表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我ら非リア充昆虫隊!  作者: 玉本綜
第一章「人間達の思い」
3/38

小さな友達&危機一髪!

 オレが一人でのんびりとした時間を過ごしていると、

「あっ、いたいた。こんにちは、ビィくん」

「よう、アント」

 オレの仲間で同志である、蟻のアントがやって来た。

 アントは体が小さいのと飛べないという欠点があるため、一生懸命バラの茎を上っている。その点、オレは羽があって飛べるから便利だよなぁと思う。

「ふぅ、やっと着いたぁ」

 ふーっと長く息を吐くアントに、

「ごくろうさん」

 オレは一応ねぎらいの言葉をかけてやった。アントは素直に、「うん、ありがとう」と返事をする。

「今日は暑いね」

「ああ。まったくだ。地球はどうなっちまったんだ?」

「温暖化が進んじゃってるらしいけど……大変だよね」

 アントも最近の気温がやけに高いことに気付いているらしく、それを気にしているようだった。

 あれ? そういえば今日は、アントだけしかここに来ていない……。

「おいアント、他の奴らは?」

 オレは疑問に思って、すぐにアントに質問した。

 アントは「う~ん」と唸りながら、六本あるうちの一本の腕を、顎の下にあてて考えていた。しばらく小さな唸り声が続いた後、彼はポンと手を叩いてこう言った。


「リア充さんたちを『ぼくめつ』しに行ってると思うよ!」


「ずいぶんと物騒だな!」

 思わず全力で突っ込んでしまったぜ。

 だってコイツが、いきなり『撲滅』とか言うからさ……。まったく、そのワードはおまえみたいなガキが使用していいもんじゃねーんだよ!

 一方でアントは、

「ん? 『ぶっそう』って何?」

 オレの放った言葉の意味を理解できずに、首を傾げている。こ、コイツめ……。

「あのな、物騒ってそうのは――」

 オレが言葉の意味を丁寧に教えてやろうとした、まさにその時だった。


「ぎゃあああ! は、蜂があたしの大切にしてるバラにぃ!」


 この家に住んでいる人間が、悲鳴と怒鳴り声をあげた。その声の大きさに、アントがびくっと身をすくめる。

 オレはどうせいつものことなので、余裕をかまして鼻歌なんて歌っていた。

「ビィくん……怖くないの?」

「こんなことで怖がってるようじゃ、蜂をやってはいけねぇぜ」

「声じゃなくて、あれ……」

 どうやらアントが身をすくめた理由は、大声ではないみたいだ。

 不思議に思ったオレは、視線を声のした方に向ける。そして目に映ったのは、

「っ!」

 自分に向けられている、殺虫剤だった。


「こ、この!」


 またしても人間の声が聞こえ、


ブシュ―――――――――――――!


 殺虫剤から、有毒な白い煙が発射された。

 それにいち早く気付いたオレは、すぐそばでうずくまるアントを抱え――、

「っとぉ!」

 羽音をたてながら、空へと素早く逃げた。オレの尻についた針の少し下を、煙が通り過ぎていく。

 あぶねぇ……。もう少し遅かったら、オレは今頃死んでいたところだったぜ……。

「アント、アント、しっかりしろ。もう大丈夫だ」

「ふ、ふえぇ……?」

 オレはまだ怯えていて状況を把握できていないアントに、なるべく優しく声をかけた。

 アントはゆっくりと目を開き、二、三度首を振って状況を確認しきったのか、

「あ、ありがとう、ビィくん……」

 ちょい間抜けな声で礼を言ってきた。別にオレとしてはこんなことは慣れっこだったので、

「いいっていいって、こんくらい」

 薄く笑みを浮かべながら、オレ的にかっこいい台詞を吐いておいた。

キャラクター紹介 1


《ビィ》

分類:蜂  一人称:オレ

名前の由来:蜂の英語(ビー)から

本編の主人公。

活発な男の子タイプだが、鈍感なところがある。特に、他の虫の気持ちを分かってあげることが苦手。

人間のことを自分勝手な生き物だと思っているが、自分から攻撃をしかけたりすることはない。

しかけるにもお尻に針がないため、攻撃できない。

殺虫剤をかわすのは、もうお手の物だとか。



《アント》

分類:蟻  一人称:ボク

名前の由来:蟻の英語(アント)から

ビィの仲間で同志。

ビィのことを頼れるお兄さん的存在だと尊敬していて、一緒にいることが多い。

基本子供っぽい性格で、優しく温暖、滅多に怒ったりしない。

ただ自分には羽がついていないことを、心の中で密かに悔しがっている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ