最終話 見ててくれ
僕達が最終クリアしてから数日、すべてのテストプレイヤーがフォルテナイトメアから脱出した。
ログアウトができなくなった原因なんだけど、姉さんの部下の一人がやっかみでやったらしく、姉さんは相当腹を立てていた。
まあ、一人も死者も出さずにこの事件を解決できたのでよしとするかみたいなことも言ってたし、大丈夫なのかな。
今回の件で姉さんが切られることはないそうです。むしろ、切ってしまったら誰が今後のVRという業界を開発するんだとか言われたらしい。まあ、当然って言えば当然なのかも。
後、姉さんは蔵乃さんに告白されたらしい。すべてが終わって記念で皆で飲みに行った時に告白されてしまったんだって。
目下の悩みはそれで、姉さんに相談されてしまった。むしろ、僕がルナさんとの関係で相談したかったんだけど……。まあ、大いに悩んで決めればいいかな。
ああ、そう言えば忘れてた。一応、世間では僕らは結構なやばいことに巻き込まれていたことになっていたらしく、さっきまでたくさんのクラスメイトの人達がお見舞いに来ていた。ああ、今、僕達、ゲームに拘束されてた人達はいろんな病院に入院してリハビリしてますから。
そして、今日僕とルナさんは退院します。まあ、明日から学校だからなんだけど。
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学校に来て早々。担任に泣かれてしまった。そりゃまあ、そうだろう。自分のクラスの生徒が2人も例のゲームに囚われる事件に巻き込まれてしまったんだから。心労もすごかっただろうな……。姉さんに言って何か持ってこよう……。
大した問題もなく学校での一日を終え、僕はルナさんを連れだって姉さんのいる会社へと向かった。
会社につくと姉さんが既に待機していた。
「おう、黄昏。元気だったか?」
「姉さん。今日の朝も会ったよね?その時、僕は元気じゃなかったっけ?」
「すまん。癖だ」
「まあ、いいよ。で、何で僕達を呼んだの?」
「ああ、お前が言ってたモニターの件だが社長が見繕ってくれてな」
「え?」
「驚け、何とめっちゃでかいスクリーンモニターだ。壁一面が埋まるレベルだ」
「いいの?」
「まあな。今後、俺がやらなきゃいけないことへの報酬だってさ」
「何?」
「VRゲームの促進」
まあ、そうだろうね。
「で、どうするの?」
「基礎プログラムを売り出す」
「いいのそれで?」
「ああ、今後を見据えてのことだ。悪いことじゃねぇ。むしろいいことずくめだ」
「で、僕達を呼んだ、本当の目的は?」
「専属のテストプレイヤーにならないか?」
それって……つまり、仕事としてゲームをやれってこと?
「まあ、今回頼んだような調査とかもやってもらうことにもなるんだがな」
「やります」
「ルナさん?」
「やらせて下さい。それが、きっとあなたに近づく一番の近道ですから」
「お、何だ?俺の後を付いてくるってか?」
「出来れば、黄昏君も一緒にどう?」
どうといわれても……。最初から答えは決まってるじゃん。
「もちろんやらせてもらうよ。姉さんの助けになるならね」
「おう」
「ところでなんでモニターが必要なんだ?」
「帰ってからのお楽しみだよ」
「そうです」
この日、姉さんが帰ってミリアとあうことになるんだけどそれはまた別の話。
ε = (  ̄ 。  ̄ ; )
今僕はルナさんと共に学校の屋上います。
「ねえ、黄昏君」
「何?」
「彼はなんて言って消えていったの?」
もう一人の僕のことだろう。
「姉さんとルナさんを頼むって。後、負けるなって」
「そっか……」
ルナさんが黙る。
僕はあの日、自分に言われ、ルナさんへの気持ちをはっきりさせた。だから、こうして二人で屋上は結構どきどきするんだよね……。
「あのね、黄昏君」
「ん?」
「私ね。黄昏君のこと好きなんだ」
「へ?」
何と?今、何とおっしゃりました。
「彼に言われて、私も思った。君が気づいてくれるまで待つつもりだった私もきっと臆病だったんだって。だから、言うね。私は君が好きなんだ」
「……ありがとう……///」
顔が燃えるように熱い。
「君は?君はどうなんだい?」
「僕も君が好きだよ。ルナ」
僕はルナさんを呼び捨てにする。
「そ、そうか」
僕達は弱いままだけど、きっと強くなれる。だから、君は僕の中で見ててくれ。きっと、守って見せるから……。
Fin
どうだったでしょうか。最後の方は駆け足どころか一時間で3話ほどを書き上げてるんで正直なところ話がちゃんとできてるかを確認してませんのでミス等ありましたら、報告をください。もちろん、感想等もお待ちしております。
前にも言いましたとおり、時間と想像力があればシリーズものとして続けるつもりです。主人公は違うのですが……。
どちらにしても、ここまでお付き合いありがとうございます。また、私の作品を読むことがありましたら、是非ともよろしくお願いします。
ではっ!