第20話 鍛えてやるよ
天使との戦闘を終え、僕たちは転移陣に乗り、気が付けば綺麗な家が立ち並ぶ空間へと来ていました。
正面には大きな社があり、それが目的の場所だというのを分かりやすく示していました。
周りには人影などは見えずあたりはとても静かです。
とりあえず、目指さすは目の前にある社ですね。
入ってみるとやはりそこは教会のような場所でした。綺麗なステンドグラスに大量の天使の像と女神の像。まさに神々しいとはこのことと言わんばかりの部屋ですね。
しばらく見とれていると綺麗な声が聞こえました。
「よくぞここまでたどり着きました、冒険者の皆さん」
声のする方に目を向けてみるとそこには見た目から女神っぽい人がいました。でも、何ででしょう。神々しい感じはないんですよね。何ででしょう?
「皆様にはここまで来られた褒美としてこれを渡しましょう」
渡されたのはカードのような物体だった。いや、フロッピーディスク?
これは、たぶん姉さんの言っていたデータプログラムなんだろう。
「では、皆様お帰……り…………を……」
突如として女神型のNPCの声というか口調が完全に乱れた上にその姿がぶれ始めました。
そして、ブウォン!という音と共に目の前が暗くなりました。
(  ̄ 人  ̄ )
「起きてください。起きてください黄昏さん」
……ん、僕を呼ぶ声が聞こえる。
起き上がってみるとそこにはいつぞやの白い空間で出会った神とも思えるような少女がいました。
「ここは……」
「すいません。無理な呼び方をしてしまいました……。でも、このタイミングじゃないと意味がないので……」
「どういうことですか?」
僕を呼びだしたといった。ということはこの少女は僕に用があるということだ。
「簡単な話です。あなたにはちゃんと目覚めてもらわないとお母さんが安心できないですから」
「お母さん?」
「い、いえなんでもないです。それよりもゲームクリアおめでとうです」
「これでクリアなのかい?」
後ろからルナさんの声が聞こえました。どうやら、僕とルナさんだけがここに連れてこられたみたいです。
「はい、そうなんです。ですが、最後のフィールドに行かないとログアウトは出来ないのです。ちなみに渡されたものは偽物ですよ?」
「え?」
「あそこにいるのは堕ちた神様と天使という設定なのです。実はこの先のステージに行かないと真のクリアにはならないんです」
「じゃあ、何だ?このまま帰ってしまってはいけないということか?」
「はいです。ですから、黄昏さん、ルナさん、あなた達をここにお呼びしたのです」
「どういうことかな?私までここに呼ぶ理由はないんじゃないのか?」
「あるのです。この先に進ませるには黄昏さんの意識を覚醒させないといけないのです」
「だから、どういうことなんですか?」
「こう言うことです」
そういうと少女は僕に手を向け、何かをつぶやき始めた。
「彼の者に宿りしもう一つの意思よ、ここに肉体を持ちてその姿を現せ」
そのつぶやきが終わると僕の体が光り始めました。
「彼の者を縛れ」
その声を聞き、僕はルナさんの方を向くとルナさんが縛られていた。
「おいおい。あんまりルナに乱暴すんなよ」
耳を疑いました。なぜならそこにいたのは僕でした。
「別にそんなつもりはないよ?あなたは私のやりたいことわかってるよね?」
「分ってるさ、さあ、始めようぜ。鍛えてやるよ」
僕は何が何なのか分からないまま僕は自分と戦い始めた。
9月中に終わらせるつもりだったのに終わりませんでした……。
もう少し計画的にやりたいです。