第4話:朝の沈黙と剥き出しの歓喜
扉が開け放たれた直後の数時間は、驚くほど静かだった。
誰もが、自分を包み込む光の感触を確かめるのに必死だったからだ。
カイは建物の影から抜け出し、コンクリートの縁に腰を下ろした。
そっと目を閉じると、まぶたの裏が鮮やかな赤に透ける。
何十年も経験したことのない「熱」が、肌を、髪を、そして冷え切っていた骨の芯までゆっくりと解かしていく。
周囲を見渡せば、そこには異様な光景が広がっていた。
一人の老人は震える手で地面をかきむしり、掴み出した湿った土を顔にこすりつけていた。
「土だ……生きてる土の匂いがする……!」。
彼は泣きながら土を頬張り、吐き出し、またその匂いを嗅ぐ。
また、数人の男たちは意味もなく草原を転げ回り、草の汁で服を緑色に染めながら、獣のような咆哮ではなく、腹の底からの笑い声を上げていた。
女性たちは、日当たりの良いコンクリートの上に座り込み、お互いの髪を解き合っていた。
「見て、あなたの髪、光に当たるとこんな色だったのね」。
暗いモールの中では分からなかった、本来の髪の艶や肌の色を、愛おしむように指でなぞり合う。
子供たちはと言えば、光に怯えるどころか、見たこともない色鮮やかな昆虫を追いかけて、膝まである草むらの中を泳ぐように走り回っていた。
暗闇に閉じ込められていた時間が長すぎたのだ。彼らにとって、この光の下での「奇行」や「慈しみ」は、自分が生きていることを確かめるための切実な儀式だった。




