第01話 ええっと。つまりゲームの動作を確認しろと?
書けましたので投下。
主人公の口調が結構難しいです。
※ルナの一人称がおかしかったので修正[11/04/16]
誤字を修正[11/05/05]
僕は水無月黄昏は姉が会社で立案し開発にまでこぎつけたVRMMOのゲームのテストプレイヤーとして姉に会社まで来いと脅された。
もちろん脅されなくてもやるに決まってたけどね。
最近、開発されたVRシステム。ヴァーチャルな世界をまるで自分が見ているかのごとく感じさせるシステム。
五感をリンクすることで本物のリアルを感じることのできるこのシステムが開発されて世界的な反響を呼んだ。
まあ、でも今は全身入るカプセルが出来ているだけだからおいそれと手を出せる金額でないのも事実なんだよね。
ヘッドギア型も開発はされてるけど五感のリンクがうまくいってないみたいだしまだまだ先になるかな。
だからゲーム開発はしばらくかかると思ったんだけど、姉はそんなことはいいから求められているゲームを作るってことでどこよりも早くVRシステムを使ったVRMMO開発しちゃったわけで。
そんなわけで僕は夏休みなのを利用してテストプレイヤーとしてやってきてるわけですよ。
会社はVRカプセルをいくつか買ったり借りたりして数をそろえて約500人のテストプレイヤーを募ってやることになっていたんだけど、応募が多すぎて選考に苦労したみたいだよ。
なんでそんなこと知ってるかって?そりゃ姉に聞いたにきまってますよ。っていうか僕は無理やり姉にテストプレイヤーにねじ込まれたんですけどね。
そんなこんなでいましがたテストプレイ用のVRカプセルの置いてある場所に着きました。
そこには姉がいましたので挨拶をしときます。
「暁姉さん、こんにちは。言われたとおり着ましたよ」
「おお、我が弟黄昏か。久しぶりだな。元気だったか?」
この超男勝りな女性が我が姉水無月暁だ。
僕たちの親はすでに死んでいて、僕は姉に育てられたようなものです。近所の人によく言われるのは「あんたたちの性別はぎゃくであるべきだよね」です。まあ、僕のほうは確かに女の子っぽいですし特にしゃべり方とか。姉は男らしすぎますし。
ちなみに姉は拳一発で学園の番町を張り倒したとかなんとか。武勇伝に堪えませんね。
そんなことはいいとして話を進めましょうか。
「はい。元気ですよ、貴女の弟は。ところでここに呼ばれたのはテストプレイヤーっていうのはわかっているんですが何をするんでしょうか?」
テストプレイヤーなのだからテストプレイするだけのはずだが聞いてみた。
以前頼まれたことのあるオンラインゲームのクエストクリアとかがあったので何をするのかは聞いておかないと。
「そうだったな。今回、黄昏にやってもらうのは初のVRシステムを使ったオンラインゲーム“フォルテ・ナイトメア”のテストプレイなんだが、同時に管理者権限を持ってプレイヤーの様子を確認してほしいんだ」
まさか、管理者まがいのことをやれということとは恐れ入りました。
「ああ、管理者というかテストプレイヤー達の正直な感想を集めてほしいんだ。やったあとに聞くと多少の色眼鏡が入ったりするからね。ちなみに管理者権限として私に連絡を取れるようにしてある」
「そうですかわかりました。では、案内お願いします」
「おうよ。しっかり頼んだぜ。会社としてもお前には期待してるんだからな」
そう言われても困りますよ。
確かに僕は自他共に認めるほどの廃人ゲーマーですし、姉の勤めてる会社のオンラインゲームは全てやっていて姉には新クエストの試験をしてくれと頼まれたりしています。どのオンラインゲームでも最強と言われ続けて、ついには、最強ゲーマー“Twilight”で有名になってしまったりしています。ちなみに“Twilight”は僕のよく使うキャラ名です。
で、テストプレイ用のVRカプセルの置いてある場所に着きました。当然他の人もたくさんいるわけですが、ここには約50人の人がいます。
オンラインで出来るかの確認もやるのでいろんな地方でやることになっています。
見回していると見知った顔がいて吃驚しました。
「ルナさん。抽選に当たってたなんて吃驚です」
そう言って話しかけたのはルナ=フランベルジュ。ちなみに本名です。よく一緒にオンラインゲームをやる人なんですが、留学生で成績もよいんですが留学初日になぜか僕に話しかけてきて、それから何かと一緒にいることが多い人です。ものすごい美少女です。銀髪に蒼眼でもはや人間離れしています。
「ああ、黄昏くん。私も当選するとは思っていなかったんだが、何の因果か受かってしまってね。やりたかったから正直うれしいの一言に尽きるよ」
「おう、なんだ知り合いか?黄昏」
姉が話しかけてきました。ちなみに姉の容姿はすごいです。180cmの長身に長い黒髪。もう映えまくっててすごいです。
そんな姉に突然話しかけられたせいかルナさんが硬直してしまっています。あらあら、紹介しときませんと。
「ルナさん、こちらは僕の姉で水無月暁です。暁姉さん、こちらルナ=フランベルジュさん僕の学校での友達で留学生です。よく一緒にネトゲをしています」
紹介すると二人とも挨拶をしました。
「水無月暁だ。弟がお世話になっているとのことだがありがとな。知っての通りすこし偏屈でな」
「いえいえ、こちらこそお世話になっております、ルナ=フランベルジュと申します。この度はテストプレイヤーに選んでいただきありがとうございます」
そう言えば、教えていませんでした。失念です。
何でしょう。目を話していたらルナさんと姉さんが小さい声で話し合っています。
「で、お前はあいつが好きなのか?」
「ッ!!…いけませんか?正直、まさか一目惚れをするなんて自分でも吃驚ですが…」
「そうかそうか。まあ、よろしくな。だが、あいつはかなり鈍感だからな。取られない内に取っちまえよ。弟の幸せそうな顔が俺の一番の楽しみだからな」
何を話していたんでしょう。ルナさんの顔が真っ赤になっていますが?
「姉さん何をしたんですか?」
「あぁ?何にもしてねえよ。ちょっとした確認だ」
何でしょう、もやもやしますが…。
「ルナさんほんとになにもされていませんか?」
「ええ。何もされていませんよ」
ほっ。なんだかすっきりしました。
とりあえず、そんなこんなで時間がきました。姉さんが壇上に上がり説明を開始する。
「よくぞ集まってくれた。ゲーム好きの者たちよ!」
「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」「暁さーーーーーーーーーーん!」
うわっ!何でしょう、この熱気は!?50人くらいしかいないはずなのに、あり得ないくらい熱気に満ちています。
「諸君には私の企画立案した“フォルテ・ナイトメア”をやってもらう。諸君は何万人ものゲーマーから選考の末に選ばれた者たちだ。今日から一カ月間の間ここでやってもらう。存分に楽しんでくれ!」
「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」」」」
何でしょう?一種の宗教でしょうか?正直怖いくらいです。
そんなことを考えていると隣にいたルナさんが話しかけてきました。
「君のお姉さんはすごいね」
「まあ、一応有名なオンラインゲームの企画立案してますし。コアなネトゲマニアにとっては最強のカリスマを持った天才なんですよ」
「そうなんだ。本当にすごいよ。私もいつかあんな人になりたいな…」
まさかルナさんからそんな言葉が出るとは吃驚ですが納得します。
「はい、出来うるならばあんな皆様に愛される開発者を目指したいです」
「そうだな。出来うるならばなりたいものだな」
そんなことを言いつつ姉さん姉さんの話は続いていました。
「諸君は選ばれし者である!」
「「「「うおおおおおおおぉぉぉぉぉ!」」」」
「諸君ならきっとこのゲームを楽しんで切れるに違いない!」
「「「「うおおおおおおおぉぉぉぉぉ!」」」」
「では、諸君!そろそろ時間だ!頑張ってくれたまえ!」
「「「「うおおおおおおおぉぉぉぉぉ!」」」」
相変わらずすごい熱気でした。
姉さんは壇上を降りると真っ直ぐにこっちに向かってきました。
「おう、あと少しで始めるから頼んだぜ?」
「はい、姉さん」
「ルナだったか?弟を頼んだぞ?」
「はい、任せてください!」
なんで僕がルナさんに任されなければ?とは思いましたが姉さんが心配してくれるのはうれしいので良しとしましょう。
「せっかくのゲームだ。楽しんで来い。じゃあな。昼飯を一緒に食べよう」
「はい、その時まで」
「はい」
そんなわけで僕たちのとても長くとても忘れられない楽しい夏休みが始まった。
この後、あんなことに巻き込まれてしまうとも知らずに……。
どうでしたか?
正直、一人称だと書きやすいです。
でも、三人称を練習したいです…。