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迷路
気になってたあの店に入ってみる
仕事帰りの心地よい怠さを身に
母の好物を思い出す
母は自分じゃ買わないだろう
キラキラとしたチョコレート
丁寧に包み紙にくるまれたそれを
ふたつ カゴに入れた
電車に揺られて 母を想う
喜ぶだろうか 笑うだろうか
窓ガラスに映る小洒落た紙袋
腹の底がくすぐったい
そんな日常を夢見てる
そんな日常が欲しい
これは逃げなのだろうか?
実家を離れることの意味が 今更分かる
迷いが増えるならもういっそ
ああもう余計なお世話よ
矢印を増やさないで
可能性なんか要らなかった
平和に暮らしたいだけ
どうしたらいい?
もう考えない
とりあえず突き進んでやる
それから考えても 遅くないよね




