その名は世理朱
その子はダルそうに言った。
「前もって伝えたいことがあります、わたしの両親はバカです。覚えておいて下さい。
それでは…わたしの名前は佐藤世理朱と言います。
名前の由来は読んで字のごとく世界の理を朱く染めて欲しいとの願いが込められています。
名字がありきたりだし、名前くらいインパクトがあってもいいよね、しかもちょっとかっこよくね?とか思ってました、昔は。
ところが世界はそんな甘い考えを許してくれませんでした。
ツ○ヤでレンタルの入会するときに名前書いたら『あのー、芸名はちょっと…』とか言われたり『え?AV女優?』とか言われたり。
あーぁ、ままならないなぁ。
そんな時、世界の理を呪いたくなります。世理呪になります。呪ですよ、呪。朱く染めるなんてことはできませんし。せいぜい悪口陰口で呪うのが限界です。
あー…あとは…とりあえずネタ切れですね、はい。以上です」
朝の教室、担任が連れてきた転校生の女の子、佐藤世理呪…ちがった世理朱だった、が、自己紹介を終えた。
疲れぎみの表情で肩にギリギリかかるかの髪をかきあげながら、ほぅ…とため息を吐く。
うーーーーむ。
かわいい!!
…じゃなかった、いやかわいいけど、とりあえずそれは置いておけオレ!
オレが今すべきことは、ただ1つっ!
「ツッコミ所が渋滞起こしてんぞ!?」
「申し訳ありません、あと2時間程で解消される見込みでして…」
「あくまで例え!ツッコミをボケで返すな!」
「カウンターボケ?」
「カウンターテロみたいな言い方すんな!?」
「え?カウンターエロ?わたしも嫌いじゃないです」
「クールにそんなこと言うな!」
「時代は未亡人でもビッチでも人妻でもありません、クールの時代なんです」
「よりによってなんでその3種を挙げた!?」
「昨日プレイしたゲームのヒロイン達です」
「あ、もしかしたらオレもやったヤツかも。って、そういうことじゃなくてだな!?」
「勝手にふたりで盛り上がるな、先生怒るぞ!?」
「「え?ふ○なりのが盛り上がってる?」」
オレと世理栖の声がハモった。
その直後、オレの頭を先生がひっぱたいた。
なんだ先生、ふたなりの意味知ってんじゃん…
……これが、クラスの英雄、ツッコミ王の筒神明夫と、クール系ボケ娘、佐藤世理栖の出会いだった。
「ツッコミ王…あの、これ自体がツッコミどころ?」
「初回の人物紹介なんだ!ちょっと話盛っただけ!」