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第10話 俺に任せろや

 僕のPCは姉から渡された特別PCです。ですから、僕に悪意が向けらる、つまり、僕をPKすることは不可能ですし、PK以外の悪意を向けることもできません。システムにはじかれますから。


 そういうこともあって、襲われたとき相手は真っ先に僕を狙ったんでしょうが僕を捕まえられませんでした。そうと知るや否や。ルナさんをロープで縛りあげ攫って行きました。


 不覚でした。普段から高レベルダンジョンに出かけていますからこんな風に襲おうとも襲えませんし。宿屋などに攻撃は仕掛けられないので止まっている限りは絶対安全です。


 ですから、今回のこの事件は完全に僕のミスです。いくらPKでも人間ですし、恨むこともあるでしょう。もちろん報復行為も視野に入れていたはずです。


 恥ずかしい。ルナさんをこんな目にあわせてしまった自分が恥ずかしい。


 ルナさん今すぐ助けに行きますから待っていてください。







 (  ̄ Д  ̄ ; ;







 目が覚めるとそこは見たこともない倉庫のような場所だった。


 なぜこんな場所にいるのかが分からない。ああ、そういえば誘拐されたのか…。


 たぶん、やったのは以前PK行為を繰り返していた奴らであろう。私たちのパーティーもPK討伐には参加していたのだし。


 しかし、どうしたものだろうか…。手は後ろで縛られていてとてもほどけそうにないし、足も縛られているので立ち上がることもできない。口が塞がれてないのが唯一の救いなのかもしれないな。


 だけど、この状況は非常にまずいな。いくら、今私が男のPCを使っていても精神的には女だ。パニック仕掛けている。こんな冷静に考えていてパニックも何もあるかとは自分でも思うが、実際、どうしようかと頭の片隅では思考がパニックを起こしている。


 落ち着こうか。どちらにせよ、今私にできることなどないのだから待つしかないのだ。


 それにライト、黄昏君は絶対に助けに来てくれると私は信じている。勝手なのかも知れないが私はそう信じたいのだ。


 このあと何をされるのだろうか。全く、低俗な奴らの考えることはよくわからない。復讐か?迷惑をかけておいて復讐とは全く下種な奴らだ。


 まあ、いいだろう。私は何をされようが弱音等吐かないし、挫けもしない。だから、黄昏君早く来てくれ。







 (  ̄ ~  ̄ ; )







 ルナさんを探して一時間。時間をかけ捜索した結果ようやくPKたちの潜伏先を見つけた。


 でも、見つけたのはいいものの高レベルな僕たちでもプレイヤーの数の暴力にはそう簡単には勝てない。他のパーティーの人たちにも協力を要請して、今突入計画を練っているところだ。


 もちろん、ルナさんを助けるのは僕がやるとして簡単な概要はこうだ。クルスさんとヴァルサスさん、他のパーティーの皆さんには陽動として正面から特攻を仕掛けてもらいます。もちろん、その隙をついて侵入してルナさんを助けるのは僕の役割です。


 さあ、行きましょうか。ルナさんを助けに。




 奴らの潜伏先は案の定フィールドの方にありました。皆さんはもう準備を終えていていつでも突入できる状態です。


「では、行きましょう。お願いしますね」


「お前こそ必ず救出しろよ?」


「はい!」


 こうして、ルナさん救出作戦が始まりました。




 僕は倉庫の裏口からの侵入に成功し、今、ルナさんが捕まっている部屋を探しています。


 倉庫は意外にも広く、地下もあるというあり得ない感じの場所になっていました。


 とりあえず、探し出さなければと思い、一階から探し始めたときに地下からルナさんらしき叫び声が聞こえてきました。


 僕はすぐに声のした方に駆け出し、この部屋だろうと目測をつけ開けてみるそそこには酷い惨状が広がっていた。



 ルナさんは天井から吊られ、滅多打ちにされていた。



 思考が停止した。いや、違うと思った。思考が怒りで完全に我を失いかけたのかな。よく覚えてない。だって、その時のことを僕は全く覚えていないから…。


 だって気づいた時にはすべて終わっていたから。


 でも、一つだけ覚えていることがある。それは、僕の頭の中にその時響いた言葉だった。







『俺に任せろや』

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