精霊剣-絆-
ルイと精霊剣の変化に、その場にいた者達は驚愕していた。
ルイはと言うと、短剣を空中に放り投げると、一瞬のうちにミネスの背後に移動し、頭を掴んで地面に叩きつける。
「う~ん?やっぱり本体は剣のほうか……」
「「・・・・・・」」
余りのルイのスピードに反応出来ず、今何が起きているが分からなかったフレアは、ルイに《鑑定》スキルを使う。
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《精霊剣-絆-》
・ルイと精霊剣が最も絆が深い精霊に模した姿に変化し、補助系スキルを短剣に、戦闘スキルを長剣に集約した形態。
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『な、何これ?』
フレアを他所にルイとミネスの戦いは激しさを増していく。手数でいえばミネスが押している様にみえるが、ルイは一歩も動かずに全ての剣撃を短剣で防いでいた。
短剣には補助系のスキルを集約しているため、攻撃より防御に優れている。それに加えてもう1つ重要な役割を持っている。
大罪剣と精霊剣-絆-がぶつかり合う度にルイと契約している精霊達の頭の中にミネスの記憶が映し出されていく……全て繋ぐ絆の剣……それが精霊剣-絆-の根底でありルイの願いでもある。
何度も何度も撃ち合い、ミネスが何故闇精霊になった理由がみえてくる。フレアとサラが涙を浮かべているのが戦いながら感じられた。
全ての発端はフレアへの愛その物だった。