因縁
said フレア
ルイが目覚める10分前。フレアとサラは屋敷に押し寄せた元住人を1人残らず倒しきっていた。全員が気絶した状態で倒れ、元の人の姿に戻っている。
『何とかなりましたねフレア様。相変わらず容赦のない炎ですね』
『あれぐらいヤらないと浄化仕切れませんでしたわ。恐らく上位の闇精霊だと思いますけれど……も?』
一瞬……視界が暗転すると別の場所に移動させられていた。フレアとサラ、そして今回の張本人であろう頭巾の女が目の前に立っていた。
『ここは……屋敷から1キロ離れた荒野ですね。フレア様……あの女の剣から精霊剣と似た力が感じるのですが?』
瞬時に場所を把握したサラは、目の前にいる女の剣の異常さに冷や汗をかく。
『あれは……もしかして大罪剣かしら?だとしたらマスターが来るまで耐えるしかありませんね……』
両手を前に出すと、頭巾の女を燃やし始めた。頭巾が燃え落ちるとフレアの表情は険しくなる。さらに倍の炎を追加するが、女の剣が全ての炎を吸収した。
頭巾が失くなったからなのかそれとも浄化の炎のせいなのか分からないが、頭巾の女の姿がはっきり見えるようになった。
『まさか貴方が闇精霊に堕ちているとは思いませんでしたわ……御姉様』
そこにはフレアと同じ姿をした闇精霊ミネスだった。