ミネスの過去
元火の大精霊ミネスがいた時代は争いが絶えない不毛な時代だった。
精霊と共に生きる人間達と、精霊を悪しきものとして滅ぼそうとする人間達による戦いが後を絶たなかった。
ミネスは精霊王と共に精霊と契約した人間達の為に力を貸していたのだ。だがそれは、ミネスの心に深い傷を与えてしまう結果になってしまったのだ。
目の前で自分を信頼してくれた人間や精霊達が死に、ミネス自身も多くの命を奪っていった。この不毛な争いは約100年ほど続き、終戦日の朝に妹のフレアが誕生した。
ミネスはフレアが産まれた時にいち早く感じたのだ。自分より純粋な炎の力を持つ精霊だと。妹と自分と同じ目に遭わないようにしなければならないと誓ったのだ。
だがそんなミネスの思いと裏腹に、フレアはみるみるうちに炎の精霊として成長していき、全盛期のミネスを上回る力をつけていった。
この時点でミネスはフレアを止めることが出来ないと判断し、前の戦いで造られた精霊剣のレプリカに偽りの憎悪を込めて大罪剣《嫉妬》を完成させ、フレアに殺してもらうよう精霊王に頼み込んだ。
精霊王が立ち合いの元で姉妹の死闘を行い、フレアの浄化の炎でミネスは消滅しした。
精霊王はフレアと精霊王以外の精霊達の記憶からミネスだけを消去する魔法を使用して、ミネスの存在を完全に消したのだ。
ただ、大罪剣《嫉妬》は戦闘後に行方不明になり、現在にいたる。