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短編シリーズ

【短編】つい婚約破棄と口を滑らせてしまった不器用王子の挽回劇

※落第聖女は二人の王子の偏愛に翻弄される ~言葉通り婚約破棄したのに 二人の王子が手放してくれません!~↓こちらはハインツ様ルートです。

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「信頼関係が築けないのなら、これを機に婚約破棄をするのもいいだろう」


 失態だ。

 どうしてあんな言葉が出てしまったのか。

 どうして俺は失態ばかりを繰り返すのだろう。

 どう足掻いても兄には敵わないように、諦めろということだろうか。


 生まれた時から何でも器用にこなし、人望もあった義理の兄ハインツ。

 唯一欠点があるとすれば自分よりも身分が低い母の血を受け継いでいるというぐらいだろうか。それすら妬ましくて、腹立たしくて、俺は玉座を得たいと貴族派閥と手を結んだ。


 王となるため勉強も剣術も礼儀作法も必死で覚えた。自分は天才ではないから。

 義兄(ハインツ)は何でもそつなくこなして、涼やかな顔をしていた。王位継承権も興味ないと言うようにあっさりと捨てて、その姿に腹立たしくもあったがどちらにしても一度でも義兄ハインツに対して優位に立てたことが嬉しかった。

 今思えばなんとも愚かで幼稚なことだったか。


 婚約者の話が持ち上がった頃、カロリーヌ公爵令嬢が妥当だという話が出たものの、貴族派閥がそれを容認しなかった。彼女は幼馴染みだが王族派閥の令嬢だったからだ。

 俺を支持してきたのは宰相含め貴族派閥が殆ど。

 水面下では暗殺者を送り合い、闇に消えていく貴族が増えてきた。


 この国は身分制度を貴重とし、実力に関係なく身分で上の位に就く者もいたがそういった人間に限って権力を笠に好き勝手する。そうあっては国などあっという間に腐敗していく。

 だからこそ水面下で身分関係ない才能と努力によって有能な人材こそが、この国に必要だった。その象徴とも呼べるべき少女が――聖女だった。


 聖女召喚。

 この国では五十から百年に一度、国を覆う邪気が厄災を(もたら)すのを防ぐため、異世界から少女を呼び出し浄化の儀式を執り行う。

 異世界から召喚した際にエネルギーの奔流が、邪気を一層していった。黒髪に、菫色の瞳、幼げな顔の彼女を一目見て惚れた。

 彼女の名はユズ・イチノハ。


 彼女は努力の人だった。

 聖女の勤めや王妃教育に至るまで一生懸命で、一人で自分の地位を一から築き上げるために努力を惜しまない。

 その姿を見る度に親近感も湧いて声をかけるが、今まで自分から声をかけたことがなかったので上手くいかないし、会話も少し固い。

 彼女は他の者のようにおべっかを使わないので、それは好ましかったが関係が良好かどうかと問われたらあまり良くはないだろう。


 水面下で部下が聖女と会わせないようにスケジュールを組むことも多々あった。

 それだけに限らず義兄(ハインツ)にまで、彼女のことを聞かれて「関係は良好だ」などと嘘をつく羽目に。この男も、ユズを狙っているのだろう。

 今まで王位や俺に興味が無かったというのに、何かと理由を付けてはユズと接点を持とうとする。


 ユズは今後の実力主義国家を作る上で必要な人材だ。

 彼女が隣にいることで血や身分だけではなく、努力次第で登用できると自信を持ってもらいたい。いやそれだけじゃなくて彼女には傍にいてほしい。

 王子としてでは無く、一人の男として彼女に見て貰いたい。


 そう思っていたのに――聖女の力の喪失。

 報告を聞いて足下が崩れ落ちる感覚に陥った。

 なにより彼女から真っ先に相談してほしかったのに、連絡一つ無かったのだ。様々な想定外のことによって苛立ちも増していた。


「ユズ、聖女の力を失ったと言うのは本当か?」

「はい……」


 それもあってパーティー会場で彼女を責めるように尋ねてしまった。「聖女の力を失ったとしても、君は私にとって特別だ、気にしなくて良い」と口にしようとした。

 そう口にしようとしたのに、


「なぜ婚約者である私に相談しなかった?」

「それは……」


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()。呪詛のように今までの苛立ちや鬱憤をすべて彼女にぶつけてしまう。

 違う、そうじゃない。


「聖女の力が失ったことを未来の夫に相談もない。これは私の婚約者としての自覚が欠けていると思わないか?」


 違う。なぜ彼女を責める?


「相談なら手紙を──」

「信頼関係が築けないのなら、これを機に婚約破棄をするのもいいだろう」


 そこまで言った後で自分がどれだけ酷いことを口にしたのか胸に重くのしかかる。「弁解をしなければ」そう思い口を開いた直後、カロリーヌ公爵令嬢が腹部に一撃を入れて言葉を封じた。

 彼女の肩に不覚にももたれかかってしまう。


 思えばすべて仕組まれていたのだろう。

 案の定、俺とカロリーヌ公爵令嬢の仲を勘違いしてユズは身を引く。


「殿下、婚約破棄の申し出、謹んでお受けします」

「え、な」


 そんな簡単に見切れるものなのか。

 いや自分が不甲斐なく彼女と良好な関係を構築できなかったツケが今まさに回ってきたのだ。


「今までお世話になりました」


 彼女が一礼をしたときに見せた技術の、彼女の努力の結晶。

 自分を魅せるための美しい、彼女の清らかで芯のある女性だと感じる立ち振る舞い。


 ダメだ。

 彼女を、ユズを、失いたくない。


「それでは失礼します」


 踵を返し足早に遠ざかっていく。

 待って。待ってくれ。


「行くなああああああ、ユズ!!」


 自分でも驚くほどの大声で叫んだ。

 刹那。

 ゴーンと鐘の音が唐突に響いた。

 耳を塞ぎたくなるほどの大音量。

 次の瞬間、全ての世界が白黒に切り替わり俺とユズ以外の全ての時間が凍結する。


「え」

「な?」


 ユズも驚いただろう。

 パーティー会場が静寂に包まれ音も、声も、色すら消えた。

 いや俺とユズだけは色を保ったままだ。

 俺は急いでユズの元に駆け寄った。


「ユズ、お前はなんともないか?」

「は、はい」

「そうか。よかった」


 どこかホッとして口元が綻んだ。

 そんな俺が物珍しいのかユズはおずおずと俺の顔を覗きこむ。

 なんだ、その上目遣い。どこで習った!? 可愛すぎるではないか。


「殿下?」

「あ、いや。……こんな状況でなんだかユズが可愛いと思っただけだ」

「え!? どうしたのですか? いつも人を殺すような目線で見ていたではないですか?」


 ユズの少し砕けた言葉遣いに俺は驚きつつも、内容に驚愕する。

 睨んでなどいない。あれは――。


「ん? いやいや。ユズがいつも可愛くて愛おしくて凝視していただけだ」

「そ、そうなのですか? 私が嫌いなのかと」

「そんな訳あるか! いつも努力して、一生懸命で立派だと思っている。あと何を贈ればいいのかわからなくて、ドレスやアクセサリーを部下に任せてすまない」


 いつになく舌が回り彼女と会話が続いていることに驚きつつも不思議と悪い気はしなかった。いつもこのぐらい彼女に対して話せていたら、と後悔していたのだ。


(ああ、そうか。いつも俺は周囲の目を気にして、だから……本心を隠そうとしていた)

「初耳です。あの、もしかして……毎日何か贈って下さっているのですか?」

「もちろんだ。義兄には見栄を張っていたが、いつも何かしら贈っていた。庭園の薔薇の花も咲いたから今日はそれを贈ったのだが……」

「そんな。お花なんて一度も届いていません。それに私も何度か相談があって手紙を出したのですが……もしかして、届いていないのでしょうか?」

「と、届いていない。ユズが()に? 手紙を書いてくれたのか?」

「はい。……ふふ」


 花のように微笑む彼女に、思わず「可愛い」と言葉が漏れた。


「ユズ?」

「いえ。殿下はいつも完璧な王子であろうとしたので、素では()なのですね。……知りませんでした」

「あ。……ああ、そうなんだ。本当は完璧な王子を目指すあまり、いつも余裕がなくてユズに対しても気遣ってやれないで、ダメダメなんだ……」

「私だってそうです。……でも少し安心してしまいました」


 そう告げる彼女に俺は深々と彼女に頭を下げる。王子として頭を下げることなど殆ど無かった。けれど彼女にはそれだけのことをしたのだ。


「すまなかった。……謝っても遅いのかもしれないが、婚約破棄を撤回したい。一生懸命努力するユズが好きなんだ。俺は気の抜き方や親しい人間に対してどう接していいのか学ばずに大人になってしまった。……けれどこのままで良いとは思ってない。どうかもう一度、やり直す機会をくれないか?」

「殿下……。ですが、私は聖女としての力がないただの異世界人ですよ」

「構わない! 俺はユズの生き方が好ましく思った、何より血や地位では無く実力がある人格者がそれ相当の地位に就くべきだ。その中でユズは俺の隣にいてふさわしい人だと思っている! 君は身一つで努力を重ねて俺と対等となる所にいたのだから!」

「!」


 普段の自分とは思えない程すらすらと本音が出てくる。

 彼女への真っ直ぐな思いも偽りなく告げられた。それだけで今まで自分が頑なだったか思い知る。

 ユズは両手で俺の頬に触れて、「殿下、頭を上げて下さい」と優しく告げた。指先が温かくて心地よくて、このまま触れていたいと思ったがそういうわけにもいかないと顔を上げた。


「殿下、今さら発してしまった言葉を取り消すことはできません」

「ああ。……その通りだ」

「ですからそれの言葉が霞むぐらいの信頼と関係の修復に時間がかかると思って下さい」

「それは……」


 ユズは力なく微笑んだ。


「私には後ろ盾も、ましてや特出した能力なんてありません。私は殿下の足を引っ張る不要な存在だと思っていましたが、そうでないと思って下さるのなら頑張ってみたいと思います」

「ユズ。……ああ、俺も傍に置いている部下たちの甘言に耳を傾かせすぎた。余裕も無かった、お前に辛い思いをさせないように、不安がらないように死力を尽くそう」


「それを――神々に誓えるか、ヘルムート」


 第三者の声に俺とユズは振り返った。

 パーティー会場の扉に国王である父と王妃の母、そして白い法衣に身を包んだ神官らしき人物が佇んでいた。


(あの白髪の神官、教会にいただろうか?)

「それでどうなのだ、ヘルムート」

「むろん、神々に誓います。俺はこの国を貴族というだけで地位に胡座をかき、民たちを蔑み搾取するような国にはしたくありません。俺の代で悪習を撤廃し、実力主義国家に変えていきます」


 それはまさに宰相ら貴族派閥を敵に回すようなものだ。正直、こちらの用意している手札は弱いかもしれない。それでもこの国を変えるためにも、やらなければならない。

 父上は顎髭を撫でながら笑った。


「そうか。ならば現国王としても少しは助力しなければな」

「そうですわね」

「さて、……今回の勝ちは人間側のようですぞ、創造主よ」

『そのようだな』


 白髪の神官の唇は一切動かず、ただ声だけが脳内に入ってくる。

 次いでパーティー会場の端にいた宰相を指さした瞬間、真っ黒な靄が形となって部屋から飛び出していった。


「今のは……悪魔?」


 ユズにも見えたのか口に手を当てて震えていた。

 そんな彼女を見て思わず腰に手を当てて抱き寄せる。ふわりと甘い香りにドキリとしたが表情には出てなかった――はずだ。たぶん。

 ユズは拒絶せずに身を任せて寄り添ってくれて、それだけで天にも昇るほど嬉しかった。


『然り。この国に蔓延していた邪気は聖女の出現で祓われたが、完全では無かったようだ。今回はそれらを我が浄化し正常に戻しておこう』

「……私だけの力では足りなかったのですね」


 ユズは悔しそうに呟いたが、神官――創造主は首を横に振った。


『否。これは聖女召喚を行った際に生じる王子への試練である』

「俺の?」

『聖女を召喚する時代は、おおかた世界が邪気に満ちている時、政治もまた似たように憎悪と嫉妬と悪意の坩堝(るつぼ)の中にある。それらの中で正しくあろうと示す指導者が必要だった』

「……そうか、ユズが力を失うような状況を作ったのも俺だったのか」

『然り。王子と聖女との信頼関係が薄れれば邪気はさらに増長し腐敗する。……しかしそなたは自らを省みて、心から謝罪し、立ち向かうことを決意した。故に我はそなたを次期国王と王妃と認めよう』


 再び鐘の音が響き、それによって世界の色が、時が動き出す。

 白銀の羽根が舞う中で神官は消え、パーティー会場にはざわめきが戻った。


 それからはあっという間で目まぐるしく時間が過ぎていった。

 邪気が消え去ったことで悪事に手を染めていた者たち全てに処罰を与え、身分に関係なく登用できるように学院を増やし仕事の斡旋など環境改善も進めた。

 義兄ハインツは「次の火種を生まないように」と辺境地に赴いたという。出立の前に話をしたとき「完敗だよ」と言いながら握手を求められたことに驚いた。

 ずっと義兄ハインツを越えることを考えていたのが、すごく昔のようだ。


 ユズは創造主の加護(ギフト)によって聖女の力を取り戻して活動を続けている。ただ今までのような過密スケジュールではなく、余裕を持ったものにして俺との時間もできるだけ確保して貰うように調整済みだ。


 あれから何度も話し合いや、デートを重ねて自分の気持ちをユズに伝えることを増やしていった。元を辿れば思ったことを口にせず噤んでしまうことで今回の騒動が起こったとも言える。

 いきなりの改善はできないが、少しずつユズを思い、そして気遣えるように心がけたい。


「ユズ」

「ヘルムート様、今日は少し早いですね」


 聖女の法衣に身を包みながら俺を出迎えてくれた。指定した客間にはお茶と菓子の準備が整っている。彼女とこんな風な時間が過ごせる日が来るとは思わなかった。

 以前は義務的な形でぎこちなかったものだ。

 デートと言っても大抵は王城ばかりなのだが、それでもユズは一緒の時間が増えて嬉しいと言ってくれた。


「ああ。ようやく政務も落ち着いたから……今日は市街での……デートについて話をしたくてな」

「まあ! 外でデートですか!?」


 あの日以降、ユズは少しずつ砕けた口調になり、今では親しげな言葉をかけてくれる。それが癒やされる。あと可愛い。


「か、可愛い。……その、今抱きしめても良いだろうか」

「!」


 ボッとユズの顔が真っ赤になったのが分かった。耳まで赤くなり、その姿がまた愛おしく感じられて、許可も無く頬にキスを落とした。


「なっ、殿下!」

「うん。コロコロ表情が変わるユズが愛おしい」

「どうしたのですか。あの一件以降、言葉数が増えるし、スキンシップや積極性だって……」

「ダメか? 迷惑だったか?」

「そ、そういうわけではないのですが……免疫が」


 ごにょごにょと語尾が尻すぼみになっていく。どうやら嫌だとは思われていないようだ。照れているというものだろうか。そのいじらしさも愛おしくて口元が緩む。


「ユズ、愛している。まだまだ至らない所ばかりだが、一緒にいてくれ」

「はい。……よろしくお願いします、ヘルムート様」


 真っ赤になっていたユズは何か思いついたのかグッと近づき、俺の唇に軽く触れた。ちょんと、触れる程度のものだが、彼女からのキスに硬直した。

「お返しです!」と言ってはにかむユズに、これは一生敵わない――そんな気がした。

 いやそれでも構わない。

 ずっと我慢して、言葉を閉ざしていた自分に、ようやく心を許せる大切な人ができたこと。今の幸福を噛みしめ、今度は俺の方から彼女の唇に触れた。



お読み頂きありがとうございます。

最後までお読み頂きありがとうございます( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )!

下記にある【☆☆☆☆☆】の評価・ブクマもありがとうございます。

感想・レビューも励みになります。ありがとうございます。



【完結】

竜騎士団の専属装備技師に再就職しました!~勇者パーティー追放のち女たらしの副団長に溺愛されて困っています~

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【短編】

薔薇公爵の呪いを解くための代償 ~ハッピーエンド後のヒロインと攻略キャラの後日談~

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喪服令嬢は復讐劇の幕を開ける~バカ王子が盟約を破ったので遠慮無く滅ぼさせて頂きます~

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婚約破棄したい悪役令嬢と呪われたヤンデレ王子

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※ハッピーエンドです。


転生王子は男装女騎士(死亡確定キャラ)を守りたい~最終手段は婚約破棄だったんだけど~

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ヒロイン不在だから悪役令嬢からお飾りの王妃になるのを決めたのに、誓いの場で登場とか聞いてないのですが!?

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面白かったです! 不器用からのやり直しイチャイチャ、良かったです! こちらだと第一王子は善人という印象だったのですが、あちら(第一王子ルート)だと弟の不器用さも二人の仲違いの原因も知った上で自分の利…
[良い点] ヘルムート様、影の努力家で親近感がわきました。 発した言葉は消せないけど、謝ってやり直そうと邁進するのもまた素敵です。(*ノ´O`*)ノ♡ 聖女でもないただの人になってしまってもいいと言え…
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