから。大股になんて、これっぽっちもしていないから。


 普通さあ、女の子と横に並んで歩くとき、相手の歩幅が狭いからさりげなくゆっくり歩いてあげたり、歩幅を何気なく狭くして気遣っていたわけですよ、今までは……。


 それがなに!? 最近の子って……あれっ!? そうでもないのか! ……いやいや、そうじゃなくて、誰も年齢のことなんて問題にしてないでしょ!? 違うから。誤解だから。


 もう、なんの話かわかんなくなっちゃったじゃないか!


 えっと、そうですよ。スプライトの歩幅の話ですよ。


 この子ったら、長いこと長いこと……いや、大きいこと大きいことか。


 だから、歩幅の話だって! 誰もしゃぶりつきたいような脚だとか、揉みしだきたくなる胸だとかの話はしてないでしょうが……いやいや考えてませんよ。考えてませんって……どうして?! ……なんでわかるんだよ。


 くっそぉぅ! 今は隠し通せたと思ったのに……なぜだ? 視線でばれたのか?


 俺の周辺視野は広い方だから、焦点を合わせずに、なんとか目の端で我慢してたのに。


 くぅ、わざわざ【水反鏡】を使うわけにもいかないからな……そいつは覗きだから……犯罪だから……それになんか負けた気がすんだろ?! そんなのって。


 正々堂々と……でもないか。はぁ、馬鹿らしい。止めだ、止め。


 どうせ、この末路は虚しいだけだしな。


 いや、だからぁ……俺だって普段はこんなセクハラ親爺ではないんだってば! これでも必死なんだって!! 元気になりたいから、そこんとこ誤解しないように。


「えっ!? どこか具合が悪いの?」


「うっ……ううん、大丈夫……いや、元気っす。いやいや、本当に」


 だから、そういうことじゃないんだって、行軍のペースが速いからの、歩幅の話なんだって。別にえっちな眼で見てたわけじゃ……あれっ!? 見てたか……はい、見てました。すみません。そこは俺が悪かった。申し訳ない。


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