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彼は寝ている  作者: 国見あや
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すれ違い

花金で帰宅する夫に聴いてもらおうと、正月に買った88鍵の鍵盤がある電子ピアノを弾いて待ち構えていた私です。すでに夕飯の用意は整い、喜んでくれるかと思っていたら、夫はそそくさと「ちょっと待って。着替えるから。」と自分の部屋へ。こうして着替える際、余談だが夫は靴下を裏返して脱ぐのが癖だ。私は洗濯のとき面倒だけど、あまりとやかく直してほしいと言ったことはない。

電子ピアノの演奏は聴いてくれもせず、またバッハのミサ曲ロ短調をCDで聴くことに。

彼は音楽も美術などの芸術も人とおりの知識を蓄えている。

先日、モーツァルトとシューベルトのミサ曲のコンサートに行ってきた際、オーケストラの演奏で誰がよい調べを奏でているかや、合宿団の音域のズレ具合とかも、なんとなく分かったそうな。ひぇ〜、の私。

今日は夫は機嫌があまり良くない。私は今朝夫の職場付近の路線を使って目的地に行ったので、初めてこの辺りが彼の職場かなぁ?と思った。心の中で「頑張って」とメッセージを送り後ろ髪ひかれる思いでその場を後にした。

でも、そんな私も夫がぶータレていると、ますます気になる。どうしたの?悩みあるなら話して。お願いですよ、夫婦なんだから。

でも、話を聞いた私が馬鹿だった。夫は演技派俳優かい?なんと、ただブータれた振りをしていただけ、とのこと。そうだよね、温厚な彼には珍しいことだよね。

そして、夕飯が済むと、霊的読書時間の始まり。霊的といっても、いわゆる読書時間ですね。

そして彼は専門書を抜粋して、私に読ませるは、読ませるは。こんなんだと私が読書することを苦痛に思っちゃうよ。

最後は数学の問題を気晴らしにやっていて、分からないところを夫に質問しようとしたら、「1ぺージにつきワンコインね。」と夫。私も引き下がらず「ワンコインって1円あり?」と図々しいお願い。答えはばっさり!

「ダメだよ。」

そこで自分で参考書を見て自学自習となりました。


夫、どう考えても、ご機嫌ななめ。

あっ、そうか今日届いたAmazonの本2冊のうち、1冊が彼を満足させなかったんだ〜!


そそくさと先に今日も寝てしまいました。

「人間は人の幸せは嬉しくなく、人の不幸せのほうが嬉しい!ゲフンゲフン‼︎」とフェイスブックを見た後、一言言って寝入ったのです。

夫は花金でいつものようにたくさんおやつやドルチェを買ってきてくれたけど、たまには仲良い夫婦でもすれ違いになるもんですね。

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