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【新堂怪談】  作者: 新堂本舗☆
11/11

闇医者

本当にあった怖い話

昭和の話で、今はもうそこには無い寂れた街の外れに中絶専門の闇医者があったそうです。


叔母の親友が中学生の時に同級生の子を妊娠したらしくて、友達みんなで中絶費用を出し合ってキーヤン仲間で有名なその闇医者に付き添いで行ったらしいです。


普通の商店街にある店舗の2階にその診療所はあったそうで、友達はすぐに奥の部屋に入れられて叔母は外の土間みたいな待合室で待っていたそうですが、すぐにあり得ない悲鳴とも叫び声とも言えない声が聞こえてきたそうです。


耳を閉じただけでは防げない声を聞きながら叔母は付き添った事を後悔したそうです。


終わらない叫び声が止まって、しばらくしたら小柄なお爺ちゃんが血だらけのエプロンみたいなのを脱いで丸めながら部屋から出てきたそうです。


そしてぐったりした友達を叔母に引き渡すとお金と引き換えに薬の袋を渡して帰らされたそうです。


と、言う話を聞いてから私は夜に飲み歩いていた場所を眺めていました。


叔母が話をしていた闇医者の診療所があった場所の通りでした。


ミャーミャーともワーワーともオーオーとも違う鳴き声が頭の中に響き出して思わず耳を押さえて蹲りましたが、声は無くならなくてどうしたんだろうとパニックになった時に携帯から電話がかかって来ました。


飲み仲間の某宗教のお寺の住職さんからでした。


私は震えてる手で携帯を取り出して、通話ボタンを押します。


「新堂さん?アレ?なんか変なとこに居ます?赤ちゃんの鳴き声が凄いですよ?」


「いえ、〇〇商店街の所なんですけど、なんやいきなり変な声が聞こえて動けないんですよ…」


そう私が力無く伝えると住職が「僕もそない霊力みたいなんは無いんですけど」と言うとお経を唱えてくれました。


普段は飄々とした人でも唱えるお経は力強くて…段々と私の身体から震えと鳴き声が無くなっていきました。


そして、歩けるようになると走ってその場所から立ち去りました。


2度と立ち寄る事はありません。


あの場所にはまだ産まれる事が出来なかった嬰児達が母親が迎えに来てくれる事を待ち望んで蠢いているのかもしれません。

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