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捨てられ令嬢は、騎士団に拾われる  作者: わんたんめん
捨てられ令嬢、騎士団に入る
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アティ、ステータスを学ぶ

 バートがレシピ通りに材料を集め、さあ作るぞというとき、思い出したようにアティに尋ねた。


「そういえば、君はステータスについて教わったことはあるか?」

「ステータス? モンスターやアイテムだけでなく、人間にもステータスがあるんですか?」


 アティは目をパチクリとさせた。バートは真面目な顔で頷いたあと、解説を始める。


「ああ、一般の人にはあまり知られていないことだ。そして、ある種の専門職には必要な情報でもある。まずは僕のステータスを見せよう。『ステータス閲覧』」



『バートニウス・カールトン Age:23 Class:薄水の賢人

 HP:300 MP:720

 力:D 魔力:S 技術:A 防御力:D- 俊敏:C+ 運:B』



 バートのステータスを表すポップが、彼の前に現れる。アティはそれを覗きこんだ。


「クラスは称号、HPは体力、MPは精神力を表している。そして力や魔力などのパラメーターの上限はS+で下限はE-だ」


 アティがポップを触ってみると、もう1つのページに移った。


「あっ、すみません!」

「いや、見せようと思っていたからちょうど良い。気にしないでくれ」



『スキル:騎士の誓い、錬金術の賢者、真理を求めし者(錬金術)』



「スキルを持っていると、物事を有利に進めることができるんだ。僕の場合、錬金術に関係するスキルが2つあるから、錬金するときに良い効果を付与することができるんだよ」

「ステータスだけではなく、スキルも大事なんですね」

「ああ、そういうことだ。今度、他の人にも見せてもらうと良い。僕とはだいぶ違うからね」


 アティは楽しみだわ、と頷く。好奇心が刺激されていることを感じた。


「次は君のステータスを話をしよう。ほら、君のステータスを出すよ。『ステータス閲覧』」



『アティ・フラメル Age:16 Class:学生令嬢

 HP:50 MP:999

 力:E- 魔力:A 技術:C- 防御力:E- 俊敏:D- 運:S+』



「これは……いいんですか?」


 アティは自分とバートのステータスの差に驚いた。そのため、自分のステータスが良い方なのかも分からなかった。


「ああ、とっても良い方だよ! 普通の人ならオールD-ぐらいが普通だが、君は錬金術に必要なステータスは全て平均以上だ、素晴らしい!

 君が微妙だと思ったところはこれから、上げていけばいいだけの話だしね」

「はい、頑張ります!」


 バートに誉められて嬉しかったアティは元気よく答えた。


「まず、MPが多いところがいいね。これがあれば、いくらでも錬金できる。

 次に魔力が突出している。質の良い錬金アイテ ムが作ることはができるんだ。

 また幸運が高いと……」

「あ、あの、ちょっと早いです……」


 早口のバートに、アティは待ったをかける。

 すると、バートは悪いことをしたと顔をしかめた。


「すまないね。どうも夢中になると、早口になるんだ。えっと、君が聞きたいところはあるかい?」

「なんで魔力が高いと、質の良い錬金アイテムが作ることができるんですか?」


 その質問に、バートは目を輝かせた。


「そもそも錬金術とは、異なる材料を己の魔力を使い合成して、新しい効果を与えたものを作り出す術を言うんだ。

 君の場合、この魔力が常人のものとは格が違うんだ。だから等級や効果に違いが出ていると考えられるね」

「そうなんですか、ステータスからそんなに分かるんですね」


 アティは感心した声を出す。


「ああ、ステータスは人を表すと言っても過言ではないからね。今度、エドワードさんのステータスを見せてもらうと良い。あの人はパラメーターもスキルも、ありえないほど素晴らしいよ」


 ふむふむ、とアティは頷いた。そんなに誉められるエドワードのステータスは、いったいどんなものなのだろうか。そんな疑問が宿った。


「さあ、次はスキルを見てみよう」


 バートがステータス画面を触ると、パラメーターからスキルへ切り替わった。



『錬金術の申し子、美の女神フローラの加護、大樹フェオールの加護』



「スキルまで素晴らしいなんて、やっぱり君は天才だね! この『錬金術の申し子』があれば、錬金を有利に進めることができるんだ! ……フローラの加護は分かるが、このフェオールの加護は何だろう。まあ、今度ディーンに聞いてみてくれ」


 アティは、フェオールというどこか聞き覚えのある懐かしい言葉の響きに、バートと共に首をかしげたのだった。


「アティ、壺の中身を知る」の

ディーンのセリフ「1日役立たずになる」の1日を1週間に変更しました

よろしくお願いします

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