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第16話 調査に入れ

 黄昏からPKによる監禁事件を解決したと聞いてから一週間、私達はようやく犯人の尻尾をつかむことに成功した。


 プログラムの改編痕跡から調べ上げるのに時間がかかったがようやく見つけることができた癖のようなものがあった。でも、完全に絞り込めたわけでもなかった。


 見つけられたのはあくまでプログラムを打つうえでの微妙な癖のようなものだからだ。でも、今回のことで犯人を絞り込むことができた。


 候補は3人。いずれも、根幹のプログラムを書いていた人物だ。


 一人目は月島礼(つきしまれい)。プログラムチームの中で一番若く、これからを支える人材として期待されている人物だ。人当たりも良く誰もが彼女を認めていて、敵もいないしゲームを愛していてこの会社に入社した。こんなことをするとはあまり思えない人物でもある。


 二人目は奧山謙介(おくやまけんすけ)。いわゆる中堅で実力も確か。厳しくあまり好かれてはいないが忠実に仕事をする姿勢から尊敬されている先輩としてはNO.1であろうと思われる。無口のためよく分からんがこんなことをするような人物ではないと言われた。


 三人目は琴峰斎次(こおみねさいじ)。プロジェクトマネージャーとしても一流の人物でその手腕によって世の中に出たゲームは必ずと言っていいほどヒットしている。最近はそのなりをひそめ、プログラムチームの一員として完璧な仕事をしている。しかし、裏ではまだプロジェクトマネージャーの仕事をやりたがっているとも言われていて黒い噂もある。怪しい人物ではあるがそんなことをしてもいいことは何もないことがよくわかってる人物だ。


 結論を出すには早いが、十中八九この中に犯人がいるだろう。


 どちらにせよ俺のやることは変わらない。こんなことをしたやつを絶対に許さないだけだからな。







 ( ノ Д ` ) ハ ァ







「蔵乃。すまんがこいつら一人一人に事情聴取をしてくれないか?」


 暁さんに突如そんなことを言われ、僕は必死に駆けずりまわっていた。


 事情聴取っていうのは犯人と予測だてられている人かそれにつながる人にされるものだ。もちろんそんなことされたら嫌な気持ちになることは避けられない。だけど、今回の件を片付けるためには必要不可欠なものであるのは確かだ。


 そんなわけで、僕は三人に聞きました。結果は3人ともがアリバイがないことに……。


 会話はこんな感じでした。




 月島礼の場合。


「今回のテストの前日から始まるまでの時間どうしてたか?う~ん。仕事終わってからみんなと軽く飲んで10時くらいには家にいたけど証明はできないかな」



 奥山謙介の場合。


「今回のテストの前日から始まるまでの時間どうしていたかだと?家で一人で飲んでいたな。妻は旅行に行っていていなかったな。証明できん」



 琴峰斎次の場合。


「今回のテストの前日から始まるまでの時間どうしていたか?何人かで最終チェックした後は解散した。その後は自宅に帰って寝た。証明できるものはいないよ」




「このような感じです」


「御苦労」


「あ。でも、ひとつ気になったことがありました」


「なんだ?」


「琴峰さんが何か不気味な笑いをしてましたね」


「いつものことだ」


「いえ、いつもよりさらに不気味だったんで」


「そうか、引き続き調査を頼む。俺は解析を続ける」


「はい」


 暁さんのために頑張らないと。

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