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第21話 決断しろよ、俺

 何なんだ、この光景は。


 黄昏君が二人いて戦っている。目を疑わざるを得ない光景だ。


「ルナちゃん、ごめんね?」


 そして、私の隣にいるこの少女。一瞬で私を縛りあげ彼を二人にした張本人。


「君は何者なんだ?」


「ん~?そうですね~。言うなれば神様ですかね?」


「……」


「疑わないでよ。でも、本当ですよ。私は、水無月暁の思いを受けて生まれた神ですから」


「え?」


 耳を疑う。何?暁さんが生み出した神様?


「私は、水無月暁さんの思いや気持ちを受けて生まれました。彼女の弟を思う気持ちとそこから生まれたたくさんの人にゲームを楽しんでほしいという気持ちからね。

 で、もともと意思は生まれてたんだけど体がどうしようもなくてね。今回のVRゲームのやつで体を手に入れることができてね」


「ということは、君は本当に神様なんだね?」


「うん」


「では、なぜ黄昏君にあのようなことを?」


「彼を目覚めさせるために」


「?」


「あなたも知ってるよね?彼の過去は」


「ああ、もう一人から聞かされてね」


「私はね、暁さん……お母さんに笑顔でいてほしいんだ。それに、弱いままの黄昏君じゃ暁さんを悲しませ続けるのはわかってるから……。だから、強い心を持っていたもう一人の彼に黄昏君をね……」


「そうか」


「うん。終われば彼は消える。本当の意味でね」


「え?」


「だって意志のまま肉体を権限させてるんだもの」


「では、彼は……」


「黄昏君の中に溶けて消える。同化するといってもいいかもしれない」


「そうか……。でも、彼は……黄昏君はそれで強くなれるんだね?」


「うん」


 そうか……。頑張ってくれ黄昏君……。







 ( ゛  ` - ´ ) /







「おいおい。もっと頑張れよ」


 俺は俺に対し強く言う。こいつには強くなってもらわないと困る。


「何で……。何でこんなことを……」


「なんでだ~?まあ、良いぜ。話してやるよ」


 剣を打ち合いながら話を始めた。


「今のままのお前じゃあ、誰も守れないからだ」


「え?」


「お前は自分では何もできないと思いこんでないか」


「そ、そんなことはない!」


「じゃあ、何でお前は目を背けた!ルナがあの地下室であんな仕打ちを受けていたのを見たとき何で目を背けたんだ!」


「そ、それは……」


「結局のところ、お前は自分のことをちゃんとわかってないんだ!お前は十分強い!俺はお前だ!俺がこれだけ強いんだ!お前が弱いはずがないだろう!」


「……」


 無言で俺の剣を受ける。


 俺はそのまま強く押し出し尻もちをつかせたところで剣を目の前につきたてる。


「決断しろよ、俺。姉さんやルナを守れるだけ強くなるのか、此処で俺に倒されて俺と役者を変わるかをな」


 俺は冷酷に言い放った。


 このままじゃ、こいつは間違いなく大きな過ちを犯すだろう。いや、後悔をするといった方がいいだろう。きっと、誰も守れず泣くだろう。だから、今、こうして教えてやるんだ。


「さあ、どうするんだ?」


 守ると答えろ。じゃなきゃ俺はキレるからな?

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