6:ダンジョンへ
ここが揺れによってできたダンジョンかぁ...
俺は新しくできたダンジョンに挑戦することにした。近くに行って見てみると、想像以上に大きい。今はSランク冒険者のパーティーが攻略しているが、5階まではEランクでも行けるレベルらしい。
初ダンジョンが昨日できたダンジョンってなんか変な感じする...
俺はダンジョンの近くにある受付に行って、5階までの挑戦を申請した。しかし、受付の人が顔をしかめる。
「最近登録したばっかの冒険者さんですか...うーん...」
どうやら最近登録した冒険者は行けることは行けるのだが、討伐の経験が浅いため死亡する確率が高いらしい。多分、急なパニックなどで正しい判断が鈍るから死亡する確率が高いのだろうと思う。しかし、今日はダンジョンというのはどのような感じなのかを知っておきたいから、無理にでも挑戦しようと思う。
「危ない時は逃げるんで大丈夫です。」
「そ、そうですか...あまりオススメはできませんけど...気をつけてください!」
俺はドキッとした。なんせ、女性の方に心配されることなんて一度もなかったから。俺は元暗殺者であり、ボスの直の指導を特別に受けていたため周りの暗殺仲間は俺に頼っていた。
「お前がいるなら安心だな!」
「今日も指示してくれよな!」
「いつも頼りにしいてます!」
俺は周りよりも優れた暗殺の才能を持っていると、自然と思うようになっていた。周りからチヤホヤされて、浮かれていたのだろう。だから、ボスは排除したんだろう。
いや、マナにも心配されたような...どうだっけ?
俺は昔いた世界のことを思い出しながらも、ダンジョンの入り口に足を踏み入れた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ダンジョンに入った途端、俺は感じた。外の空気と全然違う。ダンジョンの空気の方が異様に重かった。
これがダンジョンか...油断は禁物だな...そうだステータスの確認...
=============
《ステータス》
名前:獅子 湊
職業:冒険者
レベル:75
H P:1200/1200
M P:1200/1200
攻撃力:1
防御力:870
スキル:鑑定•弱点把握•敵察知•弱点命中•言語理解
【隠れスキル:暗殺者】
所持金:988,850フェス(9,888,500円)
=============
そうか、ゴブリンの討伐によってレベル上がったんだ...にしても変わらず攻撃力1か...って!隠れスキルがある⁉︎発動の条件は夜のみだと思っていたが...ダンジョンはまた特別なのか...
俺は未だに自分の隠れスキルの発動条件を理解していない。これを手に入れた時はピンチだった時、ある時は夜になってステータスを開いたら表示されていた。今はダンジョンで表示されている。
何かが関係して表示され、使えるのかもしれない。今回のダンジョンで何が掴めたらいいな...
でも俺は今回は戦いに来た訳じゃない。ダンジョンの構造や出てくる魔物を調べにきた。そもそも攻撃力1の俺が魔物と戦えるわけがない。新しく買った短剣を使ってみたいところだが、今回は我慢だ。
〔一階層〕
俺はスキル鑑定を使いながら、出てくるモンスターの種類やレベルを調べた。
一階層には主にスライム、ゴブリンが出現する。一階層はクネクネとした道が多いが、迷うことがない。簡単だ。
〔二階層〕
二階層には主にゴブリンと小鬼。たまにウルフが出てくる。ゴブリンと小鬼は非常に似ており、スキル鑑定がないと、見分けがつかない。強いているならツノがあるか、ないかだな。いや、見分けつくか...
俺は順調に魔物を倒さず、避けて三階、四階と進んでいき、俺が挑戦できる最高階数の5階きた。
疲れた...体力回復ポーション飲むか...
俺はポーションを飲んで一息ついた。四階層に魔物は一階層から三階層にいた魔物が出てきて、数も多い。短剣を使うか迷ったが、攻撃力1の俺が使っても無意味。隠れスキルを使った時に使うと俺は決めている。
〔五階層〕
新たなモンスターが出てくるのかな...てかなんで一本道なの...強いのは無理だけど...
俺は一本道を歩いていると、大きな広場に出た。やけに大きい広場であり、Eランク冒険者がクリアできなさそうな雰囲気を出している。
やけに広いな...でも、なんもないな...ッッ!
いきなり、俺の目の前にレッドウルフが三体現れた。
はぁ⁉︎あの魔物ってCランク冒険者が倒すやつだよな?隠れスキル使うしかないよな...でも使ったらまたあの声が...
そんなことを考えているうちに、レッドウルフの一体が俺の方に突っ込んできて、左右二体が口を開けて、火炎玉を放つ。
仕方ない!隠れスキル暗殺者!
----------
『隠れスキル、暗殺者を使用』
『攻撃力、防御力、あらゆる力が向上します。』
----------
隠れスキル発動と同時にレッドウルフの攻撃を避ける。
レッドウルフとは戦ったことがある。とりあえず、首が切断できれば...
殺せ...殺せ...殺せ...殺せ...
ウッ!またこの声...いや、今は耐えるしかない...
俺は短剣を持って、左にいるレッドウルフの背後に回って突っ込む。
スパン!
やっぱりこの短剣すごい...切れ味がよく、簡単に斬れる。
スパン!
さらに、ジャンプして左のレッドウルフの首を切断した。そのまま、真ん中にいたレッドウルフの首を狙うが避けられる。俺はすぐに短剣の持ち方を変えて、顔を狙った。
スパン!
右にいたレッドウルフはもう一度俺に向けて火炎玉を放つが俺が避けて、後ろにいたレッドウルフに当たる。それによって真ん中にいたレッドウルフが倒れる。俺はその隙を逃さずに首を切断した。
残り一体。行ける!と思った時、残りの一体が叫ぶ。
ウォォォォォォォオ!!!!!
な、なんだ⁉︎いきなり...
叫ぶと同時に口から何かを吸収している。なにか嫌な予感を覚え、距離を取る。その時にあいつが吸収しているものがわかった。俺が倒したレッドウルフの魔力を吸収していた。
仲間の魔力を吸収している⁉︎スキル鑑定!
=============
《ステータス》
名前:キングレッドウルフ
レベル:183
H P:24000
攻撃力: 45700
防御力:38000
スキル:火炎玉•フレイムスロワー•バーン
=============
レベル...ひ、183⁉︎き、キングレッドウルフ...う、うそだろ...
最後まで読んで下さりありがとうございます!!
明日のお昼12時頃に第7話を投稿する予定です!!
読んでもらえると嬉しいです!!