真実は猫だけが知る
ある町に黒猫と暮らす髪の長い女が居ました。
女にある時、恋人が出来ましたがその幸せは長くは続きませんでした。
恋人と別れた女は寂しさを紛らわす様に猫を溺愛します。
そして、猫は発情期を迎える度に子供を産みました。
何故か同じ黒猫ばかり。
数年経つと女の家の周りには黒猫だらけになりましたが、女の姿は誰も見なくなりました。
ある時に心配した女の親戚が女の家を訪れましたが、留守なのか返事はありません。
電話も随分前に違う人の番号に変わっていました。
困った親戚はドアノブを回すと鍵は開いていました。
恐る恐るといった感じで親戚は家へと足を踏み入れると…必要最低限の家具しか無い家の中は猫達の糞尿で目に沁みる悪臭がします。
その中を持参していたハンカチで鼻を覆いながら進むと…リビングで横たわる女らしき死体がありました。
辛うじて、長い髪と着用している服装で女だと分かる死体の周りには黒猫猫猫猫猫猫猫猫猫猫猫猫達が取り囲んでいました。
親戚は慌てて警察を呼びます。
警察の検死の結果から、死因は絞殺…そうです。
女は殺害されていました。
相手は、女がかつて愛した恋人だったのです。
金を無心に来た男と口論になった女は首を絞められて殺されたのでした。
目撃していたのは猫達だけ。
その日から恋人だった男の周りには常に黒猫が居たそうです。
夢の中では恨めしげに自分を眺めるだけの殺害した女が現れ…徐々に錯乱し、精神を病んだ男は精神病院に入院していました。
警察が事情聴取に訪れても、意思の疎通が取れない状態です。
心神喪失状態の男に責任能力は無しと見做され刑には問われませんでした。
ですが、その後に男は長い髪を首に括って首を吊って自殺しました。
鍵の付いた刑務所の独房みたいな保護室で、でした。
男の髪は丸刈りでしたし、入院していた病棟には男性しかいません。
保護室にも病棟にも自殺対策の為に危険な物は持ち込むことは出来ませんでしたし、職員でさえ1人では男の居る保護室には入れない事になっていました。
病棟から出入りするにも特殊な鍵が必要でしたし、監視カメラにも異常はありません。
職員の中にも男が首を吊れる程に髪を伸ばしていた人は誰もいませんでした。
男が死んだ夜に猫がうるさかった事だけは入院患者達も夜勤の職員達も証言しましたが…真相は黒い猫達しか見ていなかったのかもしれません。
ただ…男が首を吊る箇所の監視カメラの録画部分だけが黒い何かが覆い被さった様に見えなかったのは内緒の話です。
こんな感じの文章で書いております。
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