フレア・ファミリア
【フレア・ファミリア】領主館
私はこの街の領主ヒノ・コタロウ(56)。今まさに我らが崇拝する大精霊フレア様がいらっしゃると精霊を通して伝えられ、街中でパニックが起きている。
この街にいる住人の殆どが火の精霊と契約した者が大半であり、その上位精霊であるフレア様は我々にとって神同然なのだ。
私は急いで教会にフレア様の休まれる場所を作り、住人達を道脇に立つように指示をした。何があっても失礼のないようにしなければ……
……………………………………
ルイとフレアは【フレア・ファミリア】の入口に到着した。フレアには一度精霊剣の中に入ってもらい、何かあれば手助けするようあらかじめ頼んである。
フレアが来る事知らされている門番達は、明らかに緊張しているのが分かった。
僕は恐る恐る門番の人に話しかけた。
「あのー?この街に入りたいんですけど?」
「ん?駄目だ駄目だ。今お前のようなガキを相手してられないんだ。我々はフレ……?」
「ん?どうかしましたか?」
この時は気付かなかったが、僕の背後にフレアが出てきていたらしく、門番の脳内に優しく語りかけていたらしい。
約10秒後には青ざめた門番がどうぞお通りくださいと道を譲り、僕は不思議そうに街に入る。
門をくぐった先には道端に大勢の人だかりが出来ており、全員が僕を見つめていた。
「フレア。何かヤバそうだから出てきてくれない?」
『了解よマスター!あと、念のために《精霊剣》使っておいてくださると良いですわ。』
精霊剣から突如として上空に現れたフレアを見た住人達が、一瞬ルイから目を離す。その隙に精霊剣を握ると、さっきまで見えなかった住人の精霊達が僕を取り囲んでいた。
精霊達はルイではなく、精霊剣の方をじーっと見つめている。すると、1人の中年ぽい精霊が話しかけてきた。
『大精霊フレア様の契約者様。是非とも我ら火の精霊達と契約してもらいたい。フレア様と精霊剣に認められた方なら何の問題はない!何卒よろしくお願いいたします!!』
『『『お願いいたします!!』』』
他の精霊達も丁寧に頭を下げたので、契約する事にした。主従契約だと住人との契約がなくなるので、普通の契約だ。精霊剣を通じてこの街の精霊全てを契約を行った。
一方、住人達はルイに目をくれずフレアの姿に見惚れていた。内心イラッときたフレアだったが、精霊剣からの言葉で笑顔に戻り、住人達に連れられて教会に案内されていく。
残った精霊達とルイは、ゆっくりお話ししながら後に着いていった。
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・火の精霊1235名と通常契約しました。
・規定人数に到達した為、精霊剣【第一段階】から精霊剣【第二段階】セカンドへ昇格しました。
・大精霊フレアの力を10%使用可能になりました。
・大精霊の契約者を無視した住人にペナルティを実行します