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 ぽた と滴が落ちた

 切符の上に水溜まりを見て

 慌てて 目を擦った


 私は着々と離れてゆく

 故郷から 思い出から

 それらを捨てた私を

 未来の私は叱るだろうか


 途中で引き返そうとか

 色々思ったりしたけど

 そんなこと 出来ない

 私は依然 臆病なまま


 迷惑を掛けてまでやることか?

 自問自答を繰り返す


 もう後戻りは出来ないの


 飛行機のドアが閉められた

 ゆっくりと滑走路を進む飛行機の

 車輪の転がる感触に

 もう 後戻りは出来ない

 その言葉が 胸に

 静かに落ちてくる


 近くにいないと分からないことが

 いっぱいある

 でも 離れていないと出来ないことも

 いっぱいある


 着いたら 手紙を書こう

 そして また会った時

 たくさんの報告が出来るように


 地上が雨でも

 空の上はこんなにもさっぱりと晴れている


 雲の上を行きながら

 またひとつ 滴が落ちた


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