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42:パーティー

パーティー会場に着くと、すでに大盛り上がりしていた。周囲からは俺に対する感謝が伝えられて、頭が狂いそうになった。中にはお世話になった武器屋の店主もいた。この中で挨拶するのも難しいため、軽く頭を下げた。その後、エルフ族の族長、ドルボが来て中央広場の舞台に立つ。


「今日は転移者様、シシミナト様とその仲間であるウタ様、マナ様、ミシリ様、ミント様のパーティーです。こうして、私たちが生きていられるのはシシミナト様のお陰であります。では、シシミナト様前へ。」


合図されると、ウタが俺の背中を押して手でグットをしている。その後ろでウタと同じようなポーズを取っている。渋々、ドルボの隣に向かう。


「シシミナト様だ!」

「救世主様!」

「ありがとうございます!」


またしても、同じような驚きと感謝が飛び交う。


「えーと、この戦いを乗り越えられたのは俺だけが活躍した訳じゃありません。もちろん、仲間と皆さんの協力があってからこそ、乗り越えられたのです。俺のために素敵なパーティーを開催してくださり、ありがとうございます。エルフ族に幸運と新たな導きを心から願っています。」


俺は言い終えた後、頭を下げた。しかし、拍手などが一切にない。


な、なんか変なことい、言ってしまったのか...


「し、シシミナトサ様ぁぁぁぁ!!!」

「なんて、素敵な人なんだ!!!!」

「あぁぁぁぁ!!救世主様!!!!」


まさかの俺の言葉に泣いている者などがいて、カオスな状況だった。そして、隣にいる族長のドルボまで涙を流していた。


「そ、それではパーティーを開催します!」


ドルボの声とともに、エルフ族のみんなは今日イチの盛り上がりを見せた。俺たちは舞台に椅子と机が用意されて、そこで食べるそうだ。


「ミナト〜!良かったよ!」


ウタはまた俺に飛びついてくる。その周りにマナとミシリ、ミントが笑顔になって俺を見る。


「みんな、ありがとう!」




俺たちは用意された椅子に座り、運ばれてくる料理をいただいた。どれもとても美味しく調理されており、ウタはガバガバと食べていた。マナは上品に食べ、ミシリとミントはリスのように口を大きくしながら食べている。


「お口に合いましたか?」


隣に座っているドルボは俺に尋ねてきた。


「とても美味しいです。ありがとうございます!」


「いやいや。それで食事を終えたら、私と少しお話しできませんか?」


「ああ、わかりました。」


俺は何を話すのかわからないが、了承した。




「いっぱい食べたね〜!」


ウタはお腹をさすりながら、一息ついている。ある程度の料理はいただいた。そこで、俺はドルボに合図され、舞台裏の方へ移動する。ウタたちには、少し席を外すと言っておいた。


「すみません、シシミナト様。楽しいときに...」


「全然、大丈夫ですよ。」


ドルボについていくと、小さな談話室に着いた。俺とドルボは用意されているソファーにゆっくりと腰を下ろした。


「それで、お話しって...」


「はい。お約束のラックキルを潰す協力についてのお話しです。」


「それがどうかしましたか?」


「今後、私たちエルフ族はどう動けばよろしいのでしょうか?」


ドルボは真剣な眼差しで俺に尋ねる。


「まだ動かなくてもいいです。というより、まだ情報が足りていなんです。」


今、ラックキルはどう動いているのか、何をしていてるのかが全くわからない。エルフ族は人間族との関係を切っているため、情報が全く入ってこないというのが事実だ。


「そうですか...しかし、一つだけ情報を手に入れました。」


「え?」


「トーラス国、カンケル国、クリオス国の3カ国が"全面協力国軍同盟"を結んだということです。」


俺とドルボはラックキルに関することを長い間、話し合った。それに、このタイミングで話したのは俺がすぐにここから出発するということをわかっていたそうだ。さすが、エルフ族の族長である。話を終えた後、また舞台へと戻った。


ウタたちはあまりにも遅くて俺を心配していたそうだが、俺が事情を説明すると心配は打ち解けた。そして、楽しい時間はあっという間に過ぎてパーティーは終わった。


「楽しかったね〜!」


ウタは満足そうに言った。


「ウタさん。食べ過ぎですよ!」


マナは笑いながらウタに注意した。


「ミナトくんも楽しかった?」


ミントは俺に尋ねてくる。


「楽しかったよ。ミシリも楽しかったか?」


「うん。楽しかったでしゅ!」


噛んでしまったミシリは顔を赤らめる。それに対してウタとマナ、ミントは笑った。その姿を見ていると俺はまた、涙をこぼしそうになった。


ドルボが用意してくれた5人部屋に着く。俺はウタたちに明日にここを出ることを伝えると、嫌がらずに納得してくれた。




翌日、朝早くから準備をして部屋を出るとドルボがすでに待っていてくれた。ドルボに従って外に出ると、エルフ族の住人たち大勢がお別れを伝えにきている。そこには武器屋の店主と回復薬をくれた店主の姿があった。すぐに俺は駆け寄り、感謝を伝える。


「あの時、ありがとうございました。」


「何を言っているんだ。娘は無事に帰ってきてくれたんだ。本当にありがとうございます。」


そう言って武器屋の店主は自分の娘を紹介した。とても小さい子でこんな子が怖い思いをしたと思うと、胸の奥が痛くなった。


「あ、ありがとう...」


「どういたしまして。」


俺はしゃがんで言った。


「本当にありがとうございます。」


武器屋の店主は再度、お礼してくれた。俺は回復薬をくれた店主にも感謝とお別れをした。


「シシミナト様。」


ドルボに呼ばれて振り返ると、ウタたちは馬に乗っていた。俺も馬に跨ろうとした時、横からアーシャに抱きつかれる。


『え?』


ウタたちは目を点にし、口を揃えて驚いた。


「ミナトさん!これを。」


アーシャは俺に美しい青色の指輪をくれた。


「これには、私の精霊が宿っています。どうか、また会える日まで。」


そう言ってアーシャは背伸びをしながら、俺の頬にキスをした。


『うえ!?』


また口を揃えて、ウタたちは驚く。


「あ、ありがとう。アーシャ。」


俺はアーシャから貰った指輪をはめて馬に跨がり、ドルボに感謝を伝えた。


「ありがとうございます。」


「また、お会いする日まで。」


ドルボは俺の目を見て、力強く握手をする。




俺たちは目的地である、クリオス国へ馬を走らせた。

最後まで読んでいただきありがとうございます!!

そして、初めて10万字を超える物語を書くことが出来ました!

ありがとうございます(((o(*゜▽゜*)o)))♡

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